2017年4月15日土曜日

【時習26回3-7の会 0648】~「03月1 8日:森アーツセンターギャラリー『大エルミタージュ美術館』展を見て」「03月20日:古川美術館『田村能里子ー風を聴く旅』展を見て」「04月08~09日:賢人会旅行2017年春『春日山城跡/高田城跡/千曲市あんずの里/水野美術館「春を謳う」展』実施報告〔前編〕「04月11日:中部ガス名豊gallery/名豊ビル 最終企画展『戦後から現代へ「東三河の絵師たち」』展を見て

■皆さん、お元気でお過ごしでしょうか。今日も【時習26回3-7の会 0648】お送りします。
 今回は、松尾芭蕉『野ざらし紀行』今日はその〔第12回〕はお休みする。
【熱田】は、貞享02(1685)年四月四日(新暦05月06日) に【鳴海】の「下郷知足」訪ねる / 四月五日(新暦05月07日)【熱田】へ戻る / 四月九日(新暦05月11日) 再び【鳴海】へ赴く / とあるので、05月06日頃配信の《会報》にてお送りする予定である。
 代わって、今日最初にお届けするのは、3月の三連休の初日の03月18日(土)に上京して日帰り美術館巡りをしたお話から、東京都美術館→国立西洋美術館→三菱一号館美術館の次、4番目に訪れた森アーツセンターギャラリー『大エルミタージュ美術館展~オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち~』についてお届けする。
 本展について、エルミタージュ美術館館長・教授のミハイル・ピオトロフスキー氏のメッセージから一部引用してご紹介する。
 エルミタージュ美術館所蔵品に拠る「大エルミタージュ美術館展、オールドマスター(=昔日の巨匠たち=Renaissanceから18世紀迄の巨匠たち) 西洋絵画の巨匠たち」は日本の3つの美術館(東京都美術館・愛知県立美術館・兵庫県立美術館)に於いて延べ10か月間に亘って開催される。〔中略〕
 日本の観客の皆様に、〔中略〕ロマノフ王朝の系譜に連なる女帝エカテリーナ2世、皇帝アレクサンドル1世、皇帝ニコライ1世がどのような嗜好と基準で絵画を選別し、収集したのか、その一端を感じ取って頂けることだろう。
 作品の構成としては、今回の美術展には16世紀のルネッサンスから17・18世紀のバロック、ロココ迄の欧州絵画のほぼ全ての主要な流派を網羅している。
 日本に送る85点の絵画は、クラーナハ、ティツィアーノ、スルバラン、レンブラント、ヴァン・ダイク、ゲインズバラ、フラゴナールをはじめとする多くの画家たちの名画ばかりを集めたものである。〔後略〕
[01]森アーツセンターギャラリー入口にて

[02]本展leaflet(表)
                  
[03]同上(裏)

[04]森美術館・森センターギャラリー/展望台入口
                  
[05]森アーツセンターギャラリーが52階に入居する 六本木ヒルズ森タワー

 又、エルミタージュ美術館 西洋絵画課長 セルゲイ・アンドローソフ教授が本展図録に『エルミタージュ美術館 絵画galleryの歴史』を寄稿しているので、添付写真の絵画と共にご紹介する。
【1764年/エルミタージュ美術館collectionの創始】
 エルミタージュ美術館(The Hermitage Picture Gallery)の創立は1764年。
エカテリーナ2世1(Ekaterina ll (1729-96/在位:1762-96))が、Berlinの実業家 ゴツコフスキー(Johann Ernst Gotzkowsky(1710-75))から317点の絵画を取得した年とされる。
 エルミタージュという言葉は、仏語で「隠れ家」の意。
女帝が親しい友人にこれ等の美術品を見せる場所をそう呼んだことから始まる。
 Ekaterina ll が34年の治世の間に収集した絵画作品は2,500点に及ぶと言われている。
 本展の展示作品ではないが、当美術館の所蔵品である [04]レンブラント(Rembrand)『ダナエ(Danae)』1636年 や [06]ティツィアーノ(Titian)『羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像』1538年 は、Ekaterina ll が1770年代に Parisに於いて、ティエール男爵ルイ=アントワーヌ・クロザ(1700-70)の有名なcollectionの取得に拠る。
添付写真[11]フィリップ・ド・シャンパーニュ(1602-74)『預言者モーゼ』1648-63年は、1772年に行われたFranceの美術市場に於ける女帝最後の収集の際取得した作品群の中の一つ。
次代のパーヴェル1世(1754-1801/在位:196-1801)の短い治世下で絵画galleryに加わった作品は殆どない。
 更に次代のアレクサンドル1世(パーヴェル1世の嫡男)(1777-1825/在位:1801-25)は、ナポレオン戦争に振り回されていた時代で、エルミタージュ美術館に時間を費やす時間はあまりなかった。
 そんな中でも添付写真[10]バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617-82)『受胎告知』1660年頃 は彼の治世下の1814-15年 蘭 Amsterdam の銀行家コースヴェルトから入手したものである。
 ニコライ1世(1796-1855/在位:1825-55)は、アレクサンドル1世の弟で、絵画への執着は強く、エルミタージュ美術館の絵画拡充にはEkaterina ll に比肩する程の貢献をした。
[06]レンブラント・ハルメンスゾーン・ファン・レイン(1606-69)『ダナエ』1636年 ※ 本展展示作品ではない
                  
