「冬〔初時雨〕→夏〔夏の月〕→秋〔きりぎりす〕→春〔梅若菜〕」の全144句の第21句~24句をお届けする。
では、早速その4句をご覧頂きたい。
猿蓑集 巻之五
21 火ともしに暮(くる)れば登る峯(みね)の寺 (去)來
【意】寺は無住で、峯の麓(ふもと)に起居する僧が、毎日夕暮れに峰の寺に灯明をつけに登る
21 火ともしに暮(くる)れば登る峯(みね)の寺 (去)來
【意】寺は無住で、峯の麓(ふもと)に起居する僧が、毎日夕暮れに峰の寺に灯明をつけに登る
【解説】此処の情景は、僧でなくて俗人の寺男でもいい/
言外に、その灯火が渡海する廻船への陸地の示す灯台の役目を果たしているという趣が含まれている/
言外に、その灯火が渡海する廻船への陸地の示す灯台の役目を果たしているという趣が含まれている/
22 ほとゝぎす皆(みな)鳴(なき)仕舞(しまひ)たり (芭)蕉
【意】毎夕灯火を灯しに山にある寺に通っているうちに時も移ろい、いつの間にかホトトギスの啼く季節も過ぎ去った
【解説】夏〔ホトトギス〕
【意】毎夕灯火を灯しに山にある寺に通っているうちに時も移ろい、いつの間にかホトトギスの啼く季節も過ぎ去った
【解説】夏〔ホトトギス〕
23 痩骨(そうこつ)のまだ起(おき)直(なほ)る力(ちから)なき (史)邦
【意】ホトトギスが鳴き止み、夏も去っていった/
我が身は痩せ細り病床の身にある為起き上がる力もないヨ
【解説】痩骨:痩せ衰えた身体/長病みの人の様子
【意】ホトトギスが鳴き止み、夏も去っていった/
我が身は痩せ細り病床の身にある為起き上がる力もないヨ
【解説】痩骨:痩せ衰えた身体/長病みの人の様子
24 隣(となり)をかりて車(くるま)引(ひき)こむ (凡)兆
【意】訪ねた屋敷は、車止めに鎖が引いてある為屋敷内に入(はい)れない
仕方がないので隣家を借りて牛車を入れた/
【解説】病んでいたのは男ではなく女/その女の家に男が訪ねて来た/
浪花宛去来書簡に「隣をかりては、夕がほを存じよりて仕候」とあり、『源氏物語』夕顔の巻の、光源氏が大弐の乳母を見舞った条の俤付(おもかげづけ)(注1)
(注1)俤付:俳諧の付合方法の一つ/
故事・古歌などによって付ける場合,仄(ほの)めかす程度の表現で付けること
【意】訪ねた屋敷は、車止めに鎖が引いてある為屋敷内に入(はい)れない
仕方がないので隣家を借りて牛車を入れた/
【解説】病んでいたのは男ではなく女/その女の家に男が訪ねて来た/
浪花宛去来書簡に「隣をかりては、夕がほを存じよりて仕候」とあり、『源氏物語』夕顔の巻の、光源氏が大弐の乳母を見舞った条の俤付(おもかげづけ)(注1)
(注1)俤付:俳諧の付合方法の一つ/
故事・古歌などによって付ける場合,仄(ほの)めかす程度の表現で付けること
【小生comment】
連句は、夫々深い教養と豊かな感性がないと上手に繋がっていかない。
「巻之五」を詠んでいて、連句を作ることの難しさが解って来た。
さて、次号「猿蓑/巻之五」〔第7回〕「第25~28句」をお楽しみに!
連句は、夫々深い教養と豊かな感性がないと上手に繋がっていかない。
「巻之五」を詠んでいて、連句を作ることの難しさが解って来た。
さて、次号「猿蓑/巻之五」〔第7回〕「第25~28句」をお楽しみに!
