今日最初の話題は、先日から再開した『猿蓑』〔巻之四〕『春』の〔第5回〕目をお届けする。
今回は、巻之四『春』の、発句全118句のうち第51句~62句についてである。
では、どうぞ‥
【 松尾芭蕉『猿蓑』〔巻之四〕『春』〔第5回〕】
露沾公にて「餘寒」の當座〔‥つづき‥〕
51 かげろふや土もこなさぬあらおこし(注1) 百歳
(注1)あらおこし:荒起(おこ)し/水田の土を大雑把に掘り起こすこと
52 かげろふやほろほろ落る岸の砂 土芳
【意】川岸の土手の砂から陽炎が立ち上っている‥すると、その土手の砂がホロホロと川面に落ちていく/此れも春の一情景‥
【解説】川岸から立ち上る陽炎を見ていたら川面にホロホロと落ちていく‥その一瞬の出来事から春到来の機微を逃さず句に詠んだ土芳の観察眼は鋭い
53 いとゆふのいとあそぶ也(なり)虚木立(からきだて) 伊賀氷固
【意】陽炎が、空木建ての垂木の間からゆらゆらと立ち上っている/これも又春到来を表す一情景だ
【解説】「いとあそぶ也」は「糸遊ぶなり」と字面(じづら)の戯れを兼ね「いと能(よ)く遊び揺らぐ」と実景を詠んだもの
(注1)いとゆふ:「糸遊」/「陽炎」の別名とも‥
(注2)虚木立:空木建/柱を立て桁組だけした新築家屋の状態のこと
54 野馬(かげろふ)に子共(こども)あそばす狐(きつね)哉(かな) 凡兆
【意】陽炎の揺らぎ立つ野原の中で、子狐たちが母狐の周りで遊んでいる/あぁ、なんと長閑な春の情景であることだ
【解説】「野馬」を「かげろふ」「いとゆふ」のいずれで詠み下すか明言されていないが、此処では「かげろふ」とした
55 かげりふや柴胡(さいこ)の糸の薄曇(うすぐもり) 芭蕉
【意】薄霞がこめた野原に陽炎がゆらゆらと立っている/其処では翁草が白い綿毛をそよ風に揺られている/のどかな春の一情景だ‥
【解説】本作品は、元禄03年 芭蕉伊賀滞在中の作/柴胡は、日当たりの良い山地に自生する多年草/
春に暗赤紫色の花が咲き、花のあとに出来る痩果という果実が白髪の頭に見えるので翁草とついた/
芭蕉は、この白い綿毛を「柴胡の糸」と詠んだ/『芭蕉句選』では「柴胡の原」とする
(注1) 柴胡(さいこ):別名 翁草(おきなぐさ)/セリ科/根が漢方生薬/
サポニンを含んだ根を乾燥させ解熱剤に用いられた/元禄の時代は諸国で栽培されていた
56 いとゆふに貌(かほ)引(ひ)きのばせ作(つく)リ獨活(うど)(注1) 伊賀配力
【意】「作り独活(うど)」をつくるには、陽炎の立つ此の春の日が最適だ
【解説】「貌(かほ)引(ひ)きのばせ」は「貌」は「顔を引き延ばせ」ではなく「香(かほり)を引き延ばせ」と書写する際誤記したという(「評釈/猿蓑」幸田露伴)
(注1)作り独活(うど):独活にコモなどをかぶせて保温して白い萌し(モヤシ)の様な芽を出させてから、土を盛り上げてかけて美味しい部分を長く作るという技術
57 狗脊(ぜんまい)の塵(ちり)にゑらるゝわらびかな 嵐雪
【意】ゼンマイの中にワラビが混じったら塵だとして選り分けられて仕舞うヨ
【解説】「蕨(わらび)を摘(つみ)取(とり)にぜんまいを除きて摘(つむ)なれば、その実意を句作りて蕨を摘(つむ)には、ぜんまいは塵にゑ(=擇(え))り出さるると云意にて云々」(猿蓑さがし)
即ち、ぜんまいが蕨の中から塵として擇り出される意/
此の句は、『嵯峨日記』四月廿二日の条に
出替(でがは)りや稚(をさな)ごゝろに物哀(ものあはれ)
其外(そのほか)の文共(ふみども)、哀(あはれ)なる事(こと)、なつかしき事(こと)のみ多(おほ)し」
58 彼岸(ひがん)まへさむさも一夜(ひとよ)二夜(ふたよ)哉(かな) 路通
【意】春彼岸の前の頃にはすっかり春めいて来る/一晩、二晩経つ度に暖かくなることだヨ
