2019年5月6日月曜日

【時習26回3-7の会 0755】~「松尾芭蕉:俳諧七部集『冬の日』から〔第11回〕」「04月20日:『蒲郡市民会館/鈴木敦子~和 Modern Preserved Flowers 展』を見て」「04月21日:『二連木城址』を訪れて」「ドナルド・キーン著『ドナルド・キーンのオペラへようこそ』から」「05月03日:『のんほいパーク(豊橋市総合動植物公園)を孫たちと』訪れて」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回3-7の会 0755】号をお届けします。
 先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第11回/109句~120句〕をお届けする。

  なに波津(はづ)にあし火()燒家(たくや)はすゝけたれど

                     重五

109 炭賣のを(=)のがつまこそ黒からめ
 
【意】萬葉集に「葦火焚く屋の軒の端(つま)は煤けても我が妻(つま)はいつも美しいヨ」とあるが、炭焼さんよ、お前さん家()は、軒先もカミさんも真っ黒だろうナ
【解説】発句 / 季語:炭売=冬 / 恋=つま / 萬葉集「難波人葦火たく屋のすすたれどおのが妻こそとこめづらしき」(萬葉拾穂抄)(【意】葦火を焚く家の軒端は煤(すす)けて黒くなって仕舞ったが私の妻は今猶美しいヨ)を俳諧化して詠んだ

110  ひとの粧(よそ)ひを鏡(かがみ)磨寒(とぎさむ)  荷兮

【意】他人様(ひとさま)の化粧の為に使われる鏡を磨く職人さんよ、如何に商売繁盛とは言え、此の寒中の水仕事、片肌脱いで研いでおられるのはさぞや寒いことだろうナ
【解説】脇 / 季語:寒=冬 / 恋=(よそほ)ひ / 発句と脇句とが、炭売りと鏡磨きとの当意即妙の応酬になっている
 
111 花棘(はないばら)馬骨(ばこつ)の霜(しも)に咲(さき)かへり  杜國
 
【意】村はずれの馬捨て場 / 白々とした馬の白骨の脇に、野棘(のいばら)が時ならぬ花を白く咲かせている
【解説】第三 / 季語:霜・咲きかへり=冬 / 叙景に転じようとして、前句の寒酸悽愴の気味を受け荒涼たる風景と異様な花を出す /
 鏡の銀白色に対して、「花棘・馬骨・霜」いずれも白色で呼応させている
 
112 鶴(つる)()るまどの月かすかなり  野水
 
【意】窓外の遠景に明け方の有明の月に照らされた鶴がポツンと立っている姿が見える /
【解説】初表四 / 季語:月=秋 / 何とか軽く進めようとする四句目ぶりの工夫が窺える
 
113 かぜ吹(ふか)ぬ秋の日()(かめ)に酒なき日()  芭蕉
 
【意】風もない穏やかな晩秋の小春日和の日 / 貯えた酒瓶も底をついた / 無聊(ぶりょう)に唯々鶴を見ているだけだ
【解説】初表五 / 季語:秋の日=秋 / 前句の人物を中国の隠君子と見立てて付けた句
 
114  荻(をぎ)()るかさを市(いち)に振(ふり)する  羽笠
 
【意】初表六 / 季語:萩=秋 /
【解説】荻で編んだ笠を荷って、市中に出て振り売りをする人物 / 前句の脱俗の隠君子から、酒がなくなれば街に出て笠売りする翁に転じた /
 
115 加茂川(かもがは)や胡磨千代(1)(こまちよまつ)り微(やゝ)(ちか)み  荷兮
 
【意】荻の笠を売り歩く声が聞こえる / ということは、京の都では「胡磨千代祭」が近づいたということだナ
【解説】初裏一 / 雑 /「荻の笠」という虚構を踏まえ、「胡麻千代祭」という仮想祭礼で応じた句 /「荻の笠」を祭礼の被り物として想像したか
(1)胡磨千代:江戸時代寛永年間(1624-45)に京都で話題になった火打石売りの名前(堪忍記)
 
116  いはくら(1)の聟(むこ)なつかしのころ  重五
 
【意】祭礼が近づいた / 岩倉に嫁入った娘の一家とも久しぶりに再会する / 待ち遠しいことだ /「聟(むこ)」で一家を暗示している処に工夫がみえる
【解説】初裏二 / 雑 /
(1)いわくら:京都市左京区岩倉のこと / 賀茂川の支流 高野川の上流 /

