2018年12月20日木曜日

【時習26回3-7の会 0736】~「松尾芭蕉『猿蓑集 巻之五〔最終(第36)回〕』」「12月01日:松坂屋美術館『再興 第103回 院展』→碧南市藤井達吉現代美術館『愉しきかな! 人生~老当益壮の画人たち』展を巡って見て」「12月14日:松坂屋美術館『松尾敏男』展→愛知県芸術劇場concert hall『佐渡裕指揮 Siena Wind Orchestra 演奏会』を見て聴いて」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回3-7の会 0736】号をお届けします。
 今日最初にお届けするのは、『猿蓑』〔巻之五〕連句集の〔第36回〕目をお届けする。
 終に「巻之五」の 今回で最終回を迎えた。
 其れでは「春の部」の〔第9回〕、「冬〔初時雨〕→夏〔夏の月〕→秋〔きりぎりす〕→春〔梅若菜〕」の全144句の第141句~144句をご覧頂きたい。
「春〔梅若菜〕」の連句全36句の第33句目~第36句の最後の4句をご覧下さい!
 
  猿蓑集 巻之五

141 (かたち)なき繪()を習ひたる會津盆(あいづぼん)(2)  嵐蘭(1)

【意】何の絵とも言えない模様をした会津塗りの盆を仕上げた
【解説】―
(1)嵐蘭:松倉盛教(1647(正保04)-1693(元禄06)) / 江戸蕉門最古参の門人 / 江戸浅草在住 / 最初板倉家に仕える(300)1691年、44歳の時に致仕 / 延宝期(167381)以来の蕉門俳人 / 『桃青門弟独吟廿歌仙』以降諸書に入集
(2)會津盆:会津地方より産する漆器の盆 / 何の絵とも言えない刷毛(はけ)書き等の模様を描いたもの

142 うす雪かゝる竹の割下駄(わりげた)(1)  史邦(2)

【意】(會津盆の製作者の)庭下駄が縁側にうす雪がかかって白くなっている
【解説】季語:「うす雪」= 冬 /「前句の盆の絵を描く人の風情にして、竹の割下駄等をはく風流人と付たる也」(猿蓑さがし)
 割下駄は、孟宗竹を割ったままの自然の竹に鼻緒を付けただけの茶人の履く下駄
(1)竹の割下駄:孟宗竹を建てに二つに割って緒をすげた庭下駄
(2)史邦:中村史邦(?-?) 京都蕉門の一人 / 荒右衛門 / 尾張国犬山出身 / 中村春庵と名乗り犬山藩侍医を務めた後、京都所司代与力職 / 1693 (元禄06)年秋、与力職を致仕し江戸へ / 去来(1651-1704)や丈草(3)らと入魂(じっこん) /『嵯峨日記』執筆時の去来落柿舍滞在中に芭蕉を訪問した記録がある
(3)丈草:内藤丈草(じょうそう(1662(寛文02)-1704(元禄17)) / 尾張国犬山出身 / 名は本常(もとつね) / 通称:林右衛門 / 号:丈草 / 別号:仏幻庵 / 蕉門十哲の一人

143 花に又ことしのつれも定(さだま)らず  野水(1)

【意】此の(‥前句の庭に積もった‥)うす雪が溶ければもう春だが、今年の花見について、其の趣向も同行する仲間もまだ決まっていない
【解説】季語:「花」= 春 / 金持ちの風流人
(1)野水:岡田野水(やすい(1658-1743)) / 尾張国名古屋の呉服商 / 初め貞門派の吉田横船らに学ぶ / 1684(貞享元)年 芭蕉が「野ざらし紀行」途上に野水宅を訪れ、「冬の日」の歌仙興行に加わった / 茶道にも通じた風流人

144 (ひな)の袂(たもと)を染(そめ)るはるかぜ  羽紅(1)

