2017年5月1日月曜日

【時習26回3-7の会 0650】~「03月18日:山種美術館『日本画の教科書〔東京編〕』展 & Panasonic 汐留ミュージアム『マチスとルオー』展を見て」「04月22日:京都への日帰り小旅行『下鴨神社→上賀茂神社→常照寺→源光庵→細見美術館『杉浦非水』展→相国寺・承天閣美術館『伊藤若冲〔後期〕』展→京都大学楽友会館「関西茶話会『日本絵画を読み解く』」を聴いて』

■皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。今日も【時習26回3-7の会 0650】をお送りします。
 3月の三連休の初日の0318()に上京して日帰りで7つ美術館巡りをしたお話も是迄に、「東京都美術館」「国立西洋美術館」「三菱一号館美術館」「森アーツセンターギャラリー」「中村屋サロン美術館」と既に5美術館の模様をお伝えした。
 今日最初にお届けするのは、残るは6つ目と7つ目の2つの美術館、「山種美術館『日本画の教科書〔東京編〕』展」と「Panasonic 汐留ミュージアム『マチスとルオー』展」となった。
 其処で今回をこのseriesの最終回としたい。
 本展について、本企画展leaflet 及び 本展図録等から引用してご紹介する。

【山種美術館『日本画の教科書〔東京編〕』展】
 山種美術館は、昨年(2016)開館50周年を迎えた。
 其処で当美術館は、記念特別展としてまず京都画壇の日本画の名画を揃えた『日本画の教科書』展〔京都変〕を開催した。
 そして、今回今度は、~大観、春草から土牛、魁夷へ~の副題にもある様に東京画壇の日本画の名画を紹介してくれている。
 先ずは、展示作品からいくつかをご紹介するのでご覧頂きたい。

[01]山種美術館 入口

[02]同美術館入口脇にある 開催中企画展案内の所にて
                  
[03]本展leaflet

[04]横山大観(1868-1958)『心神』1952
                  
[05]菱田春草(1874-1911)『釣帰』1901

[06]鏑木清方(1878-1972)『加羅』1936
                  
[07]松岡映丘(1881-1938)『春光春衣』1917

[08]安田靫彦(1884-1978)『出陣の舞』1970
                  
[09]川端龍子(1885-1966)『鶴鼎図』1935

[10]奥村土牛(1889-1990)『鳴門』1959
                  
[11]小茂田青樹(1891-1933)『春庭』1918

[12]小倉遊亀(1895-2000)『涼』1973
                  
[13]伊東深水(1898-1972)『吉野太夫』1966

[14]橋本明治(1904-91)『朝陽桜』1970
                  
Panasonic 汐留ミュージアム『マチスとルオー』展】
 ルオーとマティスは1906年からマティスが亡くなる1954年迄約半世紀に亘って手紙の遣り取りが続いた。
 19世紀末から20世紀前半のFrance絵画を代表する画家の二大巨匠。
  「彼等の絵画を通じて二人の友情の秘密に迫る絵画」とleafletに紹介されていた。

[15]パナソニック 汐留ミュージアム 近くに掲示された本企画展案内

[16]パナソニック 汐留ミュージアム があるパナソニック東京汐留ビル
                  
 美術館は当ビル4階にある

[17]当美術館内部も設けられたマチスとの two shot 撮影cornerにて

[18]ジョルジュ・ルオー(Georges Rouault(1871-1958)) 1943
                  
[19]アンリ・マティス/ヴァンスのル・レヴ荘にて(Henri-Emile=Benoit Matisse(1869-1954) 1944

[20]Rouault『女性裸体習作』1895年頃
                  
[21]Matisse『スヒーダムの瓶のある静物』1896

[22]Rouault『人物のいる風景』1897
                  
[23]Matisse『モデル』1901

[24]Rouault『後ろ向きの裸婦』1906
                  
[25]同『サロン・ドートンヌでの審査員たちの討議』1913年頃

[26]同『曲馬団の娘たち』1924-25
                  
[27]Matisse『「ヴェルヴ」1号表紙』1937

[28]Rouault『聖ジャンヌ・ダルク古い町外れ』1951
                  
[29]Matisse『ラ・フランス』1939

[30]Rouault『秋の夜景』1952
                  
【小生comment
 個性豊かなフランス人の二大巨匠の絵は、見れば見るほどその良さが解って来ると、最近よく思うのである。

■続いての話題は、0422()に日帰りの京都への日帰り小旅行を遣って来たので、その模様についてご紹介する。
  『下鴨神社→上賀茂神社→常照寺→源光庵→細見美術館『杉浦非水』展→相国寺・承天閣美術館『伊藤若冲〔後期〕』展→京都大学楽友会館「関西茶話会:嵯峨美術大学特任教授 佐々木正子氏講演『日本絵画を読み解く』」を聴いて』と、2神社・2寺院・2美術館(うち1つは寺院の一角)1大学施設の計7つの史跡・施設をマイカーを使い日帰りで見て来た。
 以下、行程表を示し乍らご紹介させて頂きたい。

