2019年1月20日日曜日

【時習26回3-7の会 0740】~「松尾芭蕉『猿蓑集 巻之六 ~発句全35句~第4回』」「01月12日:メナード美術館『所蔵企画展/空の情景』展→桑山美術館『新春店/小品画の魅力~暮らしを彩る日本画~』→『らあめん 陣屋』→杉本美術館『没後十五年/杉本健吉』展→『恋の水神社』を巡って」「01月13日:浜松市秋野不矩美術館『秋野不矩/あふれる生命(いのち)の輝き』展→刈谷市美術館『常設展第lll期/絵画を愉しむ‥食の風景』展を見て」「01月17日:中部ガス名豊ギャラリー『森清治郎』展を見て」「01月18日:「時習26回生『四人会』新年会」開催報告」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。
 さて、今日も【時習26回3-7の会 0740】号をお届けします。
 今日最初にお届けするのは、『猿蓑』〔巻之六〕「幻住庵記(げんじゅうあんのき)」の末尾近くに「几右日記」と題され掲載されている発句全35句のうちの第16句~20句をご紹介する。

  几右日記
 
16 しづかさは栗(くり)の葉()沈む清水(しみず)(かな)  亡人 柳陰(1)

【意】栗の葉が底に沈んだ様子が確りと見える水の澄んだ「清水」がある / 辺りは静寂に包まれている

【解説】―
(1)柳陰(りゅういん):如何なる人物か不詳

17 涼しさやともに米(こめ)かむ椎(しひ)が本(もと)  如行(1)

【意】師の芭蕉翁が「先づ頼む椎の木も有り夏木立」と詠んだ椎木の下で、師と共に食事を頂いている
【解説】元禄三年六月卅日 曲水宛書簡に、「十九日早朝帰庵、如行も同道、幻住庵に両宿、目を驚し帰り申候」とある
 如行は此の時の感想をこの句に託した
(1)如行(?1708):美濃国大垣藩士で大垣蕉門の重鎮/通称:源太夫/1684(貞享元)年 芭蕉に入門/1689(元禄02)年 奥の細道の旅を終えた芭蕉を自宅に迎えた
 1695(元禄08)年 芭蕉百日忌追善集『後の旅』を編集/1708(宝永05)年死去/

  訪(とふ)に留守(るす)なり

18 (しひ)の木をだかへて(1)(なく)や蝉(せみ)の聲(こゑ)  膳所 朴水(2)

【意】幻住庵を訪れたが生憎師の芭蕉翁は留守だった /

 庵の前にある椎木を抱きかかえる様に留まって啼いている蝉の声が耳に響いて来る
【解説】―
(1)だかへて:抱(だか)へて
(2)朴水:膳所の神主

19 ()の下(した)や手洗(てあら)ふ程(ほど)に海(うみ)涼し  美濃垂井 市隠(1)

【意】幻住庵から下を見ると、手が届きそうな場所に琵琶湖がある / 如何にも涼しい感じだ
【解説】―
(1)市隠(?-1722):伊賀上野で芭蕉と同役で藤堂新七郎家の良忠(蝉吟)に仕えた/
 芭蕉同様、季吟門下の俳人/後に美濃の垂井に住む/『猿蓑』などに入集
 
  文に云(いひ)こす

20 膳所(ぜぜ)(こめ)や早苗(さなへ)のたけに夕涼(ゆふすずみ)  半残(1)

【意】膳所の田んぼでは早苗の丈も伸び、其の葉先を通って来た夕風が涼しいことであろう
【解説】膳所(現・大津市)は美味しい米の産地で知られていた
(1)半残(1654-1726):本名=山岸十左衛門/俳号:半残/伊賀上野の藤堂長貞(修理:俳号=橋木)に仕えた/伊賀蕉門の一人/
 芭蕉自筆の書簡が残る/1723(享保11)73歳で死去/猶、半残は父・祖父共々山岸十左衛門を名乗り、父十左衛門も伊賀蕉門であった為紛らわしい

【小生comment
 次回は、発句全35句のうちの第21句~25句をご紹介する。お楽しみに!
 
