2020年11月29日日曜日

【時習26回3−7の会 0839】~「松尾芭蕉:俳諧七部集『あら野』から巻之七〔第57回/第551句~560句〕」「11月14日(土)~15日(日):大和国一人旅~「浄瑠璃寺」「岩船寺」「円成寺」「東大寺二月堂への小径と二月堂」「白毫寺」、二日目「東大寺南大門」「唐招提寺」「秋篠寺」「松伯美術館」を巡って」

■皆さんお変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回37の会 0839】号をお届けします。
 今日最初の話題は、松尾芭蕉(1644-94)「俳諧七部集『あら野』から〔第57回/巻之七~第551句~560句〕」をご紹介する。

551 武蔵野(むさしの)やいく所(ところ)にも見る時雨(しぐれ)  舟泉(注1)

 

【意】流石に広大な武蔵野よ / 見晴るかすあちこちで時雨の暗雲通り過ぎていくのが解る

【解説】季語:時雨初冬 /

(注1)永田舟泉(ながた しゅうせん(?-02(1737)年10月27日(享年84歳)))三河挙母((ころも)豊田市挙母町))生まれ / 尾張名古屋の人 / 通称六兵衛 /1687(貞亨04)年に蕉門に入る『あら野』・『曠野後集』に入句

 

552 (みづうめ)を屋(や)ねから見せん村(むら)しぐれ  尚白(注1)

 

【意】一度我家の屋根に登って頂き琵琶湖をご覧に入れたいものです / 湖面を渡る時雨の様子をご覧頂けますから‥

【解説】季語:村しぐれ初冬 /

(注1)江佐尚白(えさ しょうはく(?-享保07(1722)年07月19日):江左氏 / 千那の親友で貞亨02年以来の膳所蕉門の一人 / 医者 / 句集『忘梅』がある / しかし、此の書物出版を巡り師弟間が事実上崩壊 / 芭蕉の尚白に対する憎悪は許六宛書簡(元禄0605月04日)窺える

 

553 から崎(さき)やとまりあはせて初(はつ)しぐれ  伊豫 随友(注1)

 

【意】近江八景の唐崎の夜雨」で有名な唐崎で一夜を過ごした 折りしも此の冬初めての時雨が通り過ぎた / なんと幸運だろう

【解説】季語:初しぐれ初冬 /

(注1)随友(ずいゆう(年不詳))伊予愛媛の人 /『あら野』・『続猿蓑』に入句

 

554 むさしのとおもへど冬(ふゆ)の日(ひ)あし哉(かな)  洗悪(注1)

 

【意】武蔵野は広く、急がないと冬の日は暮れて仕舞う / だから急いでいるのだが矢張り広大な武蔵野のこと、直ぐに暮れて仕舞うヨ

【解説】季語:冬の日あし /

(注1)洗悪尾張の人 / 人物について詳細不詳

 

555 めづらしと生海鼠(なまこ)を燒(やく)や小(を)(注1)ゝ奥(おく)  俊似(注2)

 

【意】山奥でナマコなど村人は見たことも珍しいものだから何でも焼いて食べろとばかりに、此処では海鼠を焼いて食べる

【解説】季語:生海鼠(なまこ)三冬 /

(注1)小の京都の北、大原付近にある小野 / 炭竈を歌に詠む

(注2)伊藤俊似(いとうしゅんじ(年不詳))尾張津島の人 /『あら野』に多数入句

 

556 冬ざれ(注1)の獨轆轤(ひとりろくろ)やをのゝおく  津島一笑(注2)

 

【意】冬の訪れと共に小野の里は炭焼きの営みに入る / 其の小野の里より更に奥まった「小野の奥」に一人でろくろを廻しているがいる / 其の様は冬の淋しさ一層際立たせ

【解説】季語:冬ざれ三冬 /「小野の奥」は前句の小野より更に山中に入ったところなのであろう

(注1)冬ざれ:冬になり草木が枯れると共に海、山など見渡す限りの景色が荒れ 果てた感じをいう

(注2)若山一笑(わかやま いっしょう(年不詳))尾張津島の人 / 貞門の俳人として寛文時代から活躍 /『あら野』に入句

 

557 (ゆき)の富士(ふじ)藁屋(わらや)(ひと)つにかくれけり  湍水(注1)

 

