2019年4月21日日曜日

【時習26回3-7の会 0753】~「松尾芭蕉:俳諧七部集『冬の日』から〔第9回〕」「04月06日:「『佐奈川堤のソメイヨシノ』→桑山美術館『花を描く、静物を描く』展→『らあめん 陣屋』→名都美術館『山元春挙』【前期】展→豊川市桜ヶ丘ミュージアム『平成30年度 新収蔵』展を見て巡って」「04月09日:名豊gallery『所蔵品展/冨安昌也』展を見て」「04月16~17日:『大腸 polyp 内視鏡検査』検査入院顛末」「04月18日:愛知県芸術劇場 concert hall『辻井伸行ピアノ独奏&オルフェウス室内管弦楽団演奏会』を聴いて」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。
 さて、今日も【時習26回3-7の会 0753】号をお届けします。
 先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第9回~85句~96句〕をお届けする。
 
85 しのぶまのわざとて雛(ひな)を作り居()る  野水
 
【意】事情があって世間から隠れ暮らしている / 生業(すぎわい)の一助にと子女の為に雛人形を作って /
【解説】初裏七 / 雑 / 前句の紅花を紅色の絵具として人形作りの材料にしている
 
86  命婦(みやうぶ)の君(きみ)(1)より米(こめ)なんどこす  重五
 
【意】(嘗ては高貴の所に居た身が、故あって退き隠棲している / 所縁の女官から米等が送られて来る
【解説】初裏八 / 雑 / 此処で前句の人物の位を定めた
(1)命婦の君:宮中に仕える五位以上の女官

87 まがきまで津浪(つなみ)の水(みづ)にくづれ行(ゆく)  荷兮

【意】津波の被害で、垣根迄押し流されて仕舞った
【解説】初裏九 / 雑 / 前句の米が送られて来たことを、災害救援の為と詠み替えた / 遠国配流の貴人を想定しているか
 
88  佛(ほとけ)(くひ)たる魚(うを)(ほど)きけり  芭蕉
 
【意】津波で遣って来た魚を捕らえ腹を裂いてみると、仏像が現れた
【解説】初裏十 / 雑 /
 
89 (あがた)ふるはな見()次郎(じろう)と仰(あふ)がれて  重五

【意】当地に何代も続く此の家の主は、通称「花見治郎」と呼ばれ人々の尊敬を受けている
【解説】初裏十一 / 季語:はな見=春 /「縣」は地域のこと /
 
90  五形(げんげ)(1)(すみれ)の畠(はたけ)六反(ろくたん)  とこく
 
【意】其の旧家も今はレンゲ・菫の花咲く六反ばかりの畑になって仕舞っている
【解説】初裏十二 / 季語:五形・菫=春 / 此の六反が没落した旧家の名残となっている
(1)五形(げんげ):紫雲英 / レンゲソウの別称
 
91うれしげに囀(さへず)る雲雀(ひばり)ちりちりと  芭蕉
 
【意】蓮華畑の上には雲雀が嬉しそうに囀っている
【解説】名残表一 / 季語:雲雀=春 / 芭蕉が、前句迄続いて人の話から場面を変えて風情ある景色を詠んで座の流れを変えた
 
92  眞昼(まひる)の馬のねぶたがほ也(なり)  野水
 
【意】のどかな真昼時、道ゆく馬も眠たそう
【解説】名残表二 / 雑 / 前句の「うれしげ」に西行歌の口癖を感じ取り、「ねぶたがほ也」と西行歌風の口調で応じた
 「短歌と俳諧」の「雅と俗」の境界で、絶妙の危うさを愉しむ
 
93 おかざきや矢矧(やはぎ)(1)の橋のながきかな  杜國
 
【意】岡崎の西方にある矢矧川(やはぎがわ)の橋は、長さ208間、東海道随一の長さというが、聞きしに勝る長さだ /
 馬の橋の長さ故、歩き飽きて眠くなって仕舞うヨ
【解説】名残表三/雑/東海道で最も長い橋といわれた
(1)矢矧:岡崎市の西方にある矢作川に架かる橋のこと
 
