2019年5月12日日曜日

【時習26回3-7の会 0756】~「松尾芭蕉:俳諧七部集『冬の日』から〔第12回〕」「04月27日:メナード美術館『シャガール・マティス・ルオー/3人の画家の版画集展』→『らあめん 陣屋』→徳川美術館『徳川将軍ゆかりの名刀/雅を伝える=宮廷と文化=展』→名古屋市美術館『世界に誇る吉野石膏collection/印象派からその先へ展』→愛知県芸術劇場concert hall『五嶋みどりViolin独奏&ヤルヴィ指揮エストニア祝祭管弦楽団演奏会』を見て聴いて」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回3-7の会 0756】号をお届けします。 先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第12回/121句~132句〕をお届けする。

  なに波津(はづ)にあし火()燒家(たくや)はすゝけたれど                     重五

121 門守(かどもり)の翁(おきな)に帋子(かみこ)かりて寝()る  重五
 
【意】流浪の旅の途上、ある屋敷の門前で、門番の老人に情(なさけ)をかけられて一夜の宿を提供して貰った / しかし、火の用心の為火燵には火の気もない / 紙子を着て一夜を明かす
【解説】初裏七 / 季語:帋子=冬 / 雑 /
 
122  血刀(ちがたな)かくす月の暗(くら)きに  荷兮
 
【意】其の夜は月の光も薄暗い / 人を切った侍が、血刀を隠し持って遣って来た / 其の侍は門番の翁に事情を隠して一夜の宿を借りたのだった
【解説】初裏八 / 季語:=冬 /
 
123 (きり)()りて本郷(ほんがう)(1)の鐘(かね)(なな)つきく  杜國
 
【意】霧深く立ちこめる本郷辺り / 夜明けを告げる七つの鐘が聞こえて来る /
【解説】初裏九 / 季語:霧=秋 / 前句迄人事の話が続いた為、叙景に転じ乍ら前句の時刻と場所を特定した
(1)本郷:加賀藩の江戸屋敷等武家屋敷や寺院があった
 
124  ふゆまつ納豆(なとう)たゝくなるべし  野水
 
【意】其の本郷辺ろの寺院では小坊主等が起き出して、冬を迎える準備の為納豆切りをしている /
 納豆を叩き粉砕して味噌汁等にするのが当時の寺院での常食でもあった
【解説】初裏十 / 季語:ふゆまつ=冬 /
 
125 はなに泣(なき)(さくら)の黴(かび)とすてにける  芭蕉
 
【意】昔は花を賞()で散る花を惜しみ涙することもあったが、今では桜花も桜木に付いた黴(かび)程度のものとしか思わなくなった /
 悟道の心境を詠んだ世捨て人とした
【解説】初裏十一 / 季語:はな=春 /
 
126  僧(そう)ものいはず款冬(くわんどう)(1)を呑(のむ)  羽笠
 
【意】此の悟道の老僧は、他言を慎みしずかに款冬を飲むばかりである
【解説】初裏十二 / 季語:款冬=春 /
(1)款冬:フキノトウ(蕗の薹) / 当時は咳止めの薬草とした /
 
127 白燕(しろつばめ)(にご)らぬ水に羽()を洗(あら)ひ  荷兮
 
【意】庭前の清流では、白燕が羽を洗っている / 白燕は瑞兆だが悟道の僧は気持ちを動ぜずしずかに款冬を飲んでいる / 高遠な境地を詠む
【解説】名残表一 / 季語:燕=春 /
 
128  宣旨(せんじ)かしこく釵(かんざし)を鑄()る  重五
 
【意】中国では古来、白燕は、貴美人の誕生の瑞兆とされた / 其処で皇帝は金の簪(かんざし)を鋳造させたという
【解説】名残表二 / 雑 /
 
129 八十年(やそとせ)を三()つ見る童(わらは)(はは)もちて  野水
 
【意】七十歳を越え八十路を臨み3年目(73)の子供には母がいる
【解説】名残表三 / 雑 /

130  なかだちそむる七夕(たなばた)のつま  杜國

【意】此の孝行息子の徳は天帝にめでられ、天の川の織女を妻としたという
【解説】名残表四 / 季語:七夕=秋 /
 
131 西南(せいなん)に桂(かつら)のはなのつぼむとき  羽笠
 
【意】西南の空に七日の月が浮かぶ夜、牽牛と織女の両星は年に一度の逢瀬を楽しんでいる
【解説】名残表五 / 季語:桂のはな=秋 /「桂のはな」は月のこと
 
132  蘭(らん)のあぶらに〆木(しめき)(1)うつ音(おと)  芭蕉

【意】蘭を搾って香油を採る為の槌の音が高く響く /「蘭薫桂馥(らんくんけいふく)」は「蘭」と「桂」は香気を並び称されることから、子孫が繁栄することの譬え /
【解説】名残表六 / 季語:蘭=秋 /
(1)〆木:油を搾る為に楔型の〆木を槌で叩いて打ち込む
 
【小生comment
 次回は『冬の日』の〔第13回〕133句~144句をお届けする。お楽しみに!
 
