今日最初にお届けするのは、『猿蓑』〔巻之五〕連句集についてである。
今回は通算〔第24回〕目で、「秋の部」の〔第6回〕目。
「冬〔初時雨〕→夏〔夏の月〕→秋〔きりぎりす〕→春〔梅若菜〕」の全144句の第93句~96句をお届けする。
では、「秋〔きりぎりす〕」の連句全36句の第21句目からの24句をご覧頂きたい。
猿蓑集 巻之五
93 冬空のあれに成(なり)たる北颪(きたおろし) (凡)兆
【意】冬空を見ると、北風(=北颪)が吹き寄せて此れから荒れて来そうだ
【解説】前句の「柴で葺いた棟(むね)をからげ(=紐で縛って)」手入れているのは、吹き寄せる北颪(=北風)からから屋根を防ぐ為だった
94 旅の馳走(ちそう)に有明(ありあか)し(注1)を(=お)く (芭)蕉
【意】天候が荒れることを心配している旅人の心中を慮った旅亭の主人が有明行灯を灯し置いていった
【解説】前句を北颪が吹き寄せ、天候が荒れそうなことを心配する旅人と見て
(注1)有明し:有明行灯(=終夜灯(とも)して置く行灯(あんどん))のこと
95 すさまじき(注1)女の智慧(ちゑ)もはかなくて (去)來
【意】―
【解説】前句の有明行灯は、男が偲び来るのを待つ女が用意したことをimageした句 / しかし待った男は来ず、女の知恵も空しく終わった意
(注1)冷(すさ)まじ:冷ややかさの強い感じをいう / 秋深まる頃の感じをいう /
本来は、荒れてもの寂しい感じをいい、調和なく興ざめする景物をいう時に用いられた /
まだ秋の景物を残し乍ら荒涼として来る自然の様をいう
96 何(なに)おもひ草(ぐさ)(注1)狼(おほかみ)のなく (野)水
【意】狼は何を思い侘びてあの様に凄まじく鳴くのだろう
【解説】「想ひ草」の「想ひ」は「恋」の意 / 一晩中恋人の男が訪ねて来るのを待ち侘びて行灯を点けていた女をimageする / 其の女の恋の想いの強さを狼の鳴き声に譬えた
(注1)おもひ草:秋季、茎頂に淡紫色の花を横に向かって開く、形が煙管(キセル)に似た草 /
但し、リンドウ・露草・女郎花の異名ともされる
【小生comment】
次回は、秋の部の第7回〔通算25回〕をお届けするのでお楽しみに!
次回は、秋の部の第7回〔通算25回〕をお届けするのでお楽しみに!
■次にお届けする話題は、7回seriesでお届けしている08月18日23時25分豊橋駅前発の関東バスの高速夜行バス「ほの国号」で上京した時の話の今日はその第6回である。
08月19日の早朝05時15分に新宿駅西口着→新宿駅→都営地下鉄大江戸線→門前仲町へ。
同地の「深川不動堂→富岡八幡宮→日本道路元標→東京都美術館→ホテルオークラ美術館→山種美術館→郷さくら美術館東京→【東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館】→三鷹市美術gallery」と6つの美術館を巡った7回seriesの〔第6回〕【東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館『巨匠たちのパステル画』展】をお届けする。
15時10分 郷さくら美術館東京発→中目黒駅→地下鉄日比谷線→恵比寿駅→JR山手線→新宿駅へ
16時00分 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館着
16時10分 東郷青児記念ジャパン日本興亜美術館『巨匠たちのパステル画』展
[01]損保ジャパン本社ビルの本企画展看板前にて
[02]同上2
[03]損保ジャパン本社ビル
[04]三岸節子『花I』1940年頃
[05]寺内萬治郎(1890-1964)『緑衣の婦人像』制作年不明
[06]猪熊弦一郎(1902-93)『顔』1950年
[07]小磯良平(1903-88)『婦人像』1951年
[08]宮本三郎(1905-74)『Ballerina』1956年
[09]須田剋太(1906-90)『Abstract』1953年
[10]伊東悌三(1907-98)『婦人像』制作年不明
[11]井上護(1946- )『休息の刻』制作年不明
[12]山本文彦『静』1994年
[13]坂口紀良(1948- )『窓辺の読書』2005年
[14]船越桂(1951- )『習作』2002年
16時30分 東郷青児記念ジャパン日本興亜美術館発→
[15]JR新宿駅 中央線platform 三鷹駅方面の案内
【小生comment】
クレパス画も改めて見てみるとなかなかいい。
次回は、08月19日の美術館巡りの最終回をお届けするのでお楽しみに!クレパス画も改めて見てみるとなかなかいい。
来週末の10月05日(金)は、仕事で上京するので、ついでに美術館を2~3箇所廻って見て来たいと思っている。
■続いては、09月13日、日帰りdriveで、「【三千院→寂光院】→京都国立近代美術館『東山魁夷』展→真如堂(真正極楽寺)→白髭神社→満月寺 浮御堂→佐川美術館『田中一村』展を巡って~〔第1回〕」についてお伝えする。