94  庄屋(しやうや)のまつをよみて送りぬ  荷兮
 
【意】庄屋の屋敷の見事な古松を一首の歌に詠み故郷の人に送った
【解説】名残表四 / 雑 / 矢矧の長者伝説から庄屋を出した / 前句の「ながきかな」に和歌を感じ取り付けた
 
95 (すて)し子()は柴苅(しばかる)(たけ)にのびつらん  野水
 
【意】嘗て庄屋の松の下に捨てた我が子は無事育っていれば、柴刈り等も出来る程に成長しているだろう /
【解説】名残表五 / 雑 / 今更親だと名乗れぬので、歌を古松に託して送り我が存在を知らしめる
 
96  晦日(みそか)をさむく刀(かたな)()る年(とし)  重五
 
【意】寒く貧しい年の瀬を迎えて、長年の窮乏生活は依然として目途が立たず、大切な大刀迄手放すことになった
【解説】名残表六 / 季語:さむく=冬 / 前句は、養いかねて捨てた我が子
 
【小生comment
 次回は『冬の日』の〔第10回〕97句~108句をお届けする。お楽しみに!
 
■続いての話題についてである。去る0406日、月一回の歯科健診で名古屋市東区にある歯科医院へ。
 いつもは14時の診療時間だが、此の日は担当医の先生の都合に拠り11時に行かねばならなかった。
 
0730分 拙宅発一般道12km 30
0800分 豊川市佐奈川河畔着
 
[01]佐奈川堤のソメイヨシノの樹々の下にて1

[02]同上2
                  
[03]同上3

[04]同上4
                  

0810  同所発一般道72km→
1000  桑山美術館着
 
【桑山美術館『花を描く、静物を描く/ 日本画v.s.洋画』展】
 
[05]桑山美術館入口にて1

[06]同上2
                  
[07]同上3

[08]同美術館中庭
                  
[09]同美術館中庭にある茶室1

[10]同上2
                  
[11]同上 内部1

[12]同上2
                  
[13]同美術館中庭にある茶室前にて1

[14]同上2
                  

 桑山美術館は、日本画の名画の数々で有名だ。
 が、今回は当美術館としては珍しく、2F展示室にあった 刑部人・伊藤清永・梅原龍三郎・中川一政・杉本健吉・宮本三郎・下田悌三郎・林武・鬼頭鍋三郎・佐分真の洋画の静物画が華やいだ感じでとても良かった。
 今回、お示し出来る図録絵や postcards がなくて残念!
 
[15]本企画展出品一覧

[16]奥村土牛(1889-1990)『蓮』1958年頃
                  
[17]川端龍子(1885-1966)『花王図』1948

[18]堂本印象 (1891-1975)『花兎』制作年不詳
                  

1028  桑山美術館発一般道7km 20
1055  N歯科医院着
1130  同所発一般道1km 5
1135  らあめん陣屋着
 
【らあめん陣屋】
 
[19]らあめん陣屋前にて

[20]小生のVSOP「味噌チャーシュー麺」!
                  

 此の陣屋の「味噌チャーシュー麺」は最高に美味い!
 
1229  らあめん陣屋駐車場発一般道13km 30 
【名都美術館『山元春挙』【前期】展】
 
[21]名都美術館入口にて1

[22]同上2
                  
[23]本企画展 leaflet

[24]山元春挙
                  
[25]山元春挙『法塵一掃』1901

[26]同『春夜白狐図』1903年頃
                  
[27]同『初夏白糸の滝図』1907年以降(明治40年代)

[28]同『しぐれ来る瀞峡』1931
                  
 [25][28]は何れも滋賀県立近代美術館蔵
 
1347  名都美術館発一般道60km 2時間
1547  豊川市桜ヶ丘ミュージアム着
 
[29]山本眞輔『街の朝』1994年 前にて

[30]豊川市桜ヶ丘ミュージアム入口にて
                  
[31]同美術館 本企画展入口にて

[32]本企画展 出品一覧
                  
[33]上田薫(1928- )『玉子にナイフ』1986

[34]大森運夫『追憶』1990
                  
[35]平川敏夫『斑鳩の里』1971

[36]大島哲 以『前世』1981
                  

1615  豊川市桜ヶ丘ミュージアム発一般道12km 25
1640  帰宅. 走行距離計 179km〔了〕
 
■続いての話題である。去る0409日、豊橋駅前大通の開発ビル9Fにある名豊ギャラリーにて開催されている「所蔵品『冨安昌也展』」を見て来た。
 同 gallery にて、訪れた日の前日0408日~0510日迄、我等が母校時習館高等学校美術科教諭だった冨安昌也(1918-2013)先生の回顧展が始まった。
 
