今日最初の話題は、最近読んだコリン・ジョイス(Colin Joyce)著/谷岡建彦訳「『ニッポン社会』入門」についてご紹介する。
本著は、前《会報》にてご紹介した塩野七生氏の essay の纏めた『逆襲される文明/日本人へⅣ』の中で紹介されていた本である。
著者のColin Joyce氏は、1970年生まれの英国人journalist。
中々面白い本であったので、その一部をご紹介したい。
因みに、本書は、今から10年余り前の2006年12月に観光されているので、もうひと昔の情報であることを念のため申し添えておく。
《Colin Joyce氏の自己紹介より》
英国でも際立って人気のない生まれ故郷ロンフォードに強い誇りを抱く。コリン・ジョイス(Colin Joyce)著/谷岡建彦訳「『ニッポン社会』入門」いOxford大学で古代史並びに近代史を学ぶ。
短気なうえLondon東部の訛りが強い為、教授陣から知性を疑われたが、卒業試験で優秀な成績を修め、教授陣たちを驚愕させる。
1992年、奨学金を得て来日し、、神戸で日本語を学ぶ。
日本語の授業に全くついていけず、悔しさのあまり、自分にも日本語が習得できることを周囲に証明した一心で、日本に留まることを決意をする。
基本的には大金は縁がないが、美味しいbeerとsoccerには目がない。
その為、自分が日本に滞在している間に日本経済が停滞し、beerとsoccerの質が飛躍的に向上したのは理由のないことではないと信じている。
埼玉県の高校で2年間、英語の教師を務めるが、普段から時間に正確であることを要求される仕事は自分には不向きであると判断し、退職する。
『Newsweek 日本版』に4年間勤務した後(現在も定期的に記事を寄稿中)、イギリスで最も読まれている
英高級日刊紙『Daily Telegraph』の記者(同紙東京特派員)となり、現在は free journalist。
【拾壱「東京案内」~ トーキョー「裏」観光ガイド】より抜粋〔P.126-136〕
(日本を訪れる)外国人旅行者についての面白い逆説をご紹介しよう。〔中略〕僕は何年にも亘って、独自の東京の「裏」観光ガイドを作って来た。
それを皆さんにご紹介したいと思う。
まず隅田川へのjoggingに出掛けよう。
隅田川が小名木川と交わる萬年橋辺りがstart地点として最適だろう。
此処には松尾芭蕉の銅像も建っている。
此の芭蕉の銅像の近くには、小さな芭蕉記念館があり、芭蕉の生涯について知識を深めることが出来る。
越中島(えっちゅうじま)へと下り、月島を回って、帰りは対岸を戻って来れば良い。
距離にして凡そ5キロjogging (又は散歩) courseである。〔中略〕
なるべく歩くようにしよう。〔中略〕静かな裏通りを歩いてみる様にすると良い。
両国にある小さくてcharmingな公園、旧安田庭園から歩き始めてもよい。
此処は入場無料だが、いつ訪れても込み合っていることはない。
背後に聳える両国国技館を眺め乍ら、池の畔に静かに腰掛けていることが出来る。〔中略〕
此処から清澄庭園へと向かおう。この庭園の魅力については僕が説明するまでもない。〔中略〕
【小生注】清澄庭園は、江戸時代紀伊国屋文左衛門の屋敷があったとされ、享保年間に下總関宿藩主・久世氏の下屋敷となり、庭園の原型があったとされる。
明治11(1878)年 岩崎弥太郎が買い取り、三菱社員の慰安と賓客接待を目的として造成に着手。
弥太郎に次ぎ三菱社長となった岩崎弥之助が、大きく手を加え、明治24(1891)年回遊式築山林泉庭園として完成。現在は都立公園となっている。
長い散歩になるが、此処から更に門前仲町にある相撲の神社、富岡八幡宮迄足を延ばす価値は十分なる。
横綱力士像は必見だ。
歴代横綱の名前が実に見事な書体で石に刻み込まれている。
石に彫られた歴代横綱の手形と足形もお見逃しなく、間違いなく、圧倒されることだろう。〔中略〕
東京一素晴らしい隠れた観光spotを楽しむには、東京の南部、大田区へと足を向けねばならない。
池上梅園を一巡りした後、壮麗な本門寺へと向かおう。