■続いての話題は、前《会報》にて05月12日(土)に、東京の史跡4箇所と美術館&博物館7箇所を見て来たうち、東京都美術館迄の模様をお届けした。
今回は、東京都美術館の次とその次(=2つ目と3つ目)に訪れた東京国立博物館『名作誕生~つながる日本美術』展と横山大観記念館『墨に五彩あり』展の模様をお伝えする。
10時10分 東京都美術館発→〔徒歩 500m 10分〕→
今回は、東京都美術館の次とその次(=2つ目と3つ目)に訪れた東京国立博物館『名作誕生~つながる日本美術』展と横山大観記念館『墨に五彩あり』展の模様をお伝えする。
10時10分 東京都美術館発→〔徒歩 500m 10分〕→
10時25分 東京国立博物館・平成館着/『名作誕生~つながる日本美術』展を見た
[01]東京国立博物館平成館入口横の本企画展看板前にて
[02]雪舟【国宝】『天橋立図』15世紀
11時15分 東京国立博物館発→〔JR上野→JR山手線→JR御徒町〕→春日通を西進400m→天神下交差点を右折し右手に不忍池を見乍ら400m程北上
11時40分 横山大観記念館着
[01]東京国立博物館平成館入口横の本企画展看板前にて
[02]雪舟【国宝】『天橋立図』15世紀
[03]菱川師宣『見返り美人図』17世紀
[04]伊藤若冲『雪梅雄鶏図』18世紀
[05]同【重文】『仙人掌群鶏図襖』18世紀
[06]東京国立博物館平成館前の旧総長室跡の「森鴎外」写真前にて
11時15分 東京国立博物館発→〔JR上野→JR山手線→JR御徒町〕→春日通を西進400m→天神下交差点を右折し右手に不忍池を見乍ら400m程北上
11時40分 横山大観記念館着
[07]横山大観記念館前にて
[08]横山大観顕彰碑
12時07分 横山大観記念館発→〔徒歩 300m 5分〕→
12時15分 旧岩崎邸着
[08]横山大観顕彰碑
[09]横山大観旧宅及び庭園説明
[10]横山大観記念館入口から邸内へ入った所の情景
[11]横山大観『若葉』1930年
[12]速水御舟『夜桜』1928年
[13]横山大観『或る日の太平洋』1952年
[14]冨田渓仙『祇園夜桜』1921年
[15]横山大観『春光る(樹海)』1946年
[16]同『白衣観音』1908年 〔東京国立近代美術館『横山大観』展展示作品〕
[17]同『春園之月』1939年 〔東京国立近代美術館『横山大観』展展示作品〕
[18]同『海に因む十景のうち 海潮四題・秋』1940年4月 〔東京国立近代美術館『横山大観』展展示作品〕
[19]同『山に因む十景のうち 霊峰四題・秋』1940年4月 〔東京国立近代美術館『横山大観』展展示作品〕
[20]同『南溟の夜』1944年2月 〔東京国立近代美術館『横山大観』展展示作品〕
12時07分 横山大観記念館発→〔徒歩 300m 5分〕→
12時15分 旧岩崎邸着
[21]旧岩崎邸庭園入口
[22]同所にて
12時25分 旧岩崎邸発→〔徒歩 400m 7分〕→
12時31分〔湯島→〔地下鉄千代田線→大手町→地下鉄東西線→竹橋 徒歩200m〕→
[22]同所にて
[23]改築工事中の岩崎邸
12時25分 旧岩崎邸発→〔徒歩 400m 7分〕→
12時31分〔湯島→〔地下鉄千代田線→大手町→地下鉄東西線→竹橋 徒歩200m〕→
■続いては、05月17日(木)に、名古屋金山のフォレストホールにて開催された、ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルのコンサートに行って来た。
演奏曲目は以下の通り。
演奏曲目は以下の通り。
1. ウォルトン/ヨハネスバーグ祝典序曲:ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
2. ヴォーン・ウィリアムズ/揚げ雲雀(ひばり)‥ViolinとOrchestraの為のRomance:三浦文彰のヴァイオリン独奏&ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
3. グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16:辻井伸行のピアノ独奏&ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
辻井伸行のencore曲:ショパン/練習曲 作品10-3 『別れの曲』
〔20分間の休憩〕
4. ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調作品47:ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
5. Encore曲:ラフマニノフ「ここは美しい場所」:ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
2. ヴォーン・ウィリアムズ/揚げ雲雀(ひばり)‥ViolinとOrchestraの為のRomance:三浦文彰のヴァイオリン独奏&ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
3. グリーグ/ピアノ協奏曲 イ短調 作品16:辻井伸行のピアノ独奏&ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