【解説】此の句は文字通りの句と言っていい/「暑さ寒さも彼岸まで」の諺に倣う/
俳諧では、「彼岸」と言えば「春の彼岸」をいう
59 みのむしや常(つね)のなりにて涅槃像(ねはんぞう) 野水
【意】釈迦の涅槃像の絵に登場する鳥獣蟲は皆嘆き悲しんでいるが、蓑虫だけは平然と木の枝にぶら下がっている/此れこそが涅槃の境地なのか‥
【解説】―
60 藏(くら)並(なら)ぶ裏(うら)は燕(つばめ)のかよひ道(みち) 凡兆
【意】整然と蔵の建ち並んでいる蔵通り/その裏通りは燕(ツバメ)が飛び交う道(=通り)となっている
【解説】―
61 立(たち)さは(=わ)ぐ今(いま)や紀(き)の雁(かり)伊勢(いせ)の雁(かり) 伊賀沢雉
【意】伊賀の大空を一斉に北へ向かう雁の群れが見える/今行く群れは紀州の雁、そして次の一群は伊勢の雁だ
【解説】帰雁の句で「春季」
62 春雨(はるさめ)や屋(や)ねの小草(おぐさ)に花(はな)咲(さき)ぬ 嵐虎(注1)
【意】しっとり柔らかく春雨が降っている/屋根の上には名も知らぬ小さな草が花を咲かせている
【解説】―
(注1)嵐虎:詳細不詳
【小生comment】
猿蓑「巻之四/春」を詠んでいると、今から330年程昔の日本の「春」の様々な潤いを持った趣ある情景を詠んだ句に出会えるから楽しい。
我々が住む現代も、温かな春はもうすぐ其処だ!
■続いての話題は、去る03月03日(土)に、車で奈良市へ行って来て、「入江泰吉旧居」→「東大寺/転害(てがい)門」→「正倉院」→「奈良県立美術館」→「興福寺/国宝館」→「奈良国立博物館」→「東大寺/二月堂《修二会》」を見て来たので、それ等の模様についてご報告する。
今回の主目的は、東大寺二月堂のお水取り〔修二会〕を見ることだ。
3月3日(土)は、以下の行程で巡って来た。
08:15 拙宅発→〔豊川IC→東名→新名神→京滋バイパス→京奈和自動車道 木津IC〕→
11:45 奈良登大路駐車場着→〔徒歩 200m〕→
11:50 そば処 喜多原 着
[01]そば処「喜多原」外観
12:24 同所発→〔徒歩 隣地〕→
12:25 入江泰吉旧居 着
[04]入江泰吉旧居 入口の格子戸前にて
谿聲便是広長舌
山色豈非清浄身
夜来八萬四千偈
他日如何人挙似
夜来(やらい)八万(はちまん)四千(しせん)の偈(げ)
他日(たじつ)如何(いかん)が人(ひと)に挙似(こじ)せん
【意】広長舌とは三十ニの瑞相の一つ
絶え間なく谷川が流れる音が聞こえて来る
山の青々とした森羅万象の全てが清浄なる仏身であり説法である。
昨夜からずっと如来の無限なる説法を拝聴している
此の素晴らしい感動をいつどの様に伝えようか、筆舌し難いことだ
[07]入江泰吉氏の写真の横で
※ 入江泰吉氏撮影の写真7枚
13:05 入江泰吉旧居発→〔徒歩
600m〕→
13:17 東大寺 転害門 着
13:40 同所発→〔徒歩 150m〕→
13:45 正倉院 着
13:50 同所発→〔徒歩 800m〕→
14:05 奈良県立美術館 着
[32]奈良県立美術館入口付近にて
14:07 赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器‥『悠久の美と技』展
15:00 奈良県立美術館 発→〔徒歩 300m〕→
15:05 興福寺 着
[34]興福寺五重塔前にて
15:07 五重塔
15:15 国宝館
15:40 興福寺 発→〔徒歩 400m〕→
15:50 奈良国立博物館 着
15:53 特別陳列 お水取り 展
17:20 同所発→〔徒歩 50m〕→
17:25 夕食
17:40 東大寺 南大門 金剛力士像
[40]東大寺南大門・金剛力士像「阿形」前にて
