時節は、来週末02月04日『立春』。
前日の『節分』に食べる「恵方巻」の食べる方向は、今年は「北北西」。
今日は、先ず、ほぼ1か月ぶりに松尾芭蕉の『野ざらし紀行』〔第7回〕をお伝えした後、先月18日に仕事で上京した折、帰途上で立ち寄った二つの美術館の企画展の模様をお伝えする。
■さて今日は、2016年12月25日付【時習26回3-7の会 0632】以来、久しぶりに松尾芭蕉(1644-94)の第一作目となる紀行文『野ざらし紀行』の今回はその〔第7回〕をお送りする。
前回は、〔第6回〕にて、今から332年前の1684(貞享元)年十月初旬~中旬(新暦11月07日~25日頃)の芭蕉が「名護屋に入程風吟ス」についてお伝えした。今回(第7回)は、十二月廿五日(新暦1685年01月29日)に芭蕉は伊賀上野に帰り越年。
早速御覧頂きたい。
※ 1684(貞享元)年 ※
【済】八月中旬(十一~廿日(新暦1684年9月20~29日頃))‥・江戸深川の草庵を門人千里(ちり(=苗村氏))を伴い、東海道を上方を目指して出立。【済】八月二十日過ぎ(新暦09月30日過ぎ)‥・小夜中山を越える
【済】八月晦日(新暦10月08日(猶、八月は小の月につき晦日は29日) ‥・伊瀬外宮を参詣
【済】九月八日(新暦10月16日)‥・伊賀上野着、兄半左衛門宅に滞在 ‥・千里の故郷、大和国竹内村千里宅を訪問、吉野山に登る
【済】九月下旬(新暦10月28日~11月06日)‥・今須・山中を経て大垣へ‥谷木因亭に泊す
【済】十月初旬~中旬(新暦11月07日~25日頃)‥・伊勢の多度権現、桑名本統寺を経て熱田へ
【済】十月下旬(新暦11月25日頃~12月06日)‥・名古屋へ赴く、その後再び熱田へ
【今回(第7回)】十二月廿五日(新暦1685年01月29日)‥・伊賀上野に帰り越年
※ 1685(貞享02)年 ※
二月(初旬から中旬廿日迄(新暦03月05日~03月24日)) 伊賀より奈良へ、二月堂の行事を拝す因みに、東大寺二月堂の修ニ会(しゅにえ(=おみずとり))は二月一日~十四日(現在は、新暦03月01~14日に行われる)
二月下旬(廿一日~晦日(新暦03月25日~04月03日)) 京都鳴滝の三井秋風の山荘に遊ぶ
三月上旬(朔日~十日(新暦04月04日~13日) 伏見西岸寺に任口上人を訪ねる
三月中旬(十一日~廿日(新暦04月14日~23日)) 水口の駅で服部土芳に逢い数日滞在、のち名古屋へ向かい熱田の桐葉亭へ
四月四日(新暦05月06日) 鳴海の下郷知足を訪ねる
四月五日(新暦05月07日) 熱田へ戻る
四月九日(新暦05月11日) 再び鳴海へ赴く
四月十日(新暦05月12日) 鳴海を発ち、江戸へ向かう
四月下旬(廿一日~晦日(新暦05月23日~06月01日)) 木曾・甲斐を経て江戸へ帰着
《原文》
爰(ここ)に草鞋(わらぢ)をとき、かしこに杖を捨(すて)て、旅寝ながらに年の暮(くれ)ければ、
年暮ぬ笠きて草鞋はきながら
といひゝゝも、山家(やまが)(注1)に年を越(こし)て、
誰(た)が聟(むこ)ぞ歯朶(しだ)(注2)に餅負(お)ふ丑の年
《現代語訳》
此処に草鞋を解き、彼方に杖を捨て、旅寝の儘に年が暮れて仕舞うと‥
【意】笠を着た儘、草鞋を穿いた儘の旅の出立(いでた)ちの恰好の儘で年が暮れて仕舞ったヨ
【季語】「年暮る」:冬【解説】旅人として慌しく年が暮れた感慨を読んだと解したい
と言いつつも、山里の家(=実家)にて年を越し‥
【意】誰の婿さんだろう?/牛の背にシダ(=羊歯)の葉を添えた鏡餅を背負わ(オワ₌おわ)せて、その「牛(=ウシ)」を「追っ(=オッ=おっ)」て行くのは‥/今は正に「丑(=ウシ)年」の正月に
【季語】「丑の年」:新年【解説】俳論『三冊子』に「此(の)句ハ、冬の日の年の歳旦(₌元旦)也、此(の)古体に人の知らぬ悦び有り、と也」とある
「古体」とは、「おふ」が「(背)追ふ」と「牛を追ふ」、「うし」が「牛」と「丑」の掛詞になっていることを指す
《語句》
(注1)山家(やまが):故郷の伊賀上野を指す。竹人『全伝』に「尾張伊勢路を経て、末の冬廿五日又いがにあり」とある。(注2) 歯朶(しだ):羊歯/シダ植物の総称/餅に添える
【小生comment】
『野ざらし紀行』の次回〔第8回〕は、「二月(初旬から中旬廿日迄(新暦03月05日~03月24日)) 伊賀より奈良へ、二月堂の行事を配す」なので、三月上旬にお送りする予定である。
お楽しみに!