【意】真っ白に雪を頂いた富士 / 小さな屋根の小屋のに見えなくなった

【解説】季語:晩冬 /「藁屋根の富士山の山の形の相似」「大きな富士と小さな小屋の対照」の面白さ

(注1)湍水(たんすい(年不詳))尾張の人 /『あら野』に入句

 

558 よし野(の)(やま)も唯(ただ)大雪(おほゆき)の夕(ゆふべ)(かな)  野水(注1)

 

【意】桜名所の吉野山に雪が降った / 此の大雪で吉野山は一面真っ白 / 花なら微妙な gradation を奏でるが、流石に雪ばかりは白一色短調だ

【解説】季語:大雪晩冬 /

(注1)岡田野水(おかだ やすい(?-寛保03(1743)03月22日))埜水とも / 尾張名古屋の呉服豪商で町役人 / 通称は佐右次衛門 本名岡田行胤 / 芭蕉が『野ざらし紀行』の旅で名古屋に逗留した1684年 /『冬の日』同人 / 其の頃、野水は27歳の男盛り/ 琵琶湖南の近江門人や去来など上方の門人とも親交し

 

559 星崎(ほしざき)(1)のやみを見(み)よとや啼(なく)千鳥(ちどり)  芭蕉

 

【意】星崎と言うから、星の光の降る様な海辺かと期待して来たが、生憎今宵は星一つない闇夜で、其の闇を通して、千鳥の声が聞こえるばかりだ / だが、闇夜なればこそ集中して千鳥の声に聞き入ることが出来た

【解説】季語:千鳥三冬 /【前書】鳴海にとまりて星崎の闇を見よとや啼千鳥」/

(注1)星崎:尾張国の海浜の歌枕

 

560 (よ)るの日(ひ)や不破(ふは)(注1)の小家(こいへ)の煤(すす)はらひ  如行(注2)

 

【意】不破の関という由緒正しい文学的な土地で、貧しげな小家が年の暮の夜に煤払いしている / つまり歌枕の地であってもなくても何処にでもある年末の光景なの

【解説】季語:煤はらひ /

(注1)不破不破の関 / 古来浪漫的な歌によく詠まれた有数の歌枕

(注2)近藤如行(こんどう じょこう(?-宝永05(1708)年-?)):美濃国大垣蕉門最初の門人重鎮 / 通称源大夫 / 芭蕉は、『奥の細道』で終着の大垣の如行の邸を目指した / 如行宅には『野ざらし紀行』の際に立ち寄り、「琵琶行の夜や三味線の音霰」を読んでいる / 芭蕉が滞在した如行宅は元禄05(1692)年9月4日に焼失 / 後年、如行は武士を捨て僧になり、師匠同様旅をした著書に『後の旅集』がある

 

【小生 comment

 次回は、俳諧七部集『あら野』から〔第58回/巻之七~第561句~570句〕をご紹介する。お楽しみに!

 

■続いては1114日()~15日(日)両日、大和国一人旅を先日の琵琶湖一周同様、マイカーで行った

 今回廻ったのは、初日が「浄瑠璃寺」「岩船寺」「円成寺」「東大寺二月堂への小径と二月堂」「白毫寺」、二日目が「東大寺南大門」「唐招提寺」「秋篠寺」「松伯美術館」だ

 絶景の紅葉や、素晴らしい史跡建造物等を沢山撮影したので、此れからジックリと一つひとつご紹介したい 

 

《初日》2020/11/14(土)

 

04時00分 起床→腹筋2,000回

04時50分 木刀の素振り50分

05時40分 入浴→朝食

06時40分 拙宅発→一般道→東名・音羽蒲郡IC→新名神・信楽IC→一般道→2時間55分 193㎞→

 

【新名神・信楽IC→当尾(とうの)の里への道すがら】

 

[01][左上]信楽の街の「狸の置物」陶器店のたぬきたち

[左下]山里の紅葉1

[右上]同上2

[右中]同上3

[右下]同上4

 

 山全体が紅葉していた / 今が紅葉の peak だと感じた

 

09時35分 浄瑠璃寺駐車場着〔駐車場料金@500円・拝観料@400円・御朱印代@300円〕

 

【浄瑠璃寺】

 

 浄瑠璃寺の山門に着くと、いつも思い出すのが水原秋櫻子の名句だ‥

 