20時00分 奈良登大路駐車場発→〔225㎞/木津IC→京奈和→京滋バイパス→新名神→東名→音羽蒲郡IC〕→
22時45分 帰宅
今年は03月12日に予定されている、松明が10本から11本に増える「籠松明」を、いつの日か是非とも見たくなった。
三国志の英雄、諸葛亮(孔明)について杜甫が詠んだ七言律詩「蜀相」だ。
丞相祠堂何處尋
錦官城外柏森森
映堦碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻煩天下計
兩朝開濟老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙滿襟
堦(かい)に映ずるの碧草(へきそう) 自(おのず)から 春色(しゅんしょく)
葉を隔(へだ)つるの黄鸝(こうり)空(むな)しく好音(こういん)
三顧(さんこ)頻煩(ひんぱん)なり 天下の計(けい)
兩朝(りょうちょう)開濟(かいさい)す 老臣の心
出師(すいし) 未(いま)だ 捷(か)たざるに 身(み) 先(ま)づ 死し
長(とこし)へに英雄をして 涙(なみだ) 襟(えり)に滿たしむ
階(きざはし)に映える草の緑は春の色合いを醸し出している
梢の間では、隠れて見えない鶯(=黄鸝)が美しい鳴き声で囀っている
(諸葛亮は) 三顧の礼を尽くした蜀の劉備に対し孔明は「天下三分の計」を示し
劉備と劉禅の二代に亘り老いても猶両君に仕えたのだ
(彼は) 魏に対し北伐軍を起こしたものの戦いに勝つ前に病に倒れ果てた
此の孔明の生き様は、後世の英雄達の涙を誘ったのである
【小生comment】
この作品は、玄宗の次の皇帝粛宗の時代の上元元(860)年の春、杜甫49歳の作とされる。
人間の真心の美しさを理解して、中国統一という劉備玄徳の目指す目的へ献身的に尽力した諸葛孔明を杜甫は心から敬愛していた。
そんな杜甫に最近凄く共感する。
今回は、巻之四『春』の、発句全118句のうち第51句~62句についてである。
では、どうぞ‥
【 松尾芭蕉『猿蓑』〔巻之四〕『春』〔第5回〕】
猿蓑集 巻之四
露沾公にて「餘寒」の當座〔‥つづき‥〕
51 かげろふや土もこなさぬあらおこし(注1) 百歳
【意】荒く耕した土の塊(かたまり)の間から陽炎が立ち昇っている/愈々農作業が始まる/春の到来だ
【解説】大塊の土の間より陽炎が立っている実景を詠む/その情景、即ち春行う農作業から春到来を告げている(注1)あらおこし:荒起(おこ)し/水田の土を大雑把に掘り起こすこと
52 かげろふやほろほろ落る岸の砂 土芳
【意】川岸の土手の砂から陽炎が立ち上っている‥すると、その土手の砂がホロホロと川面に落ちていく/此れも春の一情景‥
【解説】川岸から立ち上る陽炎を見ていたら川面にホロホロと落ちていく‥その一瞬の出来事から春到来の機微を逃さず句に詠んだ土芳の観察眼は鋭い
53 いとゆふのいとあそぶ也(なり)虚木立(からきだて) 伊賀氷固
【意】陽炎が、空木建ての垂木の間からゆらゆらと立ち上っている/これも又春到来を表す一情景だ
【解説】「いとあそぶ也」は「糸遊ぶなり」と字面(じづら)の戯れを兼ね「いと能(よ)く遊び揺らぐ」と実景を詠んだもの
(注1)いとゆふ:「糸遊」/「陽炎」の別名とも‥
(注2)虚木立:空木建/柱を立て桁組だけした新築家屋の状態のこと
54 野馬(かげろふ)に子共(こども)あそばす狐(きつね)哉(かな) 凡兆
【意】陽炎の揺らぎ立つ野原の中で、子狐たちが母狐の周りで遊んでいる/あぁ、なんと長閑な春の情景であることだ
【解説】「野馬」を「かげろふ」「いとゆふ」のいずれで詠み下すか明言されていないが、此処では「かげろふ」とした