【意】春も闌(たけなわ)だ / 春風が雛人形の袖を花々の色に染めていくヨ
【解説】季語:「春風」= 春 / 羽紅が女性らしく上品に締め括っている
(1)羽紅:野沢凡兆(?-1714)の妻 / 生没年不詳 / 1691(元禄04)年春 剃髪して名を羽紅尼とした

  芭蕉 三 / 去来 二 / 嵐蘭 一 / 乙刕 五 / 正秀 一 / 史邦 一
  珍碩 三 / 半残 四 / 野水 一 / 素男 三 / 土芳 三 / 羽紅 一
  智月 一 / 園風 三 / 凡兆 二 / 猿雖 二

【小生comment
 巻之五も漸く終わった。
 巻の五は、第1回が20180421日付の《会報》【0701】号だったので、全部で36週間、実に8ヶ月近く要したことになるが、終わってみればあっという間だった。
 次回は、巻之六をご紹介する。

■続いての話題は、1201()に月例の歯科健診で名古屋市東区にある歯医者へ行ったついでに、松坂屋美術館と碧南市藤井達吉現代美術館の2つの美術館を巡って来た模様についてである。

0757  拙宅発→一般道80km 2時間10分→
1015  エンゼルパーク駐車場着
1020  松坂屋美術館『再興 第103回 院展』

【松坂屋美術館『再興 第103回 院展』】

[01]松坂屋美術館7F会場入口にて

[02]同上8F会場入口にて1
                  
[03]同上2

[04]本企画展leaflet()/絵は 同人 吉村誠司『海華』
                  
[05]同上()

[06]同人 手塚雄二『月空』
                  
[07]同人 梅原幸雄『舞い支度』

[08]同人 松村公嗣『芥子花』
                  
[09]同人 小田野尚之『歴』

[10]同人 中村譲『ほろ宵』
                  
[11]同人 松本高明『朝光』

[12]日本美術院賞 岡田眞治『響』
                  
[13]日本美術院賞 加藤裕(ひろ)子『天女像の御下(みもと)(日本橋にて)

[14]並木功『夢の光』
                  
[15]西澤秀行『休日』

[16]日塔(にっとう)さえみ 『静日』
                  
[17]松浦主税『鐘鳴』

[18]増田淑子(よしこ)『大地』
                  

1115  松坂屋美術館発→
1120  エンゼルパーク駐車場発→一般道 3km 10分→
1140  らあめん 陣屋 着〔昼食〕

[19]らあめん 陣屋 入口にて

[20]根菜 soup が絶品! 小生の定番「味噌チャーシュー麺」
                  

1230  らあめん 陣屋発→1km 3分→
1430分 歯科医院発→一般道41 1時間35分→
1605分 碧南市藤井達吉現代美術館着

【碧南市藤井達吉現代美術館『愉しきかな!人生~老当益壮の画人たち』】
 碧南市制70周年記念事業/開館10周年記念の長寿の画人たちの展覧会『愉しきかな!人生―老当益壮の画人たち』展を見て来た。
 本展では、明治以降、現代迄に活躍した日本画家・洋画家あわせて14人の超長寿の画家に焦点を当て、90歳を過ぎてからの意欲的な作品を含めて紹介する。
 添付写真は、14人中13人の写真である。
 14人の氏名と生・没年は以下の通りである。

 富岡鉄斎(1838-1924)
 熊谷守一(1880-1977)
 奥村土牛(1889-1990)
 中川一政(1893-1991)
 猪熊弦一郎(1902-93)
 杉本健吉(1905-2004)
 片岡球子(1905-2008)
 秋野不矩(1908-2001)
 筧 忠治(1908-2004)
 郷倉和子(1914-2016)
 岩崎巴人(1917-2010)
 大森運夫(1917-2016)
 堀 文子(1918-    )
 野見山暁治(1920-  )

