さて、今日『猿蓑』〔巻之五〕連句集は〔第10回〕目で前回迄で「冬の部」を終え、今回から「夏の部」の第1回。
「冬〔初時雨〕→夏〔夏の月〕→秋〔きりぎりす〕→春〔梅若菜〕」の全144句の第37句~40句をお届けする。
では、「夏〔夏の月〕」の連句全36句の巻頭からの4句をご覧頂きたい。
猿蓑集 巻之五
※ 此の「夏の月」の巻は、元禄03(1690)年、幻住庵入庵中の芭蕉が06月頃京に出て、凡兆・去来と巻いた作品
37 市中(まちなか)は物のにほいや夏の月 凡兆
【解説】「夏の月」は、古来より暑い昼が去り、夏の夜空に煌々と輝く月に涼しさを感じるというのが本意
しかし、此処ではざわついた街中から見る夏の月は、街の匂いと共に涼しくない感じがする、という意
38 あつしあつしと門々(かどかど)の聲(こゑ) 芭蕉
【意】暑苦しい夜、街中の人々は口々に暑い暑いと言い乍ら門の前で夕涼みをしている
【解説】あつし(=暑し):夏の季語/
「この脇、匂ひや夏の月と有を見込て、極暑を顕して見込の心を照らす」〔『三冊子』〕とある
39 二番草(にばんぐさ)取りも果(はた)さず穂に出(いで)て 去来
【意】炎暑で稲の生育もよく、其の為二番目の田の雑草も採らないうちに出穂期となって仕舞ったヨ
【解説】二番草:夏の季語/前句は街中の模様を詠んだが、此処では場面を農村に変え、炎暑が続き、稲の生育も良い様(さま)を詠んでいる
40 灰(はひ)うちたゝくうるめ(注1)一枚 凡兆
【意】農繁期の農家の食事は貧しく、うるめ(イワシ)を一枚焼いて食するべるだけだ
【解説】前句を受け、農繁期の農家の忙しい農作業の場面にして詠んだ/
真蹟草稿は句形「破れ摺鉢(すりばち)にむしるとびいを」/直(じか)に火をくべて焼いたうるめ鰯の灰を叩き乍ら食べる農家の忙しい昼めし
(注1)うるめ:潤目鰯(ウルメイワシ)のこと
【小生comment】
次号《会報》では「夏の部」の第2回(通算第11回)をお届けするのでお楽しみに!
■続いての話題は、06月16日(土)に、車で「瀬戸市美術館」「鞍ヶ池 Art Salon」「刈谷市美術館」の3美術館と喫茶店「喫茶forme」にて開催中の美術展覧会の模様についてご報告する。
【瀬戸市美術館『絵画で国立公園巡り/巨匠が描いた日本の自然』展】
今日は、以下の3つの美術館・企画展と、1つの喫茶店・個展の4箇所を巡って来た。
内訳は以下の通り‥
1. 瀬戸市美術館『絵画で国立公園めぐり‥巨匠が描いた日本の自然‥』展
2. トヨタ鞍ヶ池記念館・鞍ヶ池アートサロン『空と大地‥ふりそそぐ光とみなぎる生命(いのち)‥』展
3. 刈谷市美術館『2018年度 常設展第1期/New Collection 展‥新収蔵作品を初公開!』
4. 喫茶フォルム『内藤勲の似顔絵展~映画の夢の中で~』
以下、時系列にご紹介したい。
07時45分 拙宅発→〔一般道
67km 2時間05分 →国道1号線→岡崎→国道155号線→〕
09時50分 瀬戸市美術館着
【瀬戸市美術館『絵画で国立公園めぐり‥巨匠が描いた日本の自然‥』展】
今日は、本企画展開催初日で、当美術館は通常09時開館であるが、今日は10時から企画展の開会式典が開かれる処へ出くわした。
写真は、伊東瀬戸市長をはじめ来賓の皆さんの祝辞とtape cut の後の開館となった。
本企画展は、文化勲章受章者12名をはじめとする巨匠に拠る80点の日本の国立公園を描いた名画の展覧会である。
展示された80点が、実際の国立公園と同等かそれ以上の美しさで見る者を魅了してくれた。
以下は、本企画展で販売された postcards 16枚をご紹介する。
[01]開会式典での伊藤瀬戸市長の挨拶
[02]瀬戸市美術館前にて
[03]瀬戸市美術館館内entranceにて
[04]瀬戸市美術館前 本企画展案内看板前にて
[05]本企画展leaflet
[06]松樹路人『湿原の夕映え』(釧路湿原国立公園)1988年
[07]中村研一大雪山』(大雪山国立公園)1934年
[08]北川民次『八幡平』(十和田八幡平国立公園)1957年
[09]向井順吉『浄土ヶ浜』(三陸復興国立公園)1957年
[10]猪熊源一郎『塩原の渓流』(日光国立公園)1953年
[11]田辺至『秋の戦場ヶ原』(日光国立公園)1932年
[12]田辺三重松『中禅寺湖』(日光国立公園)1957年
[13]中村琢二『妙高山』(妙高戸隠連山国立公園)1956年
[14]中澤弘光『上高地大正池』(中部山岳国立公園)1932年
[15]和田英作『三保富士』(富士箱根伊豆国立公園)1953年
[16]小磯良平『伊勢神宮』(伊勢志摩国立公園)1953年
[17]鹿子木孟郎『吉野連山』(吉野熊野国立公園)1935年
[18]鈴木信太郎『厳島』(瀬戸内海国立公園)1953年
[19]石井柏亭『雲仙・春』(雲仙天草国立公園)1934年
[20]坂本繁二郎『暁明の根子岳』(阿曽熊野くじゅう国立公園)1953年
[21]山本貞『仲間川原生林』(西表島石垣国立公園)1977年
10時55分 瀬戸市美術館発→〔一般道 23㎞ 50分 →〕
11時45分 トヨタ鞍ヶ池記念館・鞍ヶ池アートサロン着
【鞍ヶ池アートサロン『空と大地‥ふりそそぐ光とみなぎる生命(いのち)‥』展】
[23]トヨタ鞍ヶ池記念館入口にて
[24]トヨタ鞍ヶ池記念館内 鞍ヶ池アートサロン入口近くにて
[25]鞍ヶ池アートサロン入口にて
[26]本企画展leaflet
【展示作品一覧(全24点)】