辻井伸行のencore曲:ショパン/練習曲 作品10-3 『別れの曲』
〔20分間の休憩〕
4. ショスタコーヴィチの交響曲第5番ニ短調作品47:ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
5. Encore曲:ラフマニノフ「ここは美しい場所」:ペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル
[24]フォレストホール入口にて1
[25]同上2
[33]演奏会終了後、ペトレンコのCDを持ってフォレストホールのホワイエにて
【小生comment】
[25]同上2
[26]本演奏会leaflet(表)
[27]同上(裏)
[28]本演奏会チケット/プログラム/演奏曲目と同じペトレンコ指揮リヴァプールPOに拠るShostakovich/交響曲第5番&第9番
[29]本演奏会programより1
[30]同上2
[31]サイン会でのペトレンコ
[32]Encore曲の案内前にて
[33]演奏会終了後、ペトレンコのCDを持ってフォレストホールのホワイエにて
【小生comment】
3年4か月振りに聴いたペトレンコ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィル&辻井伸行のピアノ独奏のコンサートだった。
2015年1月29日に聴いたのは、ペトレンコの名演の誉れ高いショスタコーヴィチの交響曲第10番、辻井伸行のピアノ独奏でラフマニノフのピアノ協奏曲第3番他。
今回は、ペトレンコの選曲が素晴らしく、名曲&名演で本当に至福な2時間を過ごすことが出来た。
2曲目の ヴォーン・ウィリアムズの『揚げ雲雀』には小生、懐かしい思い出がある。
此の曲は、スコットランド民謡やアイルランド民謡に似た幻想的な佳曲。
小生昔から此の曲が大好きだった。
話は今から44年前に遡る。
大学1年の時、京都の府立医大に通っていた高校時代の親友中嶋君の下宿に1週間程お世話になった時の話。
中嶋君と当時流行っていたクラシック音楽喫茶へ出掛けた時のこと。
小生、此の曲のLPレコードがあったので request した。
そうしたら喫茶店店主から「貴方は結構 mania ですネェ」と言われたことを思い出したのだ。
今回、辻井君が piano solo に拠る グリーグのピアノ独奏曲は実に素晴らしい演奏だった。
全盲の辻井君の完璧な名演に感動のあまり涙が出て止まらなかった。
演奏会終了後、ペトレンコさんのサイン会があって彼のサインを貰ったオマケが付いたお得なconcertとなった。
2015年1月29日に聴いたのは、ペトレンコの名演の誉れ高いショスタコーヴィチの交響曲第10番、辻井伸行のピアノ独奏でラフマニノフのピアノ協奏曲第3番他。
今回は、ペトレンコの選曲が素晴らしく、名曲&名演で本当に至福な2時間を過ごすことが出来た。
2曲目の ヴォーン・ウィリアムズの『揚げ雲雀』には小生、懐かしい思い出がある。
此の曲は、スコットランド民謡やアイルランド民謡に似た幻想的な佳曲。
小生昔から此の曲が大好きだった。
話は今から44年前に遡る。
大学1年の時、京都の府立医大に通っていた高校時代の親友中嶋君の下宿に1週間程お世話になった時の話。
中嶋君と当時流行っていたクラシック音楽喫茶へ出掛けた時のこと。
小生、此の曲のLPレコードがあったので request した。
そうしたら喫茶店店主から「貴方は結構 mania ですネェ」と言われたことを思い出したのだ。
今回、辻井君が piano solo に拠る グリーグのピアノ独奏曲は実に素晴らしい演奏だった。
全盲の辻井君の完璧な名演に感動のあまり涙が出て止まらなかった。
演奏会終了後、ペトレンコさんのサイン会があって彼のサインを貰ったオマケが付いたお得なconcertとなった。
【後記】05月20日、Facebookで友達になった、内藤さんに依頼していた小生の似顔絵が完成したので、彼と喫茶店で会ってその作品を頂戴した。
ご覧の作品が、小生の似顔絵だ。
この絵は、2008年11月30日に和歌山城を訪れた際、天守閣で撮影した写真を小生昔から気に入っていて、此れを元に似顔絵を描いて貰った。
大変満足出来る出来栄えで、内藤さんのお礼を申し上げた。
内藤さんは、小生、中学校の同級生の冨安君の紹介で、知り合った。
富安君と内藤さんの二人が高校時代、小生の亡父が二人をを教えたことがあるそうだ。
内藤さん曰く、「教えて貰った先生の似顔絵を描いたが、今泉譲先生(=亡父)の似顔絵が一番似ていたという、思い入れがある」そうだ。
この似顔絵、なかなかいいでしょ!
ご覧の作品が、小生の似顔絵だ。
この絵は、2008年11月30日に和歌山城を訪れた際、天守閣で撮影した写真を小生昔から気に入っていて、此れを元に似顔絵を描いて貰った。
大変満足出来る出来栄えで、内藤さんのお礼を申し上げた。
内藤さんは、小生、中学校の同級生の冨安君の紹介で、知り合った。
富安君と内藤さんの二人が高校時代、小生の亡父が二人をを教えたことがあるそうだ。
内藤さん曰く、「教えて貰った先生の似顔絵を描いたが、今泉譲先生(=亡父)の似顔絵が一番似ていたという、思い入れがある」そうだ。
この似顔絵、なかなかいいでしょ!
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