0415分 拙宅発〔東名高速・豊川IC→伊勢湾岸東名阪新名神名神高速・京都東IC (191.4km 2時間20分 高速道路料金3,310)
0640分 下鴨神社 西駐車場 着〔滞在時間45分:駐車料金@200円〕

【下鴨神社】
[31]下鴨神社 中門 より東西の本殿方向を望む

 山城国一宮である「下鴨(しもがも)神社」は通称で、正式名は「加茂御祖(かもみおや)神社」という。
 東本殿・西本殿ともに撮影厳禁とあったので撮影していない。
 祭神は、東本殿:玉依媛賈命(たまよりひめのみこと)、西本殿:加茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)

[32]三井神社
                  
 本殿の西隣には、摂社である三井神社がある、
 三井神社には三柱の神が祀られ、東社「伊賀古谷夜日賈命(いがこやひめのみこと)」・中社「加茂建角身命」・西社「玉依媛賈命」
 玉依媛賈命とその父親の加茂建角身命、同じく母親の伊賀古谷夜日賈命という恰好になっている。
 でも、何故東と西の本殿の祭神の2柱と摂社三井神社の西と中の社にdoubleで同じ神様が祀られているのか解らない。

[33]御手洗(みたらし)

[34]光琳の梅(の木)
                  
[35]下賀茂神社境内にて

[36]楼門
                  
0715分 下鴨(=加茂御祖)神社(駐車料金200/3,510) 発→〔3.4km/195.8km 10分〕
0725分 上賀茂神社駐車場着

【上賀茂神社】
 上賀茂神社は通称で、正式名は賀茂別雷(かもわけいかづち)神社じんじゃ)。
 祭神は賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)で賀茂氏の祖神。
 創建は諸説あるが、神武天皇の御代に賀茂山の麓の御阿礼所に賀茂別雷命が降臨したと社伝にある。

[37]本殿

[38]渉渓園
                  
[39]ならの小川

[40]上賀茂神社「二の鳥居」前にて
                  
0810分 上賀茂(賀茂別雷)神社(駐車料金200/3,710) 発→〔2.7km/198.5km 10分〕
0820分 着(拝観開始0830分/開館迄駐車場(=無料)にて待機/拝観料400/4,110)

【常照寺】
 寂光山常照寺は、元和02(1616)03月 江戸時代初期の書家、陶芸家の本阿弥光悦(1558-1637)の土地寄進とその子、光瑳に拠って身延山第21世日蓮宗中興の祖 寂照院日乾上人を招き開創された鷹峰檀林(=学寮)の旧跡。
 当院には、寛永年間(1624-45)の頃、天下の名妓ごして一世を風靡しその才色兼備を謳われた二代目吉野太夫(=松田徳子)が本阿弥光悦の縁故に拠り日乾上人に対面すると、上人の学徳に帰依し、寛永05(1628)年 太夫23歳の時、自ら巨財を投じて朱塗りの山門を寄進(添付写真[41])した。

[41]常照寺「山門」にて

[42]境内にある満開の枝垂桜
                  
[43]同じく境内に咲く珍しい緑色をした花びらの桜

[44]吉野大夫の墓
                  
[45]吉野大夫所縁の茶席「遺芳庵」

[46]鬼子母尊神堂に至る境内の風景
                  
0855分 常照寺 発→〔西進すること徒歩100m 2分〕
0900分 源光庵 着〔0900分より拝観開始/拝観料400/4,510円〕

【源光庵】
 当山は、鷹峰山寶樹林源光庵と号し、開創は貞和02(1346)年 臨済宗大徳寺2代徹翁国師に拠るが、元禄07(1694)年 加賀国大乗寺27代卍山道白禅師が住持し曹洞宗となる。
 本堂は元禄07年建立。本堂内の血天井は、伏見桃山城の遺構。
 血天井の足跡(添付写真[49])は、慶長05(1600)07月 徳川家の忠臣 鳥居彦左衛門元忠一党1,800余人が、石田三成の軍勢と交戦し敗れ、伏見城に残った380余人が自刃した時の痕跡。

[47]源光庵「山門」

[48]同「本堂」
                  
[49]同「本堂内」の「血天井」

[50] 「悟りの()()」「迷いの()()
                  