■続いての話題は、0427()に名古屋の愛知県芸術劇場concert hall にて開催されたヤルヴィ指揮エストニア祝祭管弦楽団演奏会を聴いて来た時のこと。
 そのついでに、メナード美術館(小牧市)、徳川美術館(名古屋市東区)、名古屋市美術館(名古屋市中区)3つの美術館の企画展を見て来たので、其れ等の模様についてお伝えする。
 其の日は、0520分起床。

0525  腹筋2,000
0615  2.5kg木刀の素振り60
0715  入浴・朝食
0845  拙宅発→自転車→
0910  豊橋駅 concourse
 
[01]豊橋駅 concourse にあった 砥鹿神社「流鏑馬」像

[02]同上横にて
                  

0941  豊橋発→新幹線こだま635号→
1009  名古屋着→中央線→金山→地下鉄名城線外回り→平安通→名鉄小牧線→
1115  名鉄小牧着→徒歩15分→
1130  メナード美術館着

[03]メナード美術館前にて1

[04]同上2
                  
[05]同上3

[06]同上4
                  

【メナード美術館『シャガール・マティス・ルオー/3人の画家の版画集』展】
 
[07]メナード美術館本企画展 leaflet()

[08]同上()
                  
[09]シャガール『石版画集 ダフニスとクロエ〜ニンフたちの洞穴』1996

[10]同『同 同〜真昼 夏』1996
                  
[11]マティス『Livre Jazz1947

[12]ルオー『聖なる顔』1933
                  

1153  メナード美術館発→徒歩15分→
1214  名鉄小牧発→
1231  平安通着→徒歩24分→

[13]街路に咲いていた藤の花1

[14]同上2
                  

1255  らあめん 陣屋
 
[15]オズモールの風景

[16]らあめん 陣屋 入口にて1
                  
[17]同上2

[18]小生の超定番 味噌チャーシュー麺
                  

1317  らあめん 陣屋発→徒歩12分→
1329  徳川美術館着
 
[19]徳川美術館 黒門前にて1

[20]同上2
                  
[21]同上3


【徳川美術館『徳川将軍ゆかりの名刀/雅を伝える-宮廷と文化-』展】
 
[22]本企画展看板前にて
                  
[23]館内本企画展掲示板横にて1

[24]同上2
                  
[25]徳川美術館入口にて

[26]【国宝】太刀 銘 光忠
                  
[27]【国宝】太刀 銘 正恒

[28]【国宝】太刀 銘 長光
                  

1411  徳川美術館発→徒歩9分→
1420  山口町→名鉄路線バス→
1443  白川公園着→徒歩 5分→
 
[29]白川公園の樹々の新緑1

[30]同上2
                  

1450  名古屋市美術館着
 
【名古屋市美術館『世界に誇る吉野石膏コレクション/印象派からその先へ』展】
 
[31]本企画展看板前にて1

[32]同上2
                  
[33]同上3

[34]館内本企画展看板前にて
                  
[35]ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(仏:Jean-Baptiste Camille Corot 1796.07.17-1875.02.22)『浅瀬を渡る山羊使い、イタリアの想い出』1872年頃

[36]クロード・モネ(仏:Claude Monet 1840.11.14-1926.12.05)『サン=ジェルマンの森の中で』1882

                  
[37]アルフレッド・シスレー(英:Alfred Sisley 1839.10.30-1899.01.29)『ロワン川沿いの小屋、夕べ』1896

[38]ピエール=オーギュスト(オギュスト)・ルノワール(仏:Pierre-Auguste Renoir 1841.02.25-1919.12.03)『桃のある静物』1871
                  
[39]同『シュザンヌ・アダン嬢の肖像』1887

[40]フィンセント・ファン・ゴッホ(蘭:Vincent Willem van Gogh 1853.03.30-1890.07.29)『静物、白い花瓶のバラ』1886
                  
[41]ジョルジュ・ルオー(仏:Georges Rouault 1871.05.27-1958.02.13)『聖なる顔』1939

[42]ピエール・ボナール(仏:Pierre Bonnard 1867.10.03-947.01.23)『靴下をはく若い女』1908-10
                  
[43]アルベール・マルケ(仏:Albert Marquet 1875.03.26-1947.06.13)『ロル・ボワーズ』政策年不詳

[44]モーリス(モリス)・ド・ヴラマンク(仏:Maurice de Vlaminck 1876.04.04-1958.10.11)『セーヌ河の岸辺』1906年頃
                  