117 おもふこと布搗哥(ぬのつきうた)()にわらはれて  野水

【意】一山向こうの岩倉の里の其の娘の許嫁がいる / 其の事が周囲に知られ囃し立てられて恥ずかしいことだ
【解説】初裏三 / 雑 / 恋=おもふこと / 前句では、娘の父を詠んだが、此処では逆に嫁に行く前の娘の近況を詠んだ /
(1)布搗き歌:「布搗き」は「砧打ち」の別称 / 晒した麻などの布を棒で叩いて柔らかくする際に歌う作業歌のこと

118  うきははたちを越(こゆ)る三平(まるがほ)(1)  杜國

【意】二十歳を越えたが、此の醜さ、嫁入り話は一つもない / 其のことを囃し立てられ仕事歌に迄歌われ虐(いじ)められる
【解説】初裏四 / 雑 / 恋=うき /
(1)三平(まるがほ):「三平二満(さんぺいじまん)(2)」の略 / 醜女(しこめ)のこと /
(2)三平二満:(1)心穏やかで満足していること / (2)おたふく・おかめ〔←額・鼻・頤((おとがい)=下顎)の三つが平で両頬が膨れていることから〕
 此処では、(2)の意 /
 
119 捨られてくねる(1)か鴛(をし)の離れ鳥(どり)  羽笠
 
【意】仲睦まじい筈の鴛(をしどり)1羽離れているのが見えるが、雄鳥に捨てられて僻(ひが)んでいるのだろうか?
【解説】初裏五 / 季語:鴛=冬 / 恋=鴛の離れ鳥 / 前句の「二十過ぎの醜女」に「離れ鳥」を対比させ付けた
 くねる:ひがむ・ひねくれる・拗()ねること

120  火をかぬ(=おかぬ)火燵(こたつ)なき人を見()む  芭蕉

【意】火の気の無い火燵の寒々しさ / 改めて亡き夫が偲ばれる‥
【解説】初裏六 / 季語:火燵=冬 / 前句の「鴛鴦の離れ鳥」の、付句は「夏炉冬扇」の如き、夫々不自然さ・欠落感を詠んだ
 
【小生comment
 次回は『冬の日』の〔第12回〕121句~132句をお届けする。お楽しみに!
 
■続いての話題は、0420()の出来事についてお伝えする。
 其の日は、以下の通り行動した。
 
午前0345分起床
 腹筋2,000/45分、2.5kgの木刀の素振り50
0550  拙宅発→一般道 5km 12分→
0605  下地町でお城巡りの仲間で、今年御年84歳になられる大学の大先輩で地元上場大手maker O社の元専務の鈴木さんを pick up
     →一般道20km 30/累計25km
0630  新城CC着 中嶋君 時習26回生【3-2】と待ち合せて3人で play
0708  東コース → through → 北コース→ 入浴・昼食 →

 久しぶりのGolfで、いつも score make は気にしていないとは言え、練習を一切しない小生大叩きを懸念した。
 が、幸い後半の half 60を切ることが出来一安心した。
 天候は快晴で、涼しい風が心地よく、最高の Golf condition で汗もかかずに楽しいひとときを過ごすことが出来た。

1315  新城CC発→一般道→20km 30分下地町→一般道20km 40/65km
1430  蒲郡市民会館着
 
【和 Modern Preserved Flowers 展】
 時習26回【3-7】の classmate 故・鈴木淳司君の奥様敦子さんから、Preserved Flowers の作品展の案内葉書が前日拙宅に届いた。
 奥様とは、淳司君の通夜式にお会いしただけでよく知らない方だったので、葉書が届いたことに正直驚いた。
 でも Preserved Flowers に関心を持っていた小生、好奇心旺盛な性分もあって案内を戴いたことでもあり Golf の後訪ねてみることにした。
 Preserved Flowers とは、長期間保存できるように生花に加工を施した花のことを言うことは小生知っていた。
 しかし、まだ本物を見たことがなかった為「一度見てみよう」と伺うことにしたのである。
 
[01]故・鈴木淳司君の奥様から来た Preserved flowers の作品展の案内葉書

[02]Preserved flowers の作品1
                  
[03]同上2

[04]同上3
                  

1450  蒲郡市民会館発→一般道22km 45/走行距離計87km
1535  帰宅 
【拙宅の新緑】
 帰宅して拙宅の庭の木々を見たら、新緑が青空に映えてとても美しく感じられたので早速撮影した。
 
[05]拙宅の中庭の新緑の前にて1〔若楓〕

[06]同上2〔季(スモモ)

                  
[07]塀越しに隣家の柿若葉の前にて

「柿若葉」の葉は、黄色に近い黄緑色で花が咲いた様に実に美しい!
 