[51]同「JR東海の『そうだ、京都、行こう。』に取り上げられた時の写真poster

0920分 源光庵 発→〔徒歩2分 常照寺 駐車場へ〕→
0925分 常照寺 発→〔8.4km/206.9km 25分〕→
0950分 岡崎公園地下駐車場 着
0955分 同所 発→〔0.33km徒歩5分〕
1000分 細見美術館 着〔1000分開館/拝観料1,200/5,710)

【細見美術館『杉浦非水』展】
 本展は、愛媛県美術館が7,000点余り所蔵する、明治・大正・昭和に亘りdesignerとして活躍した杉浦非水(1876-1965)の作品を京都で単独で紹介する初の企画展。
 杉浦非水は、愛媛県松山市出身。はじめ地元の四条派絵師・松浦巌暉に、更に東京美術学校入学後は川端玉章に師事し、日本画を学んだ。
 しかし非水は、在学中にFrance帰りの黒田清輝が持ち帰ったアール・ヌーヴォー(Art Nouveau(=「新しい芸術」))に魅せられ、以後、図案家として歩む。
 1908(明治41)年 三越呉服店に入社後、同店のposterPR誌の表紙絵を担当したことを皮切りに、雑誌表紙、書籍装幀、絵葉書、poster、商品package等、様々な分野で先進的なdesignを数多く残した。

[52]細見美術館 外観
                  
[53]本展leaflet

[54]杉浦非水『三越呉服店 春の新柄陳列会(三越)1914(poster)
                  
[55]同『みつこしタイムス 第八巻第五号』1910(表紙) 

[56]同『リーガルタイムス 第一巻第二号』1909(表紙)
                  
[57]同『クレハ 第八号』(表紙)

[58]同『勧業債券売りだし 1120日より1205日まで』1920(poster)
                  
[59]同『東洋唯一の地下鉄道 上野浅草間開通』1927

[60]杉浦非水・翠子夫妻
                  
【小生comment
 Posterの図柄と言えば、ロートレックやミュシャをすぐ思い出すが、日本ではこの杉浦非水だろう。
 Modernでお洒落なdesignを沢山見ることが出来、楽しかった。

1050分 細見美術館 発→徒歩5
1100分 東山二条 発→京都市営バス201号→〔「烏丸今出川」乗車料金230/5,940円→牛丼松屋にて昼食→徒歩15分〕
1250分 相国寺 承天閣美術館 着〔拝観料800/6,740円〕

【相国寺 / 承天閣美術館『伊藤若冲〔後期〕』展】

[61]相国寺 法堂

[62]相国寺 庫裏前に展示された承天閣美術館『伊藤若冲〔後期〕』展 案内posterの前にて
                  
[63]相国寺 承天閣美術館参道の若楓の樹林の前にて

[64]本展leaflet
                  
[65]伊藤若冲『牡丹百合図』(左幅)

[66]同『牡丹百合図』(右幅)
                  
[67]同『群鶏蔬菜図押絵貼屏風』(左隻部分)

[68]同『群鶏蔬菜図押絵貼屏風』(右隻部分)
                  
[69]同『鸚鵡牡丹図』

[70]同『月夜芭蕉図床貼付』
                  
1350分 京都市営バス「烏丸今出川」発→〔230/6,970円〕
1400分 京都市営バス「近衛通」着→〔徒歩2分〕→
1430分 開演

【京都大学楽友会館「関西茶話会『日本絵画を読み解く』」】
 講師:嵯峨美術大学 教授 佐々木正子氏

 「陰影」即ち、陰と影の違いをはじめなかなか興味深い講演会だった。

[71]京都大学楽友会館 外観

[72]講演会の一情景
                  
1630分 閉講→〔徒歩15分〕→
1650分 岡崎公園駐車場 発〔駐車料金1,300/8,270円〕→〔京都東IC→新名神高速→東名阪自動車→伊勢湾岸→東名・豊川IC 高速道路料金3,310/11,580円 + 走行距離計400㎞÷12/L33L×138円=ガソリン代4,554円 =総費用16,134円〕

【後記】細見美術館というと、伊藤若冲(1716-1800)と江戸琳派の酒井抱一(1761-1829)と鈴木其一(1795-1858)3人の絵が小生は好きだ。
  『杉浦非水』展を見終え、当美術館が所蔵する3人の絵を売店のpost cardからご紹介してお別れする。

[73]伊藤若冲『雪中雄鶏図』

[74]同『鶏図押絵貼屏風の内』1797
                  
[75]酒井抱一『槇に秋草図屏風』江戸後期

[76]同『白蓮図』
                  
[77]鈴木其一『白椿に鶯図』

[78]同『朴に尾長鳥図』
                  
 和洋を問わず、いい絵は皆いつ見てもいいですね。
 では、また‥。〔了〕

 ブログへは【0626】号迄のback numberURL:http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blogここをclickして下さい

0 件のコメント:

コメントを投稿