  馬酔木(あしび)より低きもんなり浄瑠璃寺  秋櫻子

 

[02][左上]浄瑠璃寺山門前にて1

[右上]同上2

[左下]同上3

[中下]浄瑠璃寺 阿弥陀堂を backに

[右下]同 同上2

 

[03][左上]瑠璃寺 阿弥陀堂を backに3

[右上]同 同上4

[左下]同 三重塔前にて

[中下]同 三重塔前から阿弥陀堂を望む1

[右下]同 同上2

 

[04][左上]瑠璃寺 三重塔前から【国宝】阿弥陀堂を望む3

[右上]同 同上4

[左下]同 同上5

[中下]同 同上6

[右下]同 同上7

 

[05][左上]瑠璃寺 三重塔前から【国宝】阿弥陀堂を望む8

[右上]同 同上9

[左下]同 苑池と中島(弁天祠)

[中下]同 阿弥陀堂

[右下]同 阿弥陀堂から中嶋・三重塔を望む1

 

[06][左上]瑠璃寺 阿弥陀堂から中嶋・三重塔を望む2

[右上]同 同上3

[左下]同 浄瑠璃寺の伽藍と庭園案内看板

[中下]同 御朱印「阿弥陀堂(九体仏)(左)」「三重塔(瑠璃光)(右)」

[右下]同【秘仏】大日如来 本堂へ御遷座 leaflet

 

  行く秋の当尾岩船浄瑠璃寺 九体阿弥陀の慈悲数多(あまた)充つ 悟空

 

[07][左上]瑠璃寺【国宝】九体阿弥陀如来像1

[右上]同 同上2

[左下]同【重文】【秘仏】吉祥天女像

[中下]同【国宝】九体阿弥陀如来中尊像

[右下]同【秘仏】【重文】薬師如来像

 

10時31分 浄瑠璃寺駐車場発→一般道

10時40分 岩船寺〔駐車場料金無料・拝観料@500円・御朱印代@300円〕

 

【岩船寺】

 

[08][左上]岩船寺 山門を入った所の紅葉

[右上]同 山門を入った所から【重文】十三重石塔(左)・【重文】三重塔1

[左下]同 同上2

[中下]同 三重塔1

[右下]同 同上2

 

[09][左上]岩船寺 三重塔3

[右上]同 十三重石塔の前にて

[左下]同 三重塔の前にて1

[中下]同 同上2

[右下]同 本堂と阿字池1

 

[10][左上]岩船寺 本堂と阿字池2

[右上]同 山門前にて

[左下]同 御朱印

[中下]同 leaflet

[右下]同 本尊 阿弥陀如来坐像・四天王像

 

11時19分 岩船寺駐車場発→一般道32分 12km→

11時51分 円成寺近隣駐車場着

 

【円成寺】

 

 円城寺の紅葉も実に素晴らしかった!

 

[11][左上]円成寺 境内の絶景の風景1

[左下]同 同上2

[右上]同 楼門

[右中]同 境内の絶景の風景3

[右下]同 同上4

 

[12][左上]同 円成寺石碑にて1

[右上]同 同所にて2

[左下]同 同所1

[中下]同 同所2

[右下]同 多宝塔

 

[13][左上]円成寺 本堂前にて1

[右上]同 同上2

[左下]同 同上3

[中下]同 拝殿

[右下]同 多宝塔前にて

 

[14][左上]円成寺 境内の絶景の風景5

[左下]同 同上6

[右上]同 東門から桃源郷の様な参道の紅葉1

[右中]同 同上2

[右下]同 leaflet の新緑の境内の絶景の風景

 

【円成寺】

 

[15][左上]円成寺【国宝】運慶作「大日如来像」1

[右上]同 同上2

[左下]同 同上3 

[中下]同 同上4

[右下]同「御朱印」

 

12時43分 円城寺近隣駐車場発→一般道31分 12㎞→

13時14分 奈良登大路駐車場着

 

【東大寺:西大門跡】

 

[16][左上]東大寺 西大門跡・銀杏の紅葉1

[右上]同 同上2

[左下]同 同所にて

[中下]同 西大門跡・銀杏の紅葉3

[右下]同 同上4

.