55 かげりふや柴胡(さいこ)の糸の薄曇(うすぐもり) 芭蕉
【意】薄霞がこめた野原に陽炎がゆらゆらと立っている/其処では翁草が白い綿毛をそよ風に揺られている/のどかな春の一情景だ‥
【解説】本作品は、元禄03年 芭蕉伊賀滞在中の作/柴胡は、日当たりの良い山地に自生する多年草/
春に暗赤紫色の花が咲き、花のあとに出来る痩果という果実が白髪の頭に見えるので翁草とついた/
芭蕉は、この白い綿毛を「柴胡の糸」と詠んだ/『芭蕉句選』では「柴胡の原」とする
(注1) 柴胡(さいこ):別名 翁草(おきなぐさ)/セリ科/根が漢方生薬/
サポニンを含んだ根を乾燥させ解熱剤に用いられた/元禄の時代は諸国で栽培されていた
56 いとゆふに貌(かほ)引(ひ)きのばせ作(つく)リ獨活(うど)(注1) 伊賀配力
【意】「作り独活(うど)」をつくるには、陽炎の立つ此の春の日が最適だ
【解説】「貌(かほ)引(ひ)きのばせ」は「貌」は「顔を引き延ばせ」ではなく「香(かほり)を引き延ばせ」と書写する際誤記したという(「評釈/猿蓑」幸田露伴)
(注1)作り独活(うど):独活にコモなどをかぶせて保温して白い萌し(モヤシ)の様な芽を出させてから、土を盛り上げてかけて美味しい部分を長く作るという技術
57 狗脊(ぜんまい)の塵(ちり)にゑらるゝわらびかな 嵐雪
【意】ゼンマイの中にワラビが混じったら塵だとして選り分けられて仕舞うヨ
【解説】「蕨(わらび)を摘(つみ)取(とり)にぜんまいを除きて摘(つむ)なれば、その実意を句作りて蕨を摘(つむ)には、ぜんまいは塵にゑ(=擇(え))り出さるると云意にて云々」(猿蓑さがし)
即ち、ぜんまいが蕨の中から塵として擇り出される意/
此の句は、『嵯峨日記』四月廿二日の条に
「嵐雪が文に、
狗脊(ぜんまい)の塵(ちり)にえらるゝ蕨哉出替(でがは)りや稚(をさな)ごゝろに物哀(ものあはれ)
其外(そのほか)の文共(ふみども)、哀(あはれ)なる事(こと)、なつかしき事(こと)のみ多(おほ)し」
と、「45 出替(でがは)りや幼(をさな)ごゝろに物(もの)あはれ」と共に掲載されている
猶、幸田露伴も「此句はわらびの句なり」(「評釈/猿蓑」)と述べている58 彼岸(ひがん)まへさむさも一夜(ひとよ)二夜(ふたよ)哉(かな) 路通
【意】春彼岸の前の頃にはすっかり春めいて来る/一晩、二晩経つ度に暖かくなることだヨ
【解説】此の句は文字通りの句と言っていい/「暑さ寒さも彼岸まで」の諺に倣う/
俳諧では、「彼岸」と言えば「春の彼岸」をいう
59 みのむしや常(つね)のなりにて涅槃像(ねはんぞう) 野水
【意】釈迦の涅槃像の絵に登場する鳥獣蟲は皆嘆き悲しんでいるが、蓑虫だけは平然と木の枝にぶら下がっている/此れこそが涅槃の境地なのか‥
【解説】―
60 藏(くら)並(なら)ぶ裏(うら)は燕(つばめ)のかよひ道(みち) 凡兆
【意】整然と蔵の建ち並んでいる蔵通り/その裏通りは燕(ツバメ)が飛び交う道(=通り)となっている
【解説】―
61 立(たち)さは(=わ)ぐ今(いま)や紀(き)の雁(かり)伊勢(いせ)の雁(かり) 伊賀沢雉
【意】伊賀の大空を一斉に北へ向かう雁の群れが見える/今行く群れは紀州の雁、そして次の一群は伊勢の雁だ
【解説】帰雁の句で「春季」
62 春雨(はるさめ)や屋(や)ねの小草(おぐさ)に花(はな)咲(さき)ぬ 嵐虎(注1)
【意】しっとり柔らかく春雨が降っている/屋根の上には名も知らぬ小さな草が花を咲かせている
【解説】―
(注1)嵐虎:詳細不詳
【小生comment】
猿蓑「巻之四/春」を詠んでいると、今から330年程昔の日本の「春」の様々な潤いを持った趣ある情景を詠んだ句に出会えるから楽しい。
我々が住む現代も、温かな春はもうすぐ其処だ!