■続いての話題である。翌0421日は、09時過ぎに豊橋市議会選挙の投票に行って来た。
 其の帰りに東田(あずまだ)にある百均 shop に寄ったら、まだ開店に10分程時間があったので其処からは程近い『二連木城址』を訪れてみた。
 二連木城は、1493(明応02)年に三河国戸田氏中興の祖で、田原城主の戸田宗光((のち全久)1439-1508)に拠って築城された。
 因みに、宗光の孫の代で、戸田宗家で戸田松平家と、美濃国大垣戸田家の系統は別れている。
 戸田宗家は、宗光→憲光→政光→康光(?-1547)→宣光→忠重→康長(1562-1633)=戸田宗家・戸田松平家〕と続いた。
 戸田宗光の曾孫の戸田康光は、徳川家康が竹千代時代、今川義元の許に人質に届ける際、今川氏の敵方の織田信秀へ竹千代(=家康)を渡したことでも有名。
 此の為康光は、三河国戸田氏は今川義元の逆鱗に触れ討たれて戸田宗家は一旦滅ぼされている。
 其の後、康光の次男宣光が戸田氏の命脈を保ち、徳川家康配下として基盤を固めて行った。
 宣光の孫、康長が家康の異父妹の婿となり十八松平家の一つ戸田松平家の祖となり松本藩主となった。
 そして其の後転封を繰り返したが、初代康長から数えて第6代光慈((みつちか)1712-32)の時に再び松本藩主となり、以後光慈を初代として第9代光則((みつひさ)1828-92)迄続き明治維新を迎えた。
 戸田氏中興の祖 戸田宗光の墓が、二連木城址から程近い所にある曹洞宗の寺院 全久院 にある。
 因みに、此の寺は彼の法名から来ていて、我家は其の全久院の檀家になっている。
 
[08]二連木城址(大口公園) 入口にて
                  
[09]  解説碑

[10]  園内にて(後方に掘割跡が見える)
                  
[11]  掘割跡

[12]  熊笹横にて
                  
[13]  石碑にて1

[14]  同上2
                  
[15]  園内に咲いていた躑躅とアヤメ

[16]  同じく春の花(←名前は不明)
                  

【後記1】去る 224日、ドナルド・キーン (1922.06.18-2019.02.24)氏の訃報に接した時、小生、以下の様に氏が語っていたとお伝えした。
「又一昔以上前に、彼がラジオで「まだ20代の若い時、マリア・カラス(Maria Callas (1923-1977))が歌う Bellini の歌劇『Norma』の アリア 「清き女神」を聴いて感動した!」と話されたことを聴いて小生強い共感を覚えたことを思い出した」(2019.02.24付 小生の Facebook より)
 最近、氏最後の著書となった『ドナルド・キーンのオペラへようこそ』が上梓されたので、氏がカラスの『Norma』について書かれていないか気になり手に入れ読んでみたら、矢張り以下の様に載っていた。

「そして今日にいたるまで忘れられないのがマリア・カラスの《ノルマ》(ヴィンチェンツォ・ベッリーニ作)です。これほどスリリングな思いを味わったオペラはありませんでした。カラスが登場した瞬間から、電流のようなものが聴衆に伝わりました。彼女の声はかがやかしさに満ちていて、後年しばしば彼女の歌いぶりを損ねていた、不安定さや、耳障りな発声はまったくありませんでした。後年のような細身なカラスではなく、ぽっちゃりとしていましたが、声の力強さと美しさは、そのおかげだったのかもしれません。その声をもってすれば、不可能なものなど何ひとつないといった勢いがあり、演技に関しては、わたしがオペラの舞台で接した歌手のうち、抜きんでて最高の存在でした。」〔『ドナルド・キーンのオペラへようこそ』より〕
 
 確かに全盛期のカラスの声は魅力的だ!
 
[17]ドナルド・キーン (1922.06.18- )著『ドナルド・キーンのオペラへようこそ』

[18]2019.02.24付 小生の Facebook より
                  

【後記20503日は、愚娘一家の用心棒ならぬ荷物番として「のんほいパーク(豊橋総合動植物公園)」の遊園地に来て、早速荷物の番をした。
 
[19]荷物番が任されたベビーカー

[20]孫娘と孫息子1
                  
[21]同上2

[22]孫娘1
                  
[23]同上2

[24]孫息子1
                  
[25]同上2


【小生comment
 愚娘一家は、深夜に高速道路を走ると、深夜割引が適用され、混雑も殆どなく早く帰れると言って、其の翌日0504日の午後10時過ぎに車で横浜市緑区長津田の自宅へ帰って行った。
 平成最後と令和元年にかけての10連続休暇のGWも今日で終わりだ。
 サァ、明日から頑張るぞ!
 では、また‥〔了〕

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