2018年5月6日日曜日

【時習26回3-7の会 0703】~「松尾芭蕉『猿蓑集 巻之五〔第3回〕』」「04月28日:『東海市細井平洲記念館』『細井平洲旧里碑』『細井平洲生誕地』『潮音閣・観音寺』→杉本美術館『花』展→碧南市藤井達吉現代美術館『所蔵秀作展/10年の歩み』展→高浜市やきものの里かわら美術館『シルクロードの甍(いらか)』展→名都美術館『愛知県立芸術大学 模写完成記念展―国宝模写の成果―応徳涅槃図/聖徳太子絵伝』展→瀬戸市美術館『越中瀬戸焼~桃山から現代へ~』展を巡って」「04月30日:『二連木城跡』→『赤岩寺』を巡って」

■時節は0505日が二十四節気でいう『立夏』。
 新緑が目に染みる気持ちの良い季節、ふと「新緑の若葉を以て鑑真和上の盲眼の涙を拭(ぬぐ)って差し上げたい」と心象を詠んだ芭蕉の名句が浮かんだ。

  若葉して御めの雫(しずく)ぬぐはゞや  芭蕉

【解説】貞享五(元禄元(1688))年四月九日頃、奈良の西ノ京、律宗の本山・唐招提寺を弟子の坪井杜國と共に訪れた時の作
 奈良時代の肖像の傑作、鑑真和上像を前にした芭蕉が彼の頭に浮かんだ心象を詠んだ傑作/
「御めの雫」は芭蕉の脳裏に浮かんだ心象/「若葉して」は「若葉で以て」という意であり、若葉の頃という意味ではない
【意】唐招提寺境内の樹々は新緑が目に染みる程美しい/その柔らかな若葉で、鑑真和上の眼の涙を拭い取って差し上げたい
 皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回3-7の会 0703】号をお届けします。
 さて、今日も最初の話題は、前々回から始まった『猿蓑』〔巻之五〕連句集の今日はその〔第3回〕目で「冬の部」の第3回。
「冬〔初時雨〕→夏〔夏の月〕→秋〔きりぎりす〕→春〔梅若菜〕」の全144句の第9句~12句をお届けする。
 では、その4句をご覧頂きたい。

  猿蓑集 巻之五

09 何事(なにごと)も無言(むごん)の内(うち)はしづかなり  ()

【意】ただ黙々と墨を含んだ筆を動かしていると、辺りは静寂そのものだ

【解説】―

10 (さと)見え初(そめ)て午(うま)の貝(かひ)ふく  ()

【意】前句で黙々としていたのは無言の行をしていた為だった/
 その山中の道場から下山の途中に里が見えてきた処で丁度昼になったので正午を告げる法螺貝を吹いた
【解説】―

11 ほつれたる去年(こぞ)のねござのしたゝるく(1)  ()

【意】藁がほつれ始めた茣蓙(ござ)は昼寝をするにもべとつく様だ
【解説】修行中に使った布団代わりのござの話か
(1)したたるく:まとわりつく/垢などが付着してべとつくの意

12 芙蓉(ふよう)のはなのはら/\とちる  ()

【意】一方、里では丁度芙蓉が盛りでその花びらがはらはらと散っている秋の昼下がり
【解説】芙蓉は蓮の花の別称
 
■続いての話題は、0428()に東海市にある(細井)『平洲記念館』と平洲関連史跡と美浜町・碧南市・高浜市・長久手市・瀬戸市にある5つの美術館を巡って来た。
 その模様について以下の通り行程順にご紹介したい。
 
0730分 拙宅発豊川IC〔東名豊田JCT→名古屋南IC→知多自動車大府IC67 1時間15分〕
0845分 東海市「平洲記念館」着
0900 (細井)『平洲記念館』

[01]平洲記念館入口にある細井平洲像の前にて

[02]館内の上杉鷹山()と細井平洲()の人物像の前にて
                  
[03]館内の一室にある「細井平洲()と上杉鷹山()の銅像」前にて

[04]米沢藩があった米沢の民芸品一刀彫「お鷹ぽっぽ」
                  
[05]お鷹ぽっぽの横にて

[06]小生が旧行・仙台支店在勤時代(昭和575月~614)に訪れた米沢のお土産だ買った拙宅の「お鷹ぽっぽ」
                  
 なかなか格好いいでしょ!?

[07]平洲記念館で貰ったleaflet

[08]細井平洲先生旧里碑前にて
                  

 細井平洲が共和元(1801)年に亡くなるや、秦鼎、小河鼎ら、尾張の平洲一門が総力を結集して、平洲七回忌の文化4(1807)12月に遺徳顕彰の為建立された。
 この碑は平洲記念館にある。