[37]名豊ギャラリー所蔵品『冨安昌也展』入口

[38]同上にて
                  
[39]本企画展 出品目録

[40]本企画展leaflet
                  
[41]本企画展をご一緒した愛知県立芸術大学の林名誉教授と

 今回は、図録や postcards も販売されてなかったので案内看板にあった [37]『一月の富士』以外は本企画展の展示作品をご紹介出来ないのが残念である。
 代わりに、[36]『モスタルの道具屋』1991年と、本企画展に展示されている 16 ラ・アルベルカの路地(一人) 1997年 と連作の [37]『ラ・アルベルカの路地(スペイン)1997年〔[02][03] 2作品はいずれも豊橋市美術博物館所蔵〕、そして、0323日 美術愛住館『アンドリュー・ワイエス』展の処で、小生の叔父貴が冨安先生と中国・敦煌 迄絵を描きに行った話をしたが、其の時冨安先生が描かれた [38]『敦煌・莫高窟』をご紹介する。
 因みに、[35][38]は全て水彩画である。
 小生、此の世の中を「真・善・美」の物差しで判断し行動する様に心掛けている。
 冨安先生の作品は、品格があって当に「美しさ」に輝いていて大好きだ。
 
[42]冨安昌也『一月の富士』2000(左下)
                  
[43]同『モスタルの道具屋』1991(1)(右上)

(1)1991年 第79回日本水彩展【内閣総理大臣賞】受賞作品

[44]同『ラ・アルベルカの路地(スペイン)1997(右中)
                  
[45]同『敦煌・莫高窟』(右下)


 余談だが、記憶に間違いがなければ、小生の叔父貴は、冨安先生の後、暫く日本水彩画会豊橋支部長を務めていた。
 そして、我等が時習26回生の同期で日本水彩画会 現・会友の大竹Y君【3-10】と旧知の仲の筈だ。
 添付写真[39][40]2点は、叔父貴の作品。
 
[46]今泉勇『面の木紅葉』
                  
[47]同『同』


 同じ題材の作品であるが、添付写真[46]は此れも我等が時習26回生の同期の金子T君【3-4】が院長を務めている光生会病院に飾ってある作品『面の木紅葉』。
 同じく[47]は小生が叔父貴から頂いた作品『面の木紅葉』(豊田市稲武町)である。
 両作品共に、冨安先生門下の作風が感じられる水彩画のなかなかの佳品だと思う。
 
■続いては、0410日と11日の連日早朝の拙宅の中庭の庭木を撮影した時、浮かんだ俳句と漢詩と拙句をご紹介する。
 
20190410日 早朝 雨天
 
  春は、雨が降っている早朝も絵になる。

 ホトトギス派俳人 日野草城(1901-56)の此の名句が浮かぶ。

  春暁や 人こそ知らね 木々の雨  日野草城
 
【意】まだ外は薄暗い。すると、庭にある木々に雨が降り注ぐ音が耳許に聞こえて来る。春の暁の此の情感ある風情をまだ誰も知らずにいるヨ
 
【前書】此の名句と拙宅の庭木を見て拙句を一句 / 写真は、其の日の早朝、雨に濡れる庭木を撮影
 
  春暁や 庭の翠葉 雨に映ゆ  悟空
 
[48]雨に濡れた早朝の拙宅の庭木々
                  

20190411日 早朝 晴天
 
 日の出前 520分頃の拙宅の庭の模様。
 其処で、処処啼鳥(ていちょう)を聞いた。
 緑の枠内にスズメがいるが、此れ iPhone7 のカメラ機能の限界!()
 
[49]早朝の拙宅の庭木々と啼鳥(?)