この寺の数ある名所・旧跡の中でも一際誉れ高いには、奥まった所にある「松濤園(しょうとうえん)」だ。
四百年前に造られた此の庭園は、かつて西郷隆盛と勝海舟がが共に茶を飲み乍ら会談をした所である。〔中略〕
東京は街の片隅の目立たない所にこそ魅力がある都市だ。〔中略〕
数々の知る人ぞ知る名所や、思いもよらぬ発見に溢れているという点に於いて、東京は間違いなく世界でも並外れて多面的な都市だ。
恐らく此れこそが東京の魅力だろう。〔後略〕
【小生comment】
本書は、今から10年前の作品だが、英国人知識人層の目から見た日本社会の印象を日本人なら見過ごしがちな視点から興味深いcommentを沢山記してくれている。気分転換に読む本としては面白い本であった。
■続いては、去る10月08日(日)に、名古屋へ「名古屋市美術館『ランス美術館』展」「東京三菱UFJ銀行貨幣資料館『広重 蔦吉版 東海道』展」「愛知県美術館『(長澤)芦雪』展」「日本特殊陶業市民会館『ウラディミール・ユロフスキ指揮/London P.
O./ Piano : 辻井伸行』演奏会を聴いて」の3美術館企画展と1演奏会を巡って来たことについてである。
今日は、そのうち前半の2美術館の企画展についてご紹介する。
【名古屋市美術館『ランス美術館』展】
10月08日(日)は以下の行程で出掛けた。
07:30 拙宅発 →〔自転車〕→
08:02 豊橋 →〔名鉄〕→ 金山→〔地下鉄〕→矢場町 →〔徒歩〕→ 若宮八幡社 →
[02]若宮八幡社由来
[03]若宮八幡社本殿
[04]連理稲荷由来
[05]連理稲荷
09:30 名古屋市美術館着『ランス美術館』展
本展は、ランス美術館(Musee
Des Beaux-Arts De Reims)が所蔵するFrance絵画約60点の名品をを「1 : Baroque・Rococo時代の古典絵画」「2 : ロマン派・新古典派(ダヴィッド、ドラクロワ等)」「3 : バルビゾン派・Realism(コロー・ミレー・クールベ等)・印象派・ポスト印象派(ピサロ・シスレー・ゴーギャン等)」「4
: レオナール・フジタ(藤田嗣治)特別collection」の4章の構成に拠り紹介するもの。
展覧会場の2F全てがレオナール・フジタ(藤田嗣治 (1886–1968))の作品だった本企画展は、熊本 静岡 福井 広島 東京 山口 と会場を巡回して 名古屋市美術館が最後の展示会場。
名古屋市美術館とランス美術館は、2013年10月 友好提携の覚書を調印。
更に今月20日 名古屋市とランス市が姉妹都市の調印予定。
この慶事を記念して、名古屋市美術館だけドラクロア、ラファエル・コリン、ブーダンの3作品〔添付写真[16][17][18]〕が特別展示された。
[06]名古屋市美術館入口近くの案内看板の前にて
[07]同美術館入口
[08]本企画展leaflet
[09]マールテン・ブーレマ・デ・ストンメ(Maerten Boelema de
Stomme(1611-64))(蘭)『レモンのある静物(Nature
morte au citron)』17世紀
[10]ジャック・ルイ・ダヴィッド(及び工房)(Jacques-Louis David( et atelier )(1748-1825))『マラーの死(La Mort de Marat)』1793年
[11]ギュスターヴ・クールベ(Gustave Courbet(1819-77))『彫刻家マルチェロ(カスティリオーネ=コロンナ公爵夫人)(Le
Sculpteur Marcello (Duchesse de Castiglione-Colonna))』1870年
[12]カミーユ・コロー(Camille Corot(1796-1875))『川辺の木陰で読む女(La Liseuse sur la rive boisee)』1865-70年の間
[13]ポール・ゴーギャン(Paul Gauguin(1848-1903))『バラと彫像(Roses et statuette)』1889年