【東大寺 西大門跡→転害門】

 

[17][左上]東大寺 西大門跡・銀杏の紅葉5

[右上]同 転害門1

[左下]同 同上「史跡 東大寺旧境内」案内石碑

[中下]同 同所にて

[右下]同 転害門2

 

【東大寺 転害門→二月堂への小径】

 

[18][左上]東大寺 転害門3

[右上]同 転害門から東へ「大仏池」から「大仏殿」遠望

[左下]同 大仏池から二月堂へ行く途中で出会った鹿たち1

[中下]同 同上2

[右下]同 二月堂へ向かう小径にて1

 

【東大寺 二月堂へ向かう小径】

 

[19][左上]東大寺 二月堂へ向かう小径にて2

[左下]同 二月堂周辺 Google 航空 map

[右上]同 二月堂を back に

[右中]同 二月堂1

[右下]同 二月堂から西方「大仏殿」遠望

 

【東大寺 二月堂】

 

[20][左上]東大寺 二月堂の南端1

[右上]同 同所にて1

[左下]同 同上2

[中下]同 同上3

[右下]同 同上4

 

【東大寺 二月堂→鏡池・中門・大仏殿を望む】

 

[21][左上]東大寺 二月堂南端2

[左下]同 二月堂2

[右上]同 二月堂→白毫寺への Google 航空 map

[右中]同 鏡池・中門・大仏殿1

[右下]同 鏡池・中門・大仏殿を backに1

 

【東大寺 鏡池・中門・大仏殿→宿泊旅館「観鹿荘」】

 

[22][左上]東大寺 鏡池・中門・大仏殿を back に2

[左下]同 同上3

[右上]同 鏡池・中門・大仏殿2

[右中]同 同上3

[右下]同 南大門南至近にある宿泊老舗旅館「観鹿荘」

 

14時52分「観鹿荘」前を通過

15時06分 百毫寺へ向かう道すがら見つけた「案内看板」

 

【白毫寺へ向かう「でなり」】

 

[23][左上]白毫寺へ向かう道すがら見つけた「案内看板」

[右上]洋品店&茶店・お酒「でなり」同所にて飲んだ beer 3銘柄

[左下]同 江戸切子に beer を入れて乾杯!

[中下]同「でなり」の若い女性主人と two shot!

[右下]同「でなり」外観

 

 若い女性主人の苗字は「石徹白(いとしろ)」さんと言う

 福井県にある名前だそうだ1

 実に珍しい名前だ

 

【白毫寺へ向かう道すがら→白毫寺入口】

 

[24][左上]白毫寺へいく道すがら にて

[右上]同 新薬師寺を通過

[左下]同 白毫寺への案内石碑

[中下]同 入口へ至る石段

[右下]同 同上脇にあった「真言律宗 高円山 白毫寺」拝観受付看板

 

16時25分 白毫寺着

 

【白毫寺】

 

 白毫寺は、2011年12月04日に、時習26回生同期の中嶋君【3-2】・今泉(谷山)君【3-3】等と訪れて以来、9年ぶりになる

 其の時見た日没間近の奈良市街地を遠望する夕焼けが絶景だった

 そして、此の拙歌を詠んだ‥

 

  茜さす君想ほゆや白毫寺 深紅に燃ゆる晩秋の暮  悟空

 

 今回も其の絶景を期待しての訪問だ

 拝観時間は17時00分迄、此の日の奈良市の日没時間は16時52分、日没時点で、深紅に燃える夕空になるだろうか、と気が揉めた

 しかし、其れは杞憂だった

 絶景の白毫寺からの奈良市街遠望の絶景を堪能下さい

 

[25][左上]白毫寺 萩に囲まれる参道1

[左下]同 同上2

[右上]同 同上3

[右中]同 本堂

[右下]同 境内から日没間近の西方の奈良市内遠望1

 

[26][左上]白毫寺 境内より夕焼け空を back に1

[左下]同 境内から深紅の夕焼けの染まる奈良市街遠望1

[右上]同 同上2

[右中]同 同上3

[右下]同 同上4

 

[27][左上]白毫寺 境内から深紅の夕焼けの染まる奈良市街遠望5

[左下]同 同上6

[右上]同 同上7

[右中]同 同上8

[右下]同 同上9

 

[28][左上]白毫寺 境内より夕焼け空を back に2

[左下]同 同上3

[右上]同 境内から深紅の夕焼けの染まる奈良市街遠望10

[右中]同 同上11

[右下]同 同上12

 