[45]パブロ・ピカソ(西:Pablo Picasso 1881.10.25-1973.04.08)『帽子を被った女』1939

[46]ワシリー・カンディンスキー(露:Wassily Kandinsky 1866.12.04-1944.12.13)『結びつける縁』1926
                  
[47]モイズ・キスリング(波蘭:Moïse Kisling 1891.01.22-1953.04.29)『背中を向けた裸婦』1949

[48]マルク・シャガール(Marc Chagall 1887.07.07-1985.03.28)『サント=シャペル』1953
                  

1523  名古屋市美術館発→徒歩32分→
 
【愛知県芸術劇場 concert hallViolinist 五嶋みどり & ヤルヴィ指揮エストニア祝祭管弦楽団 演奏会』】
 
[49]名古屋国際音楽祭の看板

[50]本演奏会leaflet()
                  
[51]同上()

[52]愛知県芸術劇場concert hall 入口にて
                  
[53]本演奏会 program ticket

[54]foyerにて
                  
[55]開演前の concert 会場1

[56]開演前に、指揮者ヤルヴィとViolinist 五嶋みどり の対談が行われていた
                  
[57]開演前の concert 会場2


 演奏曲目は以下の通り。
 
[1]J. Sibelius : Symphonic poem Finlandia, Op.26
[2]A. Part : Cantus in memoriam of Benjyamin Britten (ペルト : ベンジャミン・ブリテンへの哀悼歌)
[3]S. Prokofiev : Violin Concerto No.1 in D Major, Op.19
[encore]J. S. Bach : 無伴奏Violin Partita No.2 Sarabande
 
〔休憩20分〕
 
[58]休憩で旧行時代の同期生の佐藤君と一緒に wine で乾杯!
                  

[4]P. I. Tchaikovsky : Symphony No.5 in e minor, Op.64
[encore]J. Sibelius : 悲しいワルツ
 
 今日の選曲と演奏は最高だった。
 五嶋みどりの Violin 独奏に拠る プロコフィエフの Violin Concerto No.1 は素晴らしい演奏だった。
 座席は 1F 214番だった。
 丁度指揮台の左側の真後ろに当たる。

[59]演奏会終了後に座席から指揮台を望む


 演奏中の五嶋みどりとの距離は直線で 34mと直ぐ近くだったので彼女の演奏中の表情迄確り見ることが出来最高だった。
 Tchaikovsky : Symphony No.5 は、第1楽章〜終楽章の第4楽章迄、切れ目無く演奏されたのを聴いたのは今回の演奏が初めてだった。
 第3楽章と第4楽章間は切れ目無く演奏されるが、第1楽章〜第2楽章、第2楽章〜第3楽章は、休みがあるのが通常だ。
 NHK交響楽団の首席指揮者を始めドイツカンマーP.O.芸術監督、Frankfurt am Main 放送S.O.名誉指揮者、Cincinnati S.O.名誉音楽監督を兼ねているヤルヴィの指揮は素晴らしく、終楽章の演奏は圧巻で climax の行進曲の所に至っては身体中がゾクゾクして来て仕舞った。
 終演した瞬間、会場から大喝采の拍手と歓声が上がった。
 小生、これ程素晴らしい Tchaikovsky : Symphony No.5 を聴いたのは初めてだった!

[60]演奏会終了後、foyerにて佐藤君と1
                  
[61]同上2

[62]Encoreの曲目一覧の横にて
                  
[63]同上の佐藤君


1930  愛知県芸術劇場 concert hall 発→地下鉄東山線→名古屋駅へ
2000  名古屋駅西口前の居酒屋着
 
[64]居酒屋にて佐藤君と一献
                  

2059  名古屋発→新幹線こだま690号→
2124  豊橋着→自転車→
2150  帰宅〔了〕
 
【後記】今日は、以下の通り最近詠んだ拙句を名句と共にご紹介してお別れする。
 
2019年05月08日

【前書】一昨日(56)から『立夏』
 大樹と小鳥のさえずりと言えば、高浜虚子の娘の星野立子 (1903.01.15-1984.03.03)の此の名句が有名だ。

  囀りをこぼさじと抱く大樹かな  星野立子

【前書】新緑の繁みはトトロの杜を想起させる‥
 
  新緑のトトロの杜に風そよぐ  悟空

2019年05月05日

【前書】堂々とした山が田圃の水面に春の姿を映し出している

   行く春を水面に映し山笑ふ  悟空
 
2019年04月20日

【前書】十三夜は晩秋の季語だが、何故か春も艶かしく情緒があっていい
 
  解く帯にかすかなしめり十三夜  小川昭江

  ゆく春に 君を慕ふや 十三夜  悟空〔了〕

 では、また‥〔了〕

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