[07]ウィギリウス・エリクセン(1722-82)『戴冠式のローブを着たエカテリーナ2世の肖像』1760年代

[08]ティツィアーノ・ヴェツェッリオ(1488/90-1576)『羽飾りのある帽子をかぶった若い女性の肖像』1538年
                  
[09]ポンぺオ・ジローラモ・バトーニ(1708-87)『聖家族』1777年

[10]ヤン・ブリューゲル(1世)(1568-1625)『魚の市場(ペテロとアンデレの召命)』1608年頃
                  
[11]フランシスコ・デ・スルバラン(1598-1664)『聖母マリアの少女時代』1660年頃

[12]バルトロメ・エステバン・ムリーリョ(1617-82)『受胎告知』1660年頃
                  
[13]フィリップ・ド・シャンパーニュ(1602-74)『預言者モーゼ』1648-63年

[14]ジャン=バティスト・グルーズ(1725-1805)『スミレ色のチュニックを着た少女』1770年代
                  
[15]ジャン=オノレ・フラゴナール(1732-1806)とマルグリット・ジェラール(1762-1837)『盗まれた接吻』1780年代末

[16]ルカス・クラーナハ(1472(?)-1553)『林檎の木の下の聖母子』1530年頃
                  
[17]フィリップ・メルシエ(1689-1760)『盆を持つ少女』1740年代末

【小生comment】
 エカテリーナ2世を中心にロマノフ王朝の系譜や、当時の七年戦争(1754-(or1756-63))と欧州各国の情勢を眺めていると、それだけで大学の論文が書けそうなvolume感がある。
 だから、今回は敢えてこの辺りのことには触れないこととする。
 ご覧の様に、エルミタージュ美術館が所蔵するオールドマスター(Old Masters)と称される西洋絵画の作品群の質の高さには感心させられる。
 皆さんは、どう感じられましたか?
■続いての話題は、03月20日に名古屋ボストン美術館、愛知県芸術劇場concert hall に続いて訪れた古川美術館にて開催されている『田村能里子ー風を聴く旅』展についてである。
 田村能里子(1944- )氏は、名古屋市に生まれ、旭丘高校美術科を卒業後、武蔵野美術大学にて油彩画を学ぶ。
 その後、4年間インドにて女性の素描・油彩画を制作。1986年からは文化庁芸術家在外研修員として中国に留学。
 1995-98年にはタイのバンコクに滞在。一貫して、Asiaに凛として咲く女性像を描き続けている。
[18]古川美術館入口にて
                  
[19]本展leaflet(表)

[20]同上(裏/部分)‥絵を制作中の田村能里子氏
                  
■続いての話題は、04月08(土)~09(日)の両日、時習26回の同期生の中嶋良行君【3-2】と谷山健君【3-3】、そしてお城の会の先生 青木喜久夫さんと小生の4人で小旅行に行って来た。
 行先は、上杉謙信居城「春日山城跡/林泉寺」・松平忠輝居城「高田城跡/三層櫓」・上山田温泉「ホテル亀屋本店(泊)」・千曲市「あんんずの里」・「長野市/水野美術館『春を謳う』展」である。
〔前編〕と〔後編〕の2回に分け、「春日山城/林泉寺」と「高田城跡」を〔前編〕として今回お届けする。
 旅行は、以下の行程で計画した。
 ほぼ、行程表通りに旅することが出来たが、一つだけ誤算があった。
 それは、二つ目の訪問地、松平忠輝所縁の「越前高田城跡」である。
 訪れた日が、現地では「夜桜を愛でる『観桜会』」の応当日。
到着した14時半過ぎには、もう周辺地域が車両通行止めの交通規制がされていて、三層櫓の近くへの車の乗り入れは既に禁止されていた。
 其処で止む無く、小生一人が4人を代表して櫓近く迄走って行って、三層櫓の模様を写真に収めることが出来た。
【初日】4月8日(土)
05時45分 中嶋宅発〔11.6km 26分〕→ 累計11.6km
06時10分 今泉宅発〔09.6km 19分〕→ 累計21.2km
06時30分 谷山宅発〔387km 4時間50分+トイレ休憩15分×2回=5時間20分【高速道路料金5,680円÷4人≒@1,420円/累計@1,420円】〕→ 累計408.2km
[21]黒姫野尻湖PAにて