[29][左上]白毫寺 本堂境内から山門を望む1

[右上]同 同上2

[左下]同 同上3

[中下]白毫寺を出て奈良市街へ向かう道程

[右下]先刻立ち寄った「でなり」外観

 

【観鹿荘】

 

[30][左上]部屋「春日野」に入ったら、抹茶と金平糖

[右上]夕食1

[左下]夕食2 & 観鹿荘内部の模様

[中下]部屋「春日野」‥独り寝の寂しさ‥

[右下]GOTO travel coupon 券で購入した「奈良焼・夫婦茶碗」

 

[31][左上]前日訪れた「東大寺二月堂『御朱印』」

[右上]同「白毫寺『御朱印』」

[左下]観鹿荘 二日目「朝食の『御膳』」

[中下]同 同上を頂く

[右下]同 直ぐ北にある東大寺南大門至近の「華厳宗大本山 東大寺」石碑

 

《二日目》2020/11/15(日)

 

05時00分 起床→腹筋2,000回

06時30分 入浴

07時00分 朝食

08時14分 観鹿荘発→徒歩50m→

08時15分 東大寺南大門着

 

【東大寺南大門】

 

[32][左上]観鹿荘前の東大寺南大門への参道にて‥鹿と奥の楼門は「南大門」

[右上]東大寺【国宝】南大門

[左下]同【国宝】金剛力士像「阿形」

[中下]同【国宝】同「吽形」

[右下]同 南大門を入り、中門・大仏殿を back に

 

08時21分 東大寺中門南側から西進→徒歩25分1.5km→

08時46分 奈良登大路駐車場発→一般道→

09時04分 唐招提寺南コインパーク着

09時12分 唐招提寺南門着

 

【唐招提寺】

 

 文芸評論家で日本藝術院会員だった亀井勝一郎(1907-66)が随筆『大和古寺風物詩』で「伽藍の交響楽」と言った「唐招提寺」を見たくなった

 そして、早稲田文学の重鎮で歌人會津八一の名歌と、松尾芭蕉が笈の小文で詠んだ名句を唐招提寺にて詠み返してみたかった‥

 

  おほてらの まろきはしらの つきかげを つちにふみつつ ものをこそおもへ 會津八一

 

[33][左上]唐招提寺 南大門

[左下]同 同上にて

[右上]同 南大門を入り【国宝】金堂を back に

[右中]同 【国宝】金堂

[右下]同 「【国宝】金堂(左)」「【国宝】鼓楼(右)」を back に

 

[34][左上]唐招提寺「【重文】礼堂(左)「【国宝】宝蔵(中奥)」「【国宝】経蔵(右)」を back に

[左下]同「【国宝】講堂(中奥)」「【国宝】鼓楼(右)」を back に

[右上]同「伽藍の交響楽〔唐招提寺の伽藍群〕」

[右中]同 北原白秋 歌碑前にて

[右下]同 北原白秋 歌碑

 

  水楢(みずなら)の柔(やわ)き嫩葉(わかば)はみ眼にして

  花よりもなほや白う匂はむ 北原白秋

 

【詞書】東室東側の築地塀辺りの紅葉は絶景だったが、更に、築地塀脇に咲いていた石蕗の黄色い花が可憐で秋の彩りに正に華を添えていた‥

 

おほてらのついぢのかたえにさくすかた にほひほのかやつはのはなかな 悟空

 

大寺の築地の傍えに咲く姿 匂ひ仄かや石蕗の花哉 悟空

 

[35][左上]唐招提寺【重文】東室(ひがしむろ)東側の築地塀

[右上]同 同上にて1

[左下]同 同上2

[中下]同 同上3

[右下]同 同上北側にある芭蕉句碑

 

  若葉して 御目(おんめ)の雫(しづく)拭(ぬぐは)ばや 芭蕉

 

09時45分 唐招提寺南側coin park発→一般道20分 4㎞→

10時05分 秋篠寺駐車場着

 

【唐招提寺】

 

[36][左上]唐招提寺 御朱印

[右上]同 境内map

 

【秋篠寺】

 

[左下]秋篠寺 南門

[中下]同 駐車場看板

[右下]同 南門から本堂への参道

 