[09]細井平洲生誕地碑の前にて

 平洲記念館から1㎞程西方の宝国寺に隣接して建っている。

[10]観音寺にて
                  

 細井平洲が幼少時代に通った寺子屋が此の観音寺。
 義親和尚について学んだという。

1030分 観音寺発〔一般道/33 55分〕
1125分 美浜町・杉本美術館着『花』展

[11]杉本美術館入口にて

[12]館内受付横の本企画展案内看板前にて
                  
[13]本企画展leaflet

[14]杉本健吉『籠牡丹』1975
                  
[15]同『角樽に牡丹』1975

[16]同『牡丹とトム』1983
                  
[17]同『白黒牡丹』1985


1155分 杉本美術館発〔一般道/20 40分〕
1235分 碧南市藤井達吉現代美術館着『所蔵秀作店から10年の歩み』展

[18]碧南市藤井達吉現代美術館受付横の入口にて
                  
[19]同美術館中庭2階入口にて

[20]本企画展leaflet/画は、藤井達吉『大島風物図屏風』1916
                  
 二曲一双屏風のうち右隻

[21]前田寛治(1896-1935)『花』1928-29

[22]三岸好太郎(1819)『桃と琵琶』1927
                  
[23]鬼頭鍋三郎(189-19)『婦人像』1948

1320分 碧南市藤井達吉現代美術館発〔一般道/7 20分〕
1355分 高浜市やきものの里瓦美術館着『シルクロードの甍(いらか)』展

[24]同美術館入口にて
                  
[25]本企画展leafletと「緑釉楼閣」(中国・漢&後漢(13世紀)時代

[26]中国西安 大慈恩寺・大雁塔
                  
[27]大雁塔に使われた「三州瓦」1

[28]同上2
                  

1435分 高浜市やきものの里瓦美術館発〔一般道/41 55分〕
1525分 名都美術館着『国宝模写の成果/応徳涅槃図と聖徳太子絵伝』展

[29]名都美術館入口/本企画展看板前にて

[30]本企画展leaflet1 『愛知県立芸術大学模写完成記念展/国宝模写の成果応徳涅槃図と聖徳太子絵伝』展
                  
[31]本企画展leaflet2


1555分 名都美術館発〔一般道/10 25分〕
1620分 瀬戸市美術館着『越中瀬戸焼』展

[32]瀬戸市美術館着入口前にて1
                  
[33]同上2

[34]本企画展leaflet
                  
[35]『黄瀬戸釉茶碗〔銘:之奈謝可流〕』17世紀

[36]『瀬戸白流壺』19世紀

 瀬戸市の画家と言えば、北川民次(1894-1989)がまず浮かぶ。
 彼は、静岡県出身だが、米国で絵画の基礎を学び、1921(大正11)年にはメキシコに移り制作に傾注。
 1936(昭和11)年に帰国し、瀬戸市の安戸町に 終の棲家たるatelier を構え、画業に専念した。
 北川民次の画風は、彼 original な心象的な作品で、小生は大好きな画家である。
 輪郭がハッキリと描かれた骨太な作品だが、ルオーやドランとも違う北川民次独自の絵画の世界を魅せてくれる。
 今日此の美術館を訪れたら、20150704日~0927日に瀬戸市美術館にて『生誕120周年記念/瀬戸市美術館特別展:北川民次』展が開催された際販売された図録を見て魅了された。
 其処で、北川民次の作品から、静物画と人物画の2点をご紹介したい。

[37]北川民次『花と瀬戸工場』1961
                  
[38]同『兄と妹』1978
                  

■今日最後の話題は、0430(振月)walkingで自宅からソコソコ近い『二連木城跡』と『赤岩寺』を巡って来た時の模様を簡単にご紹介する。



 GW前半の0428()30()三日間あった最終日に、拙宅に久しぶりに帰省していた長男と長女の2家族のうち、長男の家族4人が16時半に帰って行った。
 一段落したので、久しぶりに walking 8.3km〔拙宅北北西へ1.5km→『仁連木城跡』東へ3.3km→『赤岩寺』西南西へ3.5km→拙宅〕を以下の行程で2時間10分かけて行なった。
 当地豊橋もGW前半の三日間はずっと、芭蕉が「行く春を近江の人とお(=)しみける」と詠んだ時節ピッタリで春爛漫だった!
 道すがら、各家の庭先や小さな公園に植栽の花ばなや野草の花が可憐に咲いていた。
 因みに、豊橋市が昭和36年此の地を買収し「大口公園」とした後、昭和52年現在ある姿に再整備した。
 此の『二連木城跡』は、明応二(1493)年 田原城主 戸田宗光に拠って築城された。
 又、『赤岩山/赤岩寺』は、聖武天皇(701-756)の勅願により行基(668-749)が神亀三(726)年に創建。
 天安元(857)年に弘法大師の十大弟子の一人杲隣(ごうりん(767-?))上人が中興し、真言宗に改めたという由緒ある寺。

1647分 拙宅発〔一般道 1.5㎞ 徒歩25分〕
1712分 仁連木城跡〔=大口公園〕着

[39]二連木城跡(大口公園)入口にて

[40]二連木城跡石碑前にて
                    

[41]路傍に咲いていた綺麗な花々


1725分 仁連木城跡発〔一般道 3.3km 徒歩39分〕
1804分 高野山真言宗・赤岩山/赤岩寺 山門着

[42]赤岩寺山門前にて
                  
[43]赤岩寺のもう一つの山門前にて




[44]赤岩寺周辺に咲いていた花と柿若葉
                  

1812分 赤岩寺発〔一般道 3.5km 徒歩44分〕




1856分 拙宅着

【後記】0501(火)は、仕事を終えて勤務先から真北へ1.2㎞の所にある「湊神明社」を訪れた。
 貞享四(1687)1110日、芭蕉は名古屋の門人越智越人を伴い渥美半島の保美に流寓していた坪井杜國を訪ねる為吉田宿に泊まった。

 芭蕉がその時「寒けれど二人寐()る夜ぞ頼もしき」と詠じた名句の石碑が此処にある。
 以前から一度是非訪れて石碑を見てみたかったからだ。
 ご当地豊橋もなかなか捨てたものではない。

[45]「寒けれど‥」の芭蕉の石碑にて

[46]湊築島弁天社
                  
[47]同神社前にて


実は、来週終末に日帰りで上京して「東京都美術館」「東京国立博物館」「横山大観記念館」「山種美術館」「郷さくら美術館東京」「世田谷美術館」と6つの美術館を見て来る予定だ。
その模様もお伝えしたいと思っているのでお楽しみに!〔了〕
 では、また‥〔了〕

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