[21]碧南市藤井達吉現代美術館前にて

[22]同館内企画展1F入口にて1
                  
[23]同上2

[24]同上2F入口近くにて
                  
[25]本企画展leaflet

[26]13人の顔写真
                  
[27]富岡鉄斎『艤槎図』1924

[28]熊谷守一『白い蝶』1940-50
                  
[29]奥村土牛『平成の富士』1990

[30]中川一政『向日葵』1973
                  
[31]猪熊弦一郎『妻と手袋』1939

[32]同『飛ぶ日のよろこび』1993
                  
[33]杉本健吉『サンジェルマン』1984

[34]片岡球子『めでたき富士(御殿場にて)1991
                  
[35]秋野不矩『五月』1953

[36]郷倉和子『真昼』1957
                  
[37]岩崎巴人『鳥の発生』1950

[38]大森運夫『外房九十九里』1966
                  
[39]同『大原女』2011

[40]堀文子『名もなき草達』2015
                  
[41]拙宅の玄関に掲示してある「堀文子『名もなき草達』のlithographの横にて」1

[42]同上2
                  
[43]野見山暁治『落日』1959

[44]同『なに食わぬ景色』2018
                  

1640分 碧南市藤井達吉現代美術館 発→一般道 53km 1時間35分→
1815分 帰宅/走行距離 計 183km〔了〕

【小生comment
 添付写真[23][41]に小生と一緒に移っている堀文子『名もない草達』は、2015年東京・銀座のナカジマアートから『堀文子』展開催の案内状が来て見て来た時購入を決めたものである。
 2015年に本作が発表された当時の名は確か『雑草達』だった。其れが発表後23箇月で『名もない草達』に変更されていた。
 確かに『雑草』よりも『名もない草』の方が上品である。
 此の絵には、後日談がある。
 小生が購入したのはlithographである。
 原作は何処にあるのだろうと思っていたら、暫く経ってからのこと、名都美術館で現物と対面出来たのである。
 名都美術館の所蔵品になっていたのである。
 同美術館は、画廊のナカジマアートと共に堀文子の作品を数多所蔵していることで知られている。
 ということもあって、碧南市藤井達吉現代美術館で「堀文子」作品の代表作の一つとして此の『名もない草達』の原作が展示されていた。
 美術館を色々と巡っていると、何回も同じ作品を見ることが出来るのも嬉しい気分にさせてくれる。特に美しい作品は特に!

■続いては、1214()に名古屋での松坂屋美術館と愛知県芸術劇場concert hallでの演奏会の話をお伝えする。
 其の日は、仕事を早めに切り上げて名古屋へ。
 1つ目は、松坂屋美術館にて開催中の『松尾敏男(1926-2016)』展だ。

【松坂屋美術館『松尾敏男』展】
 彼の略歴は以下の通り。

1926年 長崎市生まれ / 堅山南風(1887-1980)に師事 / 東京府立第六中学校(現 都立新宿高校)
1949年『埴輪』が院展初入選
1962  院展奨励賞
1966  院展日本美術院賞
1975  院展文部大臣賞
1979  日本芸術院賞
1988  多摩美大教授就任
1994  日本芸術院会員
2000  文化功労者
2009  日本美術院理事長就任
2012  文化勲章受章
 
[45]松坂屋美術館『松尾敏男』展入口にて

[46]本企画展leaflet
                  
[47]松尾敏男『燿春』1980

[48]同『夕象』1991
                  
[49]同『流れ』(左隻)1996

[50]同『流れ』(右隻)1996
                  
[51]同『朝つゆ』2001

[52]同『朧』2001
                  
[53]同『生々』2008


【愛知県芸術concert hall『佐渡裕指揮/シエナ・ウィンド・オーケストラ演奏会』】
 其の日2つ目は、愛知県芸術劇場 concert hall にて開催された 佐渡裕指揮/シエナ・ウィンド・オーケストラ 演奏会 2018 を聴いて来た。
 曲目は以下の通り。