■01月18日は、勤務先の取引金融機関2行と、現在進めている三河湾での免許事業でお世話になる国と地方公共団体の外郭団体、そして勤務先の最大の取引先の日本法人東京事務所の4箇所に年始挨拶の為上京した。
そして、3時過ぎに用事を済ませた小生、広尾にある山種美術館と中目黒にある郷さくら美術館東京の2つの美術館を訪ねた。【山種美術館『日本画の教科書〔京都編〕‥栖鳳、松園から竹喬、平八郎へ‥』展】
本展は、山種美術館の開館50周年記念の特別展である。
本展leafletに「今回は京都画壇、続く次回展では東京画壇と2回に分けてご紹介する。近代日本美術史を語る上で欠かせない名画ばかりを取り揃えた、正に『日本画の教科書』とも呼べる特別展を開催する」と謳っている。
[01]山種美術館美術館の最寄りの駅 JR山手線「恵比寿駅」
[02]山種美術館入口の本展案内看板
[03]本展leaflet
[04]菊池芳文(1862-1918)『「花鳥十二ヶ月」《二月》』明治-大正前期
[05]竹内栖鳳(1864-1942)『班猫』1924年
[06]同『鴨雛』1937年頃
[07]上村松園(1875-1949)『砧』1938年
[08]同『牡丹雪』1944年
[09]村上華岳(1888-1939)『裸婦図』1920年
[10]小野竹喬(1889-1979)『晨朝』1969年
[11]同『冬樹』1976年
[12]山口華楊(1899-1984)『生』1973年
【小生comment】
ホント、素晴らしい傑作ばかりだった。
次回の『日本画の教科書〔東京編〕』も是非見たくなった。
3月に見るべく計画中である。
これもお楽しみに!
【郷さくら美術館 東京『特別展/林潤一の世界‥樹花草々‥』展】
当館は、2012年開館と新しい美術館である。
Internetで本展「林潤一の世界」のsampleの絵が気に入ったので見て来た。
以下に、主な展示作品をご覧に入れる。
[13]郷さくら美術館 東京 入口
[14]本展leaflet
[15]林潤一『肥後椿』2000年
[16]同『紫陽花』2000年
[17]同『冨士晴嵐』2005年
[18]同『山高神代桜』2012年
[19]伊達 良『さくら川』2013年
【小生comment】
いかがでしたか?
なかなかいいでしょ!?
今回初めて訪れたが、山種美術館がある日比谷線恵比寿駅の隣駅の中目黒役から徒歩3分の所にある。
これから上京した折には、結構数多く訪問しそうな美術館になりそうだ。(^^;
■今日最後の話題は、樺沢紫苑著『脳を最適化すれば能力は2倍になる』の予告編である。
本書は、7つの脳内物質について、その役割とそれ等のbalance良い活用により『能力を2倍にする』ことが出来ること説明したbusiness書。
まだ取り寄せたばかりの本で読み出したばかりなので全容の感想をお伝えすることは出来ない。
ただ直観だが、なかなかいい本と感じたので、次回から複数回に分けてご紹介して行きたい。
今日は先ず、著者の樺沢氏が本書を上梓した趣旨を述べた序章から一部(P.16)を引用してご紹介する。
「脳の仕組みに適った仕事術をして頂きたいと思う。
脳が自然に dopamine を出すことを促せば、motivation が上がる。作業効率や学習効率、更には記憶力迄 up する。
つまり、生活習慣や働き方を変えるだけで、あなたの能力が大幅に引き上げられ、仕事の効率も質も大きく改善される。
こうした作用は dopamine に限らず「7つの脳内物質」をbalance 良く活用すれば、先ず stress を減らすことが出来る。
更に、脳の機能に match して、頑張り過ぎた身体を救い、鬱病になる危険性も激減する。
これ等「7つの脳内物質」は、夫々違った役割と活用方法がある。
本書では、この7つ「dopamine/noradrenalin/adrenaline/serotonin/melatonin/acetylcholine/endorphin」について解説する。
この「7つの脳内物質」こそが、あなたの motivation や働き方を変え、あなたの人生迄変えてくれる物質である。(P.21)
これ等を出来る限り balance 良く実践することに拠り、理想的な脳内物質の状態が実現する。
結果として、あなたの「脳と身体は『健康』」となり、あなたの「潜在能力が100%、或いはそれ以上引き出される」のである。(P.30)」
【小生comment】
本書は、医学に疎い小生にも非常に解り易く説明してくれている。次回は、先ず dopamine についてご紹介する。
お楽しみに!
【後記】今日最後は、01月18日に上京する日の朝、豊橋駅の concourse に展示されていた『鬼祭り~赤鬼像』をご紹介してお別れしたい。
[20]豊橋駅 concourse に置かれた『鬼祭り~赤鬼』
では、また‥。〔了〕
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