 盛唐の詩人 孟浩然(689-740)が詠んだ『春暁』が浮かんだ。
 
  春暁    孟浩然

 春眠不覚暁
 処処聞啼鳥
 夜来風雨声
 花落知多少
 
 春眠暁(あかつき)を覚えず
 処処啼鳥(ていちょう)を聞く
 夜来(やらい)風雨の声
 花落つること知る多少
 
【意】夜が明けたことも気付かない程、春の眠りは深く心地良い
 あちこちから鳥の囀りが聞こえて来る
 昨夜は風雨が荒れた音がしていたが
 どれ位の花が散ったことだろう
 
0416日~17日のこと。
 4年前に大腸 polyp 内視鏡検査で 5つの大腸 polyp を発見して4つは即刻切除した。
 が、残り 1つが内視鏡では切除出来ず癌であることが判明、1日入院の後改めて20日間入院し腹腔鏡下手術で切除した。
 術後 2年経過した一昨年 4月に行った内視鏡検査では polyp 3つ見つかり即刻切除し 1日入院。
 更に 2年経った今日実施した内視鏡検査でも polyp 4つ見つかり即時切除し又 1日入院することになり、今 bed で止血剤の点滴を受け乍ら安静にしている。
 Polypの出来易い体質なのだろう、なかなか楽させて貰えないナ!
 でも「一病息災なのかも」と思い直し、神様に感謝!
 
[50]入院した病院のベッド脇にある点滴
                  
[51]大腸ポリープを切除した方への注意書


 以下は、退院時での余談‥
 朝食は、三分粥に汁だけの味噌汁、Potage souppeach jelly milk
 一般的に病院食は不味いと言われているので期待していなかったが、意外(←失礼 ! )に美味しく頂けた。
 午前中に無事退院し一旦帰宅して、入浴、早めの昼食を摂ってから勤務先へ。
 写真は、1枚目が先日ご紹介した病院に掲示されている叔父貴の水彩画である。
 
[52]叔父貴の水彩画作品(今泉勇『面の木紅葉』)の横にて
                  
退院前に入院先の病院 3F elevator 前、廊下を挟んで平山郁夫 (1930.06.15-2009.12.02) lithograph 2枚と向かい合って飾ってある

[53]入院先の病院 3F elevator 前〔廊下を挟んで叔父貴の水彩画() & 平山郁夫の lithograph 2()

[54]平山郁夫の lithograph 2
                  
[55]Nurse Station 前にも飾られている叔父貴の水彩画『千曲』


【後記】0418時、勤務先での仕事の会議が1740分迄かかり、走って豊橋1757分発のひかりに乗り名古屋へ。
 愛知県芸術劇場コンサートホールにて1845分開演の辻井伸行君のピアノ独奏、オルフェウス室内管弦楽団の演奏会を聴いて来た。
 辻井伸行君のラヴェルのピアノ協奏曲と encore 曲の ドビュッシーの水の反映は圧巻だった。
 ラヴェルのピアノ協奏曲の超絶技巧の難局を難なく弾きこなし、且つ情感豊かに奏でる辻井君の技量には畏れ入るばかりである。
 彼の名演奏は、handicapのない小生に「もっと頑張らねば」という気持ちをいつも起こさせてくれる!
 勿論、オルフェウス室内管弦楽団演奏によるロッシーニのセビリアの理髪師序曲、ラヴェルの組曲クープランの墓、メンデルスゾーンの交響曲第4番イタリア、encore 曲の2曲、バルトークのルーマニア民族舞曲、フォーレのパヴァーヌもみんな素晴らしい演奏だった。
 
[56]愛知県芸術劇場コンサートホール入口にて
                  
[57]辻井伸行君とオルフェウス室内管弦楽団

[58]演奏会 leaflet
                  
[59]演奏会 program

[60]Hall ホワイエにて
                  
[61]Concert会場1

[62]同上2
                  
[63]Encore曲の案内掲示板

[64]演奏会終了後、愛知県芸術文化センターから出てOasis21を電飾を望む
                  

 では、また‥〔了〕

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