■続いての話題は、去る03月03日(土)に、車で奈良市へ行って来て、「入江泰吉旧居」→「東大寺/転害(てがい)門」→「正倉院」→「奈良県立美術館」→「興福寺/国宝館」→「奈良国立博物館」→「東大寺/二月堂《修二会》」を見て来たので、それ等の模様についてご報告する。
今回の主目的は、東大寺二月堂のお水取り〔修二会〕を見ることだ。
3月3日(土)は、以下の行程で巡って来た。
08:15 拙宅発→〔豊川IC→東名→新名神→京滋バイパス→京奈和自動車道 木津IC〕→
11:45 奈良登大路駐車場着→〔徒歩 200m〕→
11:50 そば処 喜多原 着
[01]そば処「喜多原」外観
ご覧の通り「喜多原」は並んで待っている人がいる程の人気ある店だった
[02]昼食の「とろろ蕎麦」
[03]そば処「喜多原」にて
12:25 入江泰吉旧居 着
[04]入江泰吉旧居 入口の格子戸前にて
[05]品格ある 違棚(左)
& 床間(右)
[06]床間の掛軸の書 蘇東坡『山色清浄身』は入江泰吉氏自身に拠る
山色豈非清浄身
夜来八萬四千偈
他日如何人挙似
渓声(けいせい)便(すなわ)ち是れ広長舌(こうちょうぜつ)
山色(さんしき) 豈(あ)に清浄(しょうじょう)身(み)にあらざらむや夜来(やらい)八万(はちまん)四千(しせん)の偈(げ)
他日(たじつ)如何(いかん)が人(ひと)に挙似(こじ)せん
【意】広長舌とは三十ニの瑞相の一つ
絶え間なく谷川が流れる音が聞こえて来る
山の青々とした森羅万象の全てが清浄なる仏身であり説法である。
昨夜からずっと如来の無限なる説法を拝聴している
此の素晴らしい感動をいつどの様に伝えようか、筆舌し難いことだ
[07]入江泰吉氏の写真の横で
[08]名筆家で知られる入江泰吉氏の奥様の書
[09]茶室の床間に飾られた 侘助
[10]杉本健吉画伯(右)と
[11]入江泰吉氏の書斎
[12]廊下の天井
入江泰吉旧居は、興福寺の塔頭を移築したものだという
[13]入江泰吉旧居内部の応接間 / 此の旧居は、公開開始後 3年経った処だそうだ
[14]薬師寺の白虎 拓本
[15]入江泰吉旧居 母屋 から 中庭 を挟み 暗室 を望む
[16]入江泰吉氏の暗室1
[17]同上2
[18]興福寺 阿修羅像
[19]寒牡丹 石光寺
[20]飛鳥 八釣の里
[21]東大寺僧坊跡 晩秋
[22]喜光寺 落陽
[23]斑鳩 西里柿の秋
[24]水に映る東塔〔薬師寺〕
13:17 東大寺 転害門 着
[25]東大寺転害門前にて
[26]転害門脇に建てられていた 謡曲『大仏供養』と転害門 解説
[27]転害門に掛けられていた標縄
[28]東大寺転害門(境内側)前にて
13:45 正倉院 着
[29]正倉院外観
[30]正倉院 説明看板
[31]正倉院周辺での風景
14:05 奈良県立美術館 着
[32]奈良県立美術館入口付近にて
[33]本企画展『赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器/悠久の美と技』leaflet
15:00 奈良県立美術館 発→〔徒歩 300m〕→
15:05 興福寺 着
[34]興福寺五重塔前にて
[35]阿修羅像
15:15 国宝館
15:40 興福寺 発→〔徒歩 400m〕→
15:50 奈良国立博物館 着
[36]奈良国立博物館前にて
[37]同館入口前にて
[38]東大寺・修二会 schedule表
17:20 同所発→〔徒歩 50m〕→
17:25 夕食