1. J. S. Bach(池田明子編) / シャコンヌ〔無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004より〕
2. 音楽のおもちゃ箱〜クリスマス・スペシャル!〔チャイコフスキー/くるみ割り人形〜花のワルツ他〕
3. L. バーンスタイン(C. グランドマン編) / ディベルティメント
4. 同 /「ウェストサイド物語」より シンフォニック・ダンス
encore
1. L. バーンスタイン / 『キャンディード』序曲
2. スーザ / 星条旗よ永遠なれ

 Encore 1曲目の  L. バーンスタイン 『キャンディード』序曲は、小生、昔から大好きな名曲であるが、シエナ・ウィンド・オーケストラの演奏も素晴らしかった。
 きっと彼等の十八番の曲だと思う。楽団員が自信を以て楽しんで演奏していた。ホント、素晴らしい演奏だった!
 Encore 2曲目は、此の concert の定番となった 観客の演奏者も一緒になって締め括る趣向のもの。
 Wind Orchestra は、管楽器で全てを表現するので、通常の orchestra とは趣の異なる独特の音色と雰囲気が小生は大好きだ!

 此処で余談を一つ‥。
 実は、指揮者の佐渡裕(1961.05.13- )が、演奏会の中で自分が何故バーンスタインの弟子になったかいきさつを話してくれたのだ。
 其れは、1970年 彼が小学三年生の時の話から始まった。
 其の年は大阪万博が開かれ、憧れのヘルベルト・フォン・カラヤン(1908-1989)が来日してベートーベンを演奏した。
 其の当時、カラヤンと人気を二分していたレナード・バーンスタイン(1918-1990)も来日してニューヨークフィルを指揮して、マーラーの交響曲第9番を演奏した。
 此れが、自分がバーンスタインを知るきっかけだった。
 彼曰く、自分の家は金持ちではないが、当時、家具の様な恰好をしたステレオがあった。
 しかし、親は小学生の自分にはまだステレオにレコードをかけることを許してくれなかった。
 小学五年生になった時、親から「自分の小遣いで買ったレコードを聴くならステレオを操作していい」とレコードにかけることが許された。
 其処で早速買ったLPレコードがBernsteinだった。
 自分には6歳年上の兄がいて、彼がカラヤンの大ファンだったので、自分は兄の向こうを張ってバーンスタインのマーラーの交響曲第1番の巨人のレコードを買ったのだ。
 自分は其のレコードを、ホント、何回も何回も聞いた。
 自分は、後年、縁あってBernsteinassistantを僅かの期間(〔小生注〕Bernsteinが亡くなる前の1988-90年の2年間‥)だが務めることが出来て、彼から色々なことを学んだ。

【小生comment
 佐渡裕が話していたマーラーの交響曲第1番「巨人」と同/第9番はいずれもマーラーの代表作の傑作だ。
 以前にもお話したが、小生、交響曲の中では、マーラーの交響曲第9番が最も好きな曲の一つである。
 勿論「巨人」も大好きで、其の第4楽章は最初から最後迄感動モノだ。

[54]愛知県芸術劇場concert hall入口にて1
                  
[55]同上2

[56]本演奏会 leaflet
                  
[57] program

[58]同 休憩時間の concert hall の様子
                  
[59] encore 曲の案内板の横にて

[60]演奏会終了後、愛知県芸術劇場から出た所こら見た オアシス21 と 名古屋テレビ塔 の電飾!
                  

【後記】今週末の1222()は『冬至』である。
 締め括りは、矢張り芭蕉で収めたいと思う。
 
  冬の日や馬上に氷(こほ)る影法師  芭蕉〔 笈の小文 〕

【訳】寒い冬の渥美半島の天津畷(あまつなわて)の道を馬に乗っていくと、馬上の自分が影法師となって凍り付いて仕舞った様だ

 2015.12.20付《会報》【0579】号にて「笈の小文」原文と共に紹介しているので参考にされたい。

 http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog/2015/12/2605793120506-1.html

 では、また‥〔了〕

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