其の日は、今夏5日間の夏休みのうち4日目を使い、日帰りの京都・滋賀driveして来た。
[16]拙宅を出発する時のマイカーのナビ
08時22分 三千院門跡近くの駐車場着@500円
[17]三千院門跡参道入口にて
[18]三千院門跡「御殿門」前にて
[19]往生極楽院をbackに
[20]三千院往生極楽院周辺の庭
[21]三千門跡近くに咲いていた彼岸花
三千院は、天台宗 五箇室門跡寺院 青蓮院 三千院 毘沙門堂 曼殊院 妙法院 の一つ。
当院は、紅葉時期を迎える前で、かつ平日の開館時間08時30分だけあってご覧の写真の通り、入館直後参拝者は僅かだった。
処が、拝観を終えて駐車場に戻ったら、もう大型観光バスで沢山の観光客が来ていた。
08時40分 三千院門跡着〔入館料@700円〕
09時00分 三千院門跡発→一般道3㎞ 7分→
09時15分 寂光院着〔駐車料金@300円・入館料@600円〕09時00分 三千院門跡発→一般道3㎞ 7分→
[23]同上 本堂をbackに
[24]同上 後白河法皇が潜って来られたと伝わる門をbackに
此の門を潜って後白河法皇(1127-92)が建礼門院(平徳子(1155-1214))に逢いに訪れたと伝わる門
1186(文治02)年 平家一門と高倉・安徳両帝の菩提を弔う毎日を過ごしていた建礼門院を後白河法皇が寂光院を訪れたことを『平家物語』「大原御幸」の段は伝えている。
[25]千年の姫小松 由来
[26]千年の姫小松 幹の部分
09時40分 寂光院発→
本尊は地蔵菩薩、開基(創立者)は聖徳太子と伝わる。
再建は、淀君(1569-1615)の命で片桐且元(1556-1615)が慶長年間(1596-1615年)に再興。
2000(平成12)年 5月9日の放火で全焼 / 犯人未逮捕の儘2007(平成19)年5月9日公訴時効成立で迷宮入り。
【寂光院】
三千院の次に訪れたのは、昭和49年の大学生時代にまだ放火で焼失する前に訪れたことがある「寂光院」。
此の寺は、平家物語『大原御幸(ごこう)』の舞台になった所で、後白河法皇が秘かに訪問した際くぐったと云われる門もある。
【小生comment】
三千院も寂光院も実に久しぶりの訪問で、懐かしく思った。
【後記】今日のお別れは、09月23日(土)に訪れた名都美術館と鞍ヶ池アートサロンの美術展覧会の模様をお伝えしてお別れする。
其の日はいい天気だったので、明日が企画展最終日である、名都美術館『汀に遊ぶ』展を見て来た。
08時40分 拙宅発→一般道を一路長久手市に向かった 65km 2時間10分→
10時50分 名都美術館着
【名都美術館『汀に遊ぶ』展】
[27]名都美術館入口にて
[28]同館本企画展leaflet/右の写真の絵は、川合玉堂(1873-1957)『澗底』(部分)1940年
[29]児玉希望(1898-1971)『海中清泉』1966年頃
[30]酒井三良(1897-1969)『水郷閑日』製昨年不詳
[31]橋本関雪(1883-1945)『観魚図』制作年不詳
[32]速水御舟(1894-1935)『コモ湖暮色』1931年
以上の作品以外にも、巨匠に拠る傑作の数々を見ることが出来た。
11時15分 名都美術館発→一般道21km 60分→
12時15分 トヨタ記念館鞍ヶ池アートサロン着
【鞍ヶ池アートサロン『古都 四季の透明感~吉田義彦とその周辺~』展】
名都美術館の次に訪れたのは、其の日の前日から開催していた企画展である。
[33]鞍ヶ池アートサロン入口の本企画展看板横にて
[34]同館内アートサロン入口近くの本企画展看板横にて
[35]吉田善彦(1912-2001)『法起寺の春』1968年
[36]同『奈良の秋』1968年
[37]同『薬師寺立夏』1968年
[38]同『斑鳩初冬』1968年
[39]奥村土牛『栗』1950年
[40]トヨタ鞍ヶ池記念館内のG型自動織機前にて
本機と同型の織機が大英博物館に展示されていると解説板にあった
[41]同館内のトヨタ創業展示室1
[42]同上2
[43]トヨタ鞍ヶ池記念館と駐車場の途中に咲いていた「萩」の花の前にて
12時45分 鞍ケ池アートサロン発→鞍ケ池SA→東海環状道18km 25分→一般道42km 1時間30分→
【小生comment】
其の日(09月23日)訪れた2つの美術館の絵画も皆素晴らしい傑作ばかりであった。
古今の一流日本画家に拠る日本の四季折々の風物詩を見ていると、ホント心が癒される。
09月29日(土)には、古川美術館で開催される或る著名人の講演会に行って来る予定である。
此の模様は、Facebook に既に up 済であるが、本《会報》でも近々ご紹介する予定なのでお楽しみに!
では、また‥〔了〕
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