12時00分【昼食:各自負担】手打ちしば/にのみや(上越市大豆2丁目6-11/営業時間11:00-15:00 電話025-545-3147
[22]昼食処「にのみや」の外観
                  
[23]天ぷらせいろ

[24]「にのみや」でのsnap shot
                  
駐車場:数台駐車可/満車の場合、春日山城 史跡広場・春日山城跡ものがたり館 駐車場12台へ)
〔食べログ〕URL : https://tabelog.com/niigata/A1503/A150301/15002600/
12時50分 同所発〔0.4km 1分〕→ 累計408.6km
[25]ものがたり館 外観

[26]同上 内部
                  
12時55分 春日山城跡ものがたり館〔入場料:無料20分滞在/01.5km 5分/上越市大字大豆334 電話025-544-3728〕→
      〔上越市 Home〕URL:http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/bunkagyousei/sisetu-monogatari.html
      〔にいがた観光ナビ〕URL :http://www.niigata-kankou.or.jp/sys/data?page-id=8469
車で一番上の駐車場へ先に行くことにして、林泉寺は春日山城跡周辺では最後に訪問することにした
[27]林泉寺「山門」前にて

[28]林泉寺「本堂」
                  
[29]上杉謙信の墓

13時05分 曹洞宗 春日山 林泉寺 摘〔上越市中門前1丁目1-1 電話025-524-5846〕
   〔林泉寺(せんりんじ)Home page〕URL :http://www.valley.ne.jp/‾rinsenji/
   〔同 上越観光Navi〕URL :http://joetsukankonavi.jp/spot.php?id=152
      〔林泉寺 駐車場→(以下、春日山城の往復迄:徒歩)【拝観料:@500円/累計@1,920円】総門→山門→本堂→宝物館(謙信直筆額)→墓所:計45分〕→〔墓所を抜け春日山山頂へ〕
13時50分 林泉寺 墓所(謙信公墓他) 発〔徒歩/01.7km 30分〕→〔上杉謙信公像 → 本丸へ〕
      〔にいがた観光ナビ/上杉謙信公像〕 URL:http://www.niigata-kankou.or.jp/sys/data?page-id=8428
      〔謙信公のお墓は上越市・米沢市いずれの林泉寺にあるか?〕URL : http://www.otsukastone.co.jp/blog/14619
[30]上杉謙信像
                   
[31]上杉謙信像をbackに

[32]春日山神社前にて
                  
[33]春日山城跡「本丸」へ向かう道端に自生している「カタクリ(片栗)」の花

14時20分 春日山城 本丸 着〔上越市中屋敷他 ℡025-545-0269/10分滞在〕
      〔春日山城 本丸跡〕URL :http://www.sengoku.jp.net/koshinetsu/shiro/kasugayama-jo/#midokoro
[34]春日山城跡「本丸」にて
                  
[35]同上「天守閣」にて

[36]春日山城跡「本丸」から旧 直江津市街と米山 遠望
                   
[37]同上「本丸」から下山途中の snap shot

14時30分 同署発〔徒歩/02.0km 30分〕→
15時00分 林泉寺 駐車場 着
      〔林泉寺:駐車場→謙信公墓→春日山神社→二の丸→本丸へ〕URL : http://sanada-tabi.com/cathle/kasugayama/yamajinzya/
15時05分 同署発〔08.2km 19分〕→ 累計416.8km
15時25分 高田城跡 着〔三層櫓【入館料:@300円/累計@2,220円】/上越市本城町6-1/30分滞在〕→
      〔高田城 三重櫓〕URL :http://www.city.joetsu.niigata.jp/soshiki/bunka/takada-castle.html
[38]お堀越しに見る「高田城跡/三層櫓」1
                   