■続いての話題は、0112日、恒例の月一回の歯科健診の為名古屋市東区へ。
 其処で、ついでにということで「メナード美術館」「桑山美術館」「杉本美術館」と3つの美術館を巡って来たのでその模様について順次お伝えする。

0500分 起床/腹筋45分&木刀素振り60分の筋トレ計1時間45
0645分 朝風呂
0700分 朝食
0733分 拙宅発→一般道90 2時間22分→
0955分 芭蕉翁「來(いざ)(とも)に穗麥(ほむぎ)(くらわ)ん草枕」句碑(春日井市中町)
【芭蕉句碑‥來與に穗麥喰ん草枕】
 此の句碑は、県道102(旧 木曽街道)沿いにある。
 20081020日付【時習26回3-7の会 0206
 http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/26-02071023-d4c.html ←此処をclickして下さい
 20170507日付【時習26回3-7の会 0651
 http://si8864.blogspot.com/2017/05/26-06510429.html ←此処をclickして下さい
 
[01]「來與に穗麥喰ん草枕」句碑にて1

[02]同上2
                  
[03]同上 句碑解説


1000分 同所発→一般道 5km 10分→
1010分 メナード美術館着

【メナード美術館『所蔵企画展/空の情景』展】

[04]メナード美術館入口前にて
                  
[05]本企画展leaflet / 写真の絵は、ルネ・マグリット『星座』1942

[06]岸田劉生『道と電信柱』1914
                  
此の絵は、同じ岸田の作品で国の重要文化財『道路と土手と塀(切通之写生)》』1915年 と似通ったsituation
 http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/26-03632637-par.html ←此処をclickして下さい
 20111015日付【時習26回3-7の会 0361】~「1009日:大阪市立美術館『岸田劉生展』~[19]岸田劉生『道路と土手と塀(切通之写生)1915年 ご参照

[07]二コラ・ド・スタール『黄色い背景の静物』1953

[08]同『灯台(アンティーブ) The Lighthouse(Antibes)1954
                  
 此の作品を描いた翌年二コラ・ド・スタールは自らの命に終止符を打つ‥何処かに孤独や死の予感を感じさせる印象的な絵である
 また此の絵を見ると、ホッパー『トゥー・ライツの灯台』を思い出す
 http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/26-041911081109.html ←此処をclickして下さい

 20121111日付【時習26回3-7の会 0419】~「東京都美術館『メトロポリタン美術館展』~[24]Edward Hopper(1882-1967)『トゥーライツの灯台(The Lighthouse at Two Lights)1929年 ご参照

[09]拙宅の廊下に飾ってあるホッパー『トゥー・ライツの灯台』

此の絵は、大きく見えるが実際は Postcardである

[10]ユトリロ『教会』1913
                  
[11]小野竹喬『日本海』1976

[12]田渕俊夫『遠い思い出・家路』1992
                  

1040分 メナード美術館発→一般道15km 55分→
1135分 桑山美術館着

【桑山美術館『新春展/小品画の魅力~暮らしを彩る日本画~』】

[13]桑山美術館入口にて1

[14]同上2
                  
[15]同美術館入口(桑山清一翁胸像)

[16]本企画展・出品一覧
                  
[17]竹内栖鳳『家鴨』

[18]土田麦僊『舞妓』
                  

【小生comment
 本企画展に出展された絵画は小品とは言え、傑作揃いで感動した。
 今回の展示作品は、Postcardsになっていない為、皆さんに一つひとつご紹介出来ないのが残念である。
 是非一度ご自身で足を運んでみて下さい。癒されますヨ!

1200分 桑山発→一般道 8 30分→
1235分 らあめん陣屋着

[19]らあめん陣屋入口にて

[20]小生の超定番「チャーシュー麵」
                  

毎回/\同じものしか食さないが全然飽きが来ない美味しさが凄い!

1400分 歯科健診
1440 N歯科医院発→名古屋高速→知多自動車道50 55分→
 
 車の移動は全て一般道が原則だが、今日次に訪れた杉本美術館は美浜町にあり、一般道で行くと営業時間中に到着出来ない懸念があった為今回は高速道路を利用した。

1535分 杉本美術館着

【杉本美術館『没後十五年/杉本健吉』展】
 
[21]杉本美術館前にて1

[22]同上2
                  
[23]同上3

[24]同美術館内受付にて
                  
[25]本企画展leaflet / 絵は、杉本健吉『自画像(トム)


 本企画展の展示作品は殆ど Postcard になっていなかったので、展示作品ではないが、売店で購入した杉本氏の風景画を5点ご紹介する。

[26]杉本健吉『サンポール路地』1979
                  
[27]同『アッシジ』1985

[28]同『正倉院雪景』1975
                  
[29]同『大佛殿興福寺塔』1944

 杉本健吉は、梅原龍三郎に私淑していただけあって此の絵なんか見ると、作風が梅原龍三郎によく似ている

[30]同『大和歩き』2000
                  

1610分 杉本美術館発→一般道3.4km 10分→
1619分 恋の水神社着
 
【恋の水神社】

[31]恋の水神社鳥居前にて1

[32]同上2
                  
[33]同神社由来記


1625分 同所発→一般道80km 2時間10分→
1835分 帰宅〔走行距離計 252km

 最近、「縁結びの神」として人気急上昇の神社。
 神社の名前からしてご利益にあやかりたいという気持ちにしてくれる。
 自分も暫し若かりし頃を思い出していた‥〔了〕

■続いての話題は、前日に引き続き0113日も、家でジッとしているのは勿体ないと思った小生、浜松市秋野不矩美術館と刈谷市美術館を巡って来た模様についてである。
 総走行距離は197㎞。

