先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第15回/157句〜168句〕をお届けする。
157 なつふかき山橘(やまたちばな)(注1)にさくら見ん 荷兮
【意】(‥前句を受けて‥)木曽の山中を模した庭園には、夏なので桜花は既になく代わりに山橘(=ヤブコウジ)の白い花が咲いている
【解説】初裏七 / 季語:なつふかき=夏 /
(注1) 山橘:ヤブコウジのこと / 別名「十両」/ 夏、腋生の花柄に5弁の白花を数個つけ、冬、小球形の果実が赤熟する
[01]ヤブコウジ(の花と実)
158 麻(あさ)かりといふ哥(うた)の集(しふ)あむ 芭蕉
【意】前句の詠み手は山中に隠棲しいて「麻刈」と名付けた歌集を編んだ /
俳意のない曖昧な二句が前に続いたので、芭蕉は「其れは歌の世界のことだった」と棚上げして転じた
【解説】初裏八 / 季語:麻かり=夏 / 芭蕉は、ここで一旦話題を終結させたかった
159 江(え)を近く独楽庵(どくらくあん)と世(よ)を捨(すて)て 重五
【意】中国「宋」の宰相を務めた司馬光(1019-1086)は独楽園営み釣りに興じたという /
其れに倣い、水辺近くに独楽庵という名の草庵をあみ、男が隠棲している /
【解説】初裏九 / 雑 / 此の巻で初めて場面が水辺に転じた
160 我(わが)月(つき)出(いで)よ身(み)はおぼろなる 杜國
【意】月よどうか早く出て来て、煩悩罪障で曇った私(の心)を其の澄んだ光で満たしてくれヨ
【解説】初裏十 / 季語:おぼろ=春 / 前句の隠棲した男が自らの心境を語ったもの
161 たび衣(ごろも)笛(ふえ)に落花(らくくわ(=らっか))を打拂(うちはらひ) 羽笠
【意】前句の男は旅の途上にある / 月夜に笛を吹いていると、彼の旅衣に桜花がしきりに落ちて来る /
【解説】初裏十一 / 季語:落花=春 / 前句の人物を故なき罪を着せられ配流となった処とみる
162 籠輿(ろうごし)(注1)ゆるす木瓜(ぼけ)の山(やま)あい(=あひ) 野水
【意】此の男、実は罪人で、今牢の籠で運ばれて行く道中にある / 木瓜(ボケ)の花咲く山道で暫時の休憩を許されている処 /
【解説】初裏十二 / 季語:木瓜(ぼけ)=春 /
(注1)籠輿(=牢輿(ろうごし)):罪人護送用の乗り物 /
163 骨(ほね)を見て坐(ざ・そぞろ)に泪(なみだ)ぐみうちかへり(注1) 芭蕉
【意】山中で輿より出された人物は木瓜(ボケ)の花咲く山間(やまあひ)で処刑斬殺されたのだった /
送られて来た遺骨を見て、家人は涙を流して悲しみ卒倒した /
【解説】名残表一 / 雑 /
(注1)うちかへり:卒倒する
164 乞食(こじき)の簔(みの)をもらふしのゝめ 荷兮
【意】白骨と化した無残な此の男の姿を見るに忍びず、乞食から蓑を貰い、白骨を覆い隠した
【解説】名残表二 / 雑 /
165 泥(どろ)のうへに尾(を)を引(ひく)鯉(こひ)(注1)を拾(ひろ)ひ得(え)て 杜國
【意】泥中に尾を曳く亀、ならぬ鯉を手に入れた男は、事の相似を喜び、鯉を家へ持ち帰った
【解説】名残表三 / 雑 /
(注1)尾を引く鯉:荘子「曳尾の亀」は、仕官せず自由に生きること /「亀」を「鯉」に転じた
166 御幸(みゆき)に進む水(みづ)のみくすり(注1) 重五
【意】霊亀ならぬ霊鯉の出現があったことを瑞兆とみて、諸国に巡幸した天皇へ若さを保つ薬が進呈されたそうだ /
【解説】名残表四 / 雑 /
(注1)水のみくすり(=水の御薬):霊能のある水 / 謡曲「養老」等の面影をみる
167 ことにてる年の小角豆(ささげ)の花もろし 野水
【意】殊更に炎暑の厳しい今年は、ササゲの花も枯れ落ちて仕舞い収穫が覚束ない /
【解説】名残表五 / 季語:小角豆(ささげ)=夏 / 前句を、旱魃(かんばつ)にも絶えない霊水を献上したとみる
168 萱屋(かやや)まばらに炭團(たどん)つく臼(うす) 羽笠
【意】萱葺き屋根の粗末な家がまばらにあるだけの山村 /
百姓たちは炎天下に臼で炭をついては炭団を作っている /
【解説】名残表六 / 季語:炭團つく=夏 /
(前句の)小角豆(ササゲ)も実らないような旱魃の夏に疲れ切った農村の侘しい営みを付けた
【小生comment】
次回は『冬の日』の〔第16回〕169句〜180句をお届けする。お楽しみに!
■続いての話題は、06月01日:二週連続で新城CCにて時習26回生同期の市原君【3-3】&中嶋君【3-2】等と、05月25日から更に大きくなった拙宅の紫陽花の蕾についてお伝えする。
昨日は以下の通り行動した。【解説】初裏十 / 季語:おぼろ=春 / 前句の隠棲した男が自らの心境を語ったもの
161 たび衣(ごろも)笛(ふえ)に落花(らくくわ(=らっか))を打拂(うちはらひ) 羽笠
【意】前句の男は旅の途上にある / 月夜に笛を吹いていると、彼の旅衣に桜花がしきりに落ちて来る /
【解説】初裏十一 / 季語:落花=春 / 前句の人物を故なき罪を着せられ配流となった処とみる
162 籠輿(ろうごし)(注1)ゆるす木瓜(ぼけ)の山(やま)あい(=あひ) 野水
【意】此の男、実は罪人で、今牢の籠で運ばれて行く道中にある / 木瓜(ボケ)の花咲く山道で暫時の休憩を許されている処 /
【解説】初裏十二 / 季語:木瓜(ぼけ)=春 /
(注1)籠輿(=牢輿(ろうごし)):罪人護送用の乗り物 /
163 骨(ほね)を見て坐(ざ・そぞろ)に泪(なみだ)ぐみうちかへり(注1) 芭蕉
【意】山中で輿より出された人物は木瓜(ボケ)の花咲く山間(やまあひ)で処刑斬殺されたのだった /
送られて来た遺骨を見て、家人は涙を流して悲しみ卒倒した /
【解説】名残表一 / 雑 /
(注1)うちかへり:卒倒する
164 乞食(こじき)の簔(みの)をもらふしのゝめ 荷兮
【意】白骨と化した無残な此の男の姿を見るに忍びず、乞食から蓑を貰い、白骨を覆い隠した
【解説】名残表二 / 雑 /
165 泥(どろ)のうへに尾(を)を引(ひく)鯉(こひ)(注1)を拾(ひろ)ひ得(え)て 杜國
【意】泥中に尾を曳く亀、ならぬ鯉を手に入れた男は、事の相似を喜び、鯉を家へ持ち帰った
【解説】名残表三 / 雑 /
(注1)尾を引く鯉:荘子「曳尾の亀」は、仕官せず自由に生きること /「亀」を「鯉」に転じた
166 御幸(みゆき)に進む水(みづ)のみくすり(注1) 重五
【意】霊亀ならぬ霊鯉の出現があったことを瑞兆とみて、諸国に巡幸した天皇へ若さを保つ薬が進呈されたそうだ /
【解説】名残表四 / 雑 /
(注1)水のみくすり(=水の御薬):霊能のある水 / 謡曲「養老」等の面影をみる
167 ことにてる年の小角豆(ささげ)の花もろし 野水
【意】殊更に炎暑の厳しい今年は、ササゲの花も枯れ落ちて仕舞い収穫が覚束ない /
【解説】名残表五 / 季語:小角豆(ささげ)=夏 / 前句を、旱魃(かんばつ)にも絶えない霊水を献上したとみる
168 萱屋(かやや)まばらに炭團(たどん)つく臼(うす) 羽笠
【意】萱葺き屋根の粗末な家がまばらにあるだけの山村 /
百姓たちは炎天下に臼で炭をついては炭団を作っている /
【解説】名残表六 / 季語:炭團つく=夏 /
(前句の)小角豆(ササゲ)も実らないような旱魃の夏に疲れ切った農村の侘しい営みを付けた
【小生comment】
次回は『冬の日』の〔第16回〕169句〜180句をお届けする。お楽しみに!
■続いての話題は、06月01日:二週連続で新城CCにて時習26回生同期の市原君【3-3】&中嶋君【3-2】等と、05月25日から更に大きくなった拙宅の紫陽花の蕾についてお伝えする。
03時45分 起床→腹筋2,000回
04時30分 2.5kgの木刀の素振り60分
05時30分 入浴→朝食
06時10分 中嶋君【時習26 3-2】が先週に引き続き、車で市原君【時習26 3-3】と一緒に迎えに来てくれた
06時25分 鈴木さん宅へ伺い pick up
06時50分 新城CC着
07時23分 北 course start →昼食休憩→南 course start →
[02]市原・中嶋・鈴木各氏と昼食時の乾杯
13時25分 Hole out → 入浴 →
[03] Hole out 時に 4人で記念撮影1
[04]同上2
[05]同上3
14時10分 新城CC発→
14時55分 赤岩口にある喫茶店にて中嶋君【時習26 3-2】・市原君【時習26 3-3】と Coffee Break
16時05分 帰宅
16時50分 拙宅の玄関にて
[06]拙宅玄関の門前にて
[07]拙宅玄関の門の脇に咲いた南天花
[08]拙宅中庭に咲きつつある紫陽花と共に1
[09]同上2
[10]拙宅中庭に咲きつつある紫陽花1
[11]同上2
[12]拙宅中庭にも南天花が咲いている
あじさいの 花鮮(あざ)やかに 梅雨(つゆ)は来ぬ 悟空
南天花(なんてんか) 白き姿で 夏を呼ぶ 悟空〔了〕
■今日最後の話題は、今日(06月02日):豊橋市伊古部町『ささゆりの里』→田原市博物館『渡辺崋山、椿 椿山の華やかな花鳥画、そしてその意味 展』→ライフポートとよはし『第124回豊橋交響楽団定期演奏会~【時習26回1-4】classmates の安形君・水藤君・中嶋君と』と巡り、見て聴いて来たことについてお伝えする。
05時00分 起床→腹筋2,000回
06時00分 2.5kgの木刀の素振り60分
07時05分 入浴→朝食→
08時30分 拙宅発→一般道19km 30分→
09時00分 伊古部町「ささゆりの里」着
[13]「ささゆりの里」入口にて
[14]写真撮影者向けに注意事項が記された看板
[15]ササユリ生育ステージ
[16]ささゆりの里風景1
[17]同上2
[18]同上3
[19]同上4
[20]同上5
[21]同上6
[22]ささゆりの里からの伊古部海岸
[23]ささゆりの前にて1
[24]同上2
[25]ささゆりの里入口にて開かれていた農産物
ミニトマト@100円×2袋と梅干1