[39]同上2

[40]同上3
                   
      〔高田城 高田藩史〕URL : https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E7%94%B0%E5%9F%8E
      〔高田公園:日本三大夜桜/観桜会〕URL :http://joetsu-kanko.net/kanoukai/
16時00分 同署発〔95㎞ 1時間24分/【高速道路料金1,620円÷4人≒@410円/累計@2,630円】〕→ 累計511.8km
17時30分 ホテル亀屋本店〔千曲市上山田温泉1丁目37-1 電話026-275-1002/夕食18:00 18:30 19:00 から選択〕
[41]ホテル亀屋本店 外観

[42]同ホテルでの夕食 snap shot
                  
[43]同ホテルの夕食

[44]同ホテルの浴場
                  
[45]同上 露天風呂

      〔じゃらん ホテル亀屋本店〕URL : http://www.jalan.net/yad335956/
【小生comment】
 このホテルに泊まるのは、実は2010年06月05(土)~06(日)に一泊して以来2回目である。
 2010.06.12付【時習26回3-7の会 0294】http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/26-0294060506-1.html をご参照。
 ホテル亀屋本店の湯質は最上級で大満足の温泉であったので、今度も是非このホテルに泊まりたかったからである。
 アルカリ性単純硫黄温泉で、少しの入浴時間で身体はポカポカになり、湯上り後は、肌がスベスベして気持ちが大変いいのである。
 心配なのは天気だ。
 初日は、事前の天気予報では、雨天だったが、一度も傘を差さずに済み、「晴れ男」の面目が保たれた。
 ただ、翌日09日(日)の午前中は雨天という天気予報だったので、何とか雨降りにならないようにと祈り乍ら床に就いた。
■04月11日の昼休み、小生の勤務先の直ぐ近くにある中部ガス名豊galleryにて開催されている、名豊ビル 最終企画展『戦後から現代へ「東三河の絵師たち」』展を見て来た。
 図録や post card が販売されていないので、展示作品を個々にご紹介できないが、展示作品一覧と企画展案内のはがきを添付する。
 我等が母校時習館高校の美術教諭だったお二人、冨安昌也『研究室の一隅』1948年と朝倉勝治『朝の市場』1990年 の2点を久しぶりに拝見したが、矢張り素晴らしい作品だった。
[46]本展展示作品一覧
                  
[47]本企画展案内用葉書

【後記】いつもこの『清明』から『穀雨』の時節は菜種梅雨とも言われ雨が多い。
この時期、『春暁』と言うと、それを「詩題」にした孟浩然(689-740)の漢詩と、「季語」として夜明け前に庭木の葉に当たる雨音を聞いて詠んだ日野草城(1901-56)の次の名句が思い浮かぶ
春暁や ひとこそ知らね 木々の雨  日野草城
【意】春の早朝、目覚めた床で耳を澄ますと、外は雨の様だ / 自分は微かな雨音を聞いている‥ / 雨が降って来たことを、きっとまだ誰も気付かず眠っているに違いない
 春眠不覚曉
 處處聞啼鳥
 夜来風雨声
 花落知多少
 春眠(しゅんみん)暁(あかつき)を覚えず
 処処(しょしょ)啼鳥(ていちょう)を聞く
 夜来(やらい)風雨の声
 花落つること 知る多少
【意】春の眠りは心地がよく、夜が明けるのも気づかない
彼方此方で小鳥たちの囀りが聞こえて来る
 そう言えば、昨夜は夜通し風雨の音が激しかった
 美しく咲いていた花々もいったいどれ位散ったことだろう?
【小生comment】
『春暁』を読む孟浩然の漢詩と日野草城の俳句、どちらも味があるいい作品である。
 此処で、『春暁』を題材に拙句を詠んでみた‥
【前書】春の夜明けが齎す庭先の風景は、日々、一度として同じであったためしがない
 そして、その風景は全て自然の摂理に従った結果齎されたものなのである
  春暁が 日々織り成すは 自然の理  悟空
【追伸】勤務先のビルの1回通用口の軒先に毎年のことであるが、ツバメが巣作りに遣って来た。
 写真は、04月12日(水)夕刻の snap shots である。
 守衛さんに訊いたら、「昨日迄は一羽だったけど、今朝から二羽になってるヨ」と言っていた。
 二世のツバメたちがいつ頃生まれるのか楽しみだ。
  軒先で 相棒を待つ 燕かな  悟空
[48]防犯カメラの傘の上でpartnerを待つツバメ1
                  
[49]同上2

 お粗末さま‥(^^;;

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