[14]アンリ・ファンタン=ラトゥール(Henri Fantin-Latour(1836-1904))『まどろむニンフ(Nymphe
endormie)』1900年頃
[15]レオナール・フジタ(Leonard Tsuguharu
Foujita(1886-1968))『マドンナ(La Madone)』1963年
※特別出品1[16]ウジェーヌ・ドラクロワ(Eugene Delacroix(1798-1863))『父の呪詛を受けるデズデモーナ(Desdemone
Maudite par son pere)』1850年頃
※特別出品2[17]ラファエル・コラン(Raphael Collin(1850-1916))『思春期(Adolescence)』1889年
※特別出品3[18]ウジェーヌ・ブーダン(Eugene Boudin(1824-98))『ベルク、漁船の帰還(Berck :
le retour des barques)』1890年
10:10 同所発 →〔徒歩〕→ 栄 bus terminal →〔基幹バス〕→
白壁赤塚 →〔徒歩〕→
【東京三菱UFJ銀行貨幣資料館『広重
蔦吉版 東海道』展】
名古屋市美術館を出た小生、徒歩で栄のOasis21の所にあるbus terminal迄 walking。Bus terminalから基幹バスに乗り、白壁赤塚のバス停下車すぐ南の所にある三菱東京UFJ銀行貨幣資料館を訪れた。
『広重/蔦吉版 東海道』展を見る為である。
本企画展について、leafletから一部引用して紹介する。
※『広重/蔦吉版 東海道』と通称される本作品群は正式には『蔦屋吉蔵版 横中判錦絵 54枚』と言う。
※ 歌川(安藤)広重(1797-1858)が代表作『保永堂版 東海道五拾三次』を37歳で刊行してから15~20年後の嘉永(1848-55)年間の作と推定されている。
※ Sizeは「横中判」で、江戸後期の錦絵の標準的な「大判」の半分のsizeで、現在のB5 sizeより2cm四方小さいsizeである。
※ 54枚は、53次のうち、「嶋田」と「金谷」の両宿駅を大井川を中心に手前と前方に1図に収めた52枚に、始点「日本橋」と終点「京都」を加えたもの。
※ 広重晩年の傑作として、見る者に安心感を与える温厚な図案となっている。
[19]Oasis21
[20]Oasis21と名古屋テレビ塔
[21]三菱東京UFJ銀行貨幣資料館入口
[22]本企画展leaflet
[23]同展案内葉書
[24]三菱東京UFJ銀行貨幣資料館入口にて
[25]広重/蔦吉版 東海道『藤澤』
[26]同/同 同『宮』
[27]同/同 同『土山』
[28]同/同 同『大津』
10:55 三菱東京UFJ銀行貨幣資料館着『広重/蔦吉版 東海道』展
11:15 同所発 →〔徒歩〕→ 片山八幡神社 →11:35 らーめん陣屋着〔昼食〕
陣屋の常連、将棋の藤井聡太四段が陣屋店主夫妻に present してくれたのが、写真[29]中央にある「二十七手詰」の色紙。
色紙の下の写真は、藤井四段を真ん中に店主夫妻。色紙の上の色紙と写真は、フィギュアスケートの浅田真央ちゃん。
真央ちゃんも陣屋さんのファンだそうだ。
又、店主の奥さん曰く、大村愛知県知事には「二十一手詰」を present したそうだ。
此の話には後日談ならぬ後刻談がある。次号《会報》をお楽しみに!
[29]らーめん陣屋 外観
[30]座ったカンター席前方に掲示されていた 日本将棋の藤井四段の「二十七手詰将棋」の色紙
[31]小生の定番『味噌チャーシューらーめん』
【後記】一昨日10月13日(金)18時30分から、豊橋西駅から程近くの中嶋君〔←正確に言えば彼の奥様‥〕御推薦の『Vege-St.』で、【時習26回生】のミニ同期会 & 宮下君(10/16)【3-7】と小生(09/24)の誕生日祝いを中嶋君【3-2】と林恭子さん【3-7】が披いてくれた。
嬉しかった。
[32]『Vege-St.』にて1
[33]同2
[34]同3
では、また‥〔了〕
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