0540分起床と、今日はいつもよりゆっくり起きた。

 いつもの腹筋と木刀素振りを1時間ずつ行い、朝風呂と朝食を摂り準備OK

0843分 拙宅発→一般道47 1時間15分→
1000分 浜松市秋野不矩美術館駐車場着

【浜松市秋野不矩美術館『秋野不矩 / あふれる生命(いのち)の輝き』展】
 此の駐車場は、連休の土日には駐車場係のおじさんが立っていて車を誘導してくれる
 看板前でtimerを使って自分の写真を撮ろうとした処、駐車場のおじさんが「撮ってあげよう」と言って撮影してくれた。
 其のおじさんが、小生にいいことを言ってくれた「あなたは何かスポーツをやっているの? 凄く姿勢がいいネェ‥」
 小生、「昔、弓道をやっていましたヨ」と言ったらおじさんは「成程!」と納得されていた
 小生、そんなに姿勢がいいのかなァ?
 今回の「秋野不矩 あふれる生命(いのち)の輝き【後期】」展は、凄く良かった。
 彼女がインドで描いた名画の数々が一挙に【前期】展21点に引き続き23点展示されていた。
 今日は、その中から Postcards で手に入れた作品を幾つかご紹介する。
 ホント、秋野不矩の作品は何回見ても、見る度に新しい発見をするので、いつもワクワクし乍ら見ることが出来る。

[34]秋野不矩美術館駐車場の本企画展看板前にて
                  
[35]同美術館駐車場と同美術館に行く途上にて同美術館をback

[36]秋野不矩美術館前にて1
                  
[37]同美術館前にて2

[38]同美術館内の本企画展看板前にて
                  
[39]秋野不矩『黄土』1978年〔浜松市美術館〕

[40]秋野不矩『女神ナギニー』1979年〔秋野不矩美術館〕
                  
[41]秋野不矩『池のほとり』1983年〔京都国立近代美術館〕

[42]秋野不矩『ブラーミンの家』1984年〔静岡県立美術館〕
                  
[43]秋野不矩『廻廊』1984年〔秋野不矩美術館〕

[44]秋野不矩『朝の祈り』1988年〔同上〕
                  
[45]秋野不矩『ヴィシュヌプール寺院』1992年〔京都府(京都文化博物館管理)

[46]秋野不矩『ヴァラーハ(ヴィシヌ化身 猪)1992年〔秋野不矩美術館〕
                  
[47]秋野不矩『砂漠のガイド』2001


1045分 秋野不矩美術館発→一般道90 3時間15分→
 
 秋野不矩美術館から豊川駅近くまでは順調だったが、岡崎市に入った辺りから渋滞がずっと刈谷迄続いた。

1400分 刈谷市美術館着

【刈谷市美術館着『常設展 第lll期 / 絵画を楽しむ / 食の風景」』展】
 
[48]刈谷市美術館入口にて
                  
[49]同美術館内本常設展入口にて


 刈谷市美術館の「常設展 第lll期 / 絵画を楽しむ / 食の風景」展の展示作品がなかなか良いので見て来た。
 制作年1918年~2004年の刈谷市美術館が所蔵する「食の風景」に関連した絵画が12作家に拠る15点。
「食の風景」だけあって、皆、正に「味」があって良かった。()
 今日は、刈谷市美術館が公開している絵をいくつかご紹介する。
 ホント、素晴らしい絵ばかりですヨッ!

[50]宮脇晴『静物 みかん』1918
                  
[51]岸田劉生『静物(物質可愛)1923

[52]椿貞雄『冬瓜図』1926
                  
[53]同『柿』1947

[54]和田英作『静物(玉葱と夾竹桃)1948
                  
[55]市野長之介『カフェ―さだ』1930

[56]宮脇晴『朝のひととき』1948
                  
[57]市川晃『卵の静物』1950

[58]伊藤廉『無花果(いちじく)1960年頃
                  
[59]同『パンジーとレモン』1980年頃

[60]上田薫『スプーンのチェリー』1975
                  

1428分 刈谷市美術館発→一般道 55km 1時間15分→
1543分 帰宅〔了〕
 
■今日最後の話題は、0117日、昼休みに勤務先のビル9階にある 中部ガス名豊ギャラリー『森清治郎』展を見て来た。
 先ず、森清治郎氏の略歴を以下に記す。

 1921(大正10)年 豊橋市牟呂町神野新田に生まれる
 1933(昭和08)年 豊橋中学校(現・時習館高校)に入学 / 絵画同好会「ヴァ―デュア画会」に入り、図画教師 細島昇一の指導を受ける
 1939(昭和14)年 東京美術学校 図画師範科(現・東京藝術大学)に入学
 1949(昭和24)年 同校師範科を卒業
 1952(昭和27)年 第38回光風会「プール・ブー賞」受賞
 1954(昭和29)年 第40回光風会「光風特賞」受賞
 1957(昭和32)年 中部ガス社長神野太郎氏等に拠る「森清治郎後援会」が結成される / 12月 渡欧(仏・瑞西・伊・西・葡)1959年にかけて巡る
 1992(平成04)年「森清治郎」展が豊橋市美術博物館にて開催される
 2004(平成16)年 逝去(享年82)

 1992年に開催された「森清治郎」展の図録に、故・神野信郎(1930-2018)氏「森清治郎さんと神野新田の土の香」と、我等が母校時習館高等美術科教諭の朝倉先生(1930- )の前任 故・富安雅也先生(1918-2013)の「細島昇一先生の薫陶―豊橋中学校時代」が掲載されていたので、それ等の一部をご紹介する。

【神野信郎「森清治郎さんと神野新田の土の香」】
 (前略)森さんとは、祖父(神野)三郎・父太郎と三代のお付き合いを戴いております。
 森さんと同じく、神野新田に育った私は、森さんの描く風景や花や野仏に、生い立ちの日々や、祖父や祖母や父や母や兄弟、友人らが抒景の点景の様にとけ込み、不思議な人縁、地縁、そして天の縁を感じるのです。

【富安雅也「細島昇一先生の薫陶―豊橋中学校時代」】
 森清治郎君は、豊橋中学校(現・時習館高校)も東京美術学校(現・東京藝術大学)も私より2年後輩で、共に絵を描く仲間として昔からよく知っている。(中略)
 私はその母校(時習館高校)で、17年間美術の教師をしていたが、私の手を離れて上京した教え子たちは、皆森君に紹介して、今後の指導を託した。(中略)
 野田弘志君(1936- )もそのうちの一人だ(中略)
 彼(=森清治郎)の絵は、((はだし)で土の上を歩く)感触を思い出させる様な処がある。
 そして其の表現方法であるが、一言でいえば不器用な器用、職人芸の拘(こだわ)り仕事と言える。(中略)
 あの重厚なマチエールは、土から生えて来た様な、土の匂いのする描法だ。(後略)

[61]中部ガス名豊ギャラリー『森清治郎』展入口にて1

[62]同上2
                  
[63]東京都中野区のatelierにて生前の森清治郎氏

[64]豊橋中学校の絵画同好会「ヴァ―デュア画会」
                  
中列中央が細島昇一師、細島先生の一人置いて左が富安昌也氏、後列左から4人目が森清治郎氏

【本企画展に掲示された森清治郎氏の作品】
 図録や Postcards が販売されてなかったので、1992年に豊橋市美術博物館にて開催された『森清治郎』展の図録より本企画展展示作品7点を紹介する。

[65]森清治郎『神野新田(二号を望む)1953

[66]同『ルノアールの庭(南フランス)1958
                  
[67]同『南佛の村』1967

[68]同『祝戸の家(奈良)1967
                  
[69]同『アネモネ』1977

[70]同『鳴沙山』1985
                  
[71]本企画展「神野新田の土の香~森清治郎」出品目録


【小生comment
 久しぶりに森清治郎氏の作品を見て、改めて作品の重厚な感じをする佳品が多いことに感心した。
 氏は、冨安昌也先生より2年年少で、朝倉勝治先生より9年年長になる。

【後記】0118日に時習26回生の同期に拠る「四人会 新年会」を3箇月ぶりに豊橋駅近くの居酒屋 juju にて開催した。
 4人とは、中嶋君【3-2】・宮下君【3-4】・林さん【3-7】・小生【3-7】。
 うち、宮下君と林さんは中部中学校の同期生、中嶋君、林さん、小生の3人は、時習26回【1-4】の classmates だ。
 18:3021:00 の楽しい2時間半はあっという間に過ぎていった〔了〕
 
[72]四人で乾杯!
                  

[73]同上2

[74]中嶋君()と宮下君()
                  
[75]林さん()と小生()

[76]会終了後に店の入口にて全体写真1
                  
[77]同上2


 では、また‥〔了〕

 ブログへは【0626】号迄のback numberURL:http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog←此処をclickして下さい

0 件のコメント:

コメントを投稿