[37][左上]秋篠寺 同上脇の苔庭1

[左下]同 南門から本堂への参道脇の苔庭2

[右上]同 南門から本堂への参道脇の苔庭3

[右中]同 同上4

[右下]同 南門から本堂への参道1

 

[38][左上]秋篠寺 南門から本堂への参道2

[右上]同 東北にある香水閣1

[左下]同 同上2

[中下]同 同上3

[右下]同 同上4

 

[39][左上]秋篠寺 南門から本堂への参道脇の苔庭5

[左下]同 同上6

[右上]同 本堂

[右中]同 本堂前にて1

[右下]同 同上2

 

 作家 堀辰雄(1904-53)が、随筆『大和路』の中で「東洋のミューズ」と呼んだ「技芸天像」を見たのは今回が2回目である

 流石に素晴らしかった!

 

[40][左上]秋篠寺 本堂前にて3

[右上]同 伎芸天像1

[左下]同 同上2

[中下]同 同上3

[右下]同 同上4

 

11時04分 秋篠寺駐車場発→一般道

10時37分 松伯美術館着

 

【松伯美術館】

 

[41][左上]松伯美術館 入口にて

[右上]同 本企画展leaflet

[左下]同 上村松園『花がたみ』1915年

[中下]同 同『楊貴妃』1922年

[右下]同 同『鼓の音』1940年

 

[42][]上村松篁『丹頂』1980年

[右上]同『蓮』1981年

[左下]上村淳史『晴れ間』1981年

[中下]同『初めての冬』1993年

[右下]松伯美術館の庭にて

 

12時10分 松伯美術館発→一般道→山田川IC→田辺西本線有料道路→草津JCT→新名神→湾岸→東名→豊田JCT→新東名→岡崎東IC→音羽蒲郡IC→一般道→

15時44分 帰宅〔初日219㎞+2日目238㎞=二日間走行距離計457㎞〕(了)

 

【小生 comment 

 絶景の京都南東部の当尾と大和路・奈良の晩秋の風景、浄瑠璃寺・円成寺・秋篠寺・東大寺南大門の諸仏像の素晴らしい造形美、そして岩船寺の庭園・東大寺二月堂への小径・百毫寺から見た深紅の夕焼け、更には上村松園・松篁・淳史の親子孫三代の日本画家巨匠の名画を堪能した充実の二日間のdrive& walking の旅であった

 

【後記1】小生奈良市内の東大寺二月堂から百毫寺へ向かう途次立ち寄った洋品店&茶店・居酒屋「でなり」でのこと‥

 小生、店名「でなり」が変わった名前なので語源を尋ねたら、アラスカの最高峰デナリ山(Denali)山(標高6,190.4m(英語名:McKinley))から採用したという

 珍しい名前と言えば、女性主人の苗字も石徹白(いとしろ)も初めて聞いた名前だ

 彼女曰く、「福井県の一部にある」のだそうだ

 彼女のおもてなしのsenseの良さが凄く気持ち良かった

 瓶麦酒の銘柄が、アサヒやキリンでなく、サッポロ黒ラベル、入れてくれたコップが青色の江戸切子!

 時間に余裕があったので、新薬師寺に寄ろうかとも考えたが、此処「でなり」での45分間が心地よい想い出のひとときとなった‥

 

[43]Denali山

 

【後記2】11月25日の Facebook に、11月15-19日にかけてご紹介させて頂いた11月14-15日の当尾・大和路奈良一人旅の模様を、其の時 up させて頂いた43枚の画像(=210枚+3枚の重複写真)を一覧にしてみたものである

.

[44]既写真[01]-[09]

[45]同[10]-[18]

 

[46]同[19]-[27]


[47]同[28]-[36]


[48]同[37]-[42]+岩船寺三重塔の前にて1東門から桃源郷の様な参道の紅葉2+浄瑠璃寺【重文】【秘仏】吉祥天女像


[49]同[44]-[48]

 

 そうしたら、小生の脳裏に virtual real の世界が浮かび、拙歌が一首浮かんだ‥

 

【詞書】季節は初冬だが、大和路はまだ晩秋の名残りを其処此処に残していた‥

 愛しいひととの当尾・大和路奈良の旅を夢見て詠みぬ‥

 

 大和路に過ぎゆく秋を振り返り 
  君との縁(えにし)いま噛み締めぬ  悟空

 

では、また‥〔了〕

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