[39]夕食「季節の葛入り生パスタ」
[40]東大寺南大門・金剛力士像「阿形」前にて
[41]同・同「吽形」
[42]東大寺・二月堂 参詣道入口
[43]東大寺・二月堂/お松明開始(19時00分) 1時間前の情景
[44]同/10本あるお松明のうちの7 or 8番目(19時24~25分)の模様全17枚
17-01
22時45分 帰宅
【小生comment】
生まれて初めて東大寺・二月堂「修二会/お松明」を見ることが出来て嬉しかった。今年は03月12日に予定されている、松明が10本から11本に増える「籠松明」を、いつの日か是非とも見たくなった。
【後記】最近、盛唐の詩人杜甫の漢詩を読んでいる。
その中から気に入った作品を一つご紹介したい。三国志の英雄、諸葛亮(孔明)について杜甫が詠んだ七言律詩「蜀相」だ。
蜀相
丞相祠堂何處尋
錦官城外柏森森
映堦碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻煩天下計
兩朝開濟老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙滿襟
丞相(じょうしょう)の
祠堂(しどう) 何處(いずれのところ)にか尋ねん
錦官(きんかん)城外
柏(はく)森森(しんしん)堦(かい)に映ずるの碧草(へきそう) 自(おのず)から 春色(しゅんしょく)
葉を隔(へだ)つるの黄鸝(こうり)空(むな)しく好音(こういん)
三顧(さんこ)頻煩(ひんぱん)なり 天下の計(けい)
兩朝(りょうちょう)開濟(かいさい)す 老臣の心
出師(すいし) 未(いま)だ 捷(か)たざるに 身(み) 先(ま)づ 死し
長(とこし)へに英雄をして 涙(なみだ) 襟(えり)に滿たしむ
【意】蜀の丞相(=諸葛亮孔明)を祀った祠(ほこら)は何処にあるかというと
成都(錦官城)の郊外
柏が鬱蒼と茂っている辺りだ階(きざはし)に映える草の緑は春の色合いを醸し出している
梢の間では、隠れて見えない鶯(=黄鸝)が美しい鳴き声で囀っている
(諸葛亮は) 三顧の礼を尽くした蜀の劉備に対し孔明は「天下三分の計」を示し
劉備と劉禅の二代に亘り老いても猶両君に仕えたのだ
(彼は) 魏に対し北伐軍を起こしたものの戦いに勝つ前に病に倒れ果てた
此の孔明の生き様は、後世の英雄達の涙を誘ったのである
【小生comment】
この作品は、玄宗の次の皇帝粛宗の時代の上元元(860)年の春、杜甫49歳の作とされる。
人間の真心の美しさを理解して、中国統一という劉備玄徳の目指す目的へ献身的に尽力した諸葛孔明を杜甫は心から敬愛していた。
そんな杜甫に最近凄く共感する。
※ ※ ※ ※ ※
今度の土日は又予定が入っているので、一寸早いが今日配信させて頂いた。
03月11日(日)は、お城の会 日帰りbus旅行である。
その模様は又次号の《会報》にてお伝えする予定である。お楽しみに!
では、また‥〔了〕
*
今度の土日は又予定が入っているので、一寸早いが今日配信させて頂いた。
03月11日(日)は、お城の会 日帰りbus旅行である。
その模様は又次号の《会報》にてお伝えする予定である。お楽しみに!
では、また‥〔了〕
*
【0627】号~【0694】号は【時習26回3-7の会PART2】 URL:http://si8864.blogspot.jp/ ←此処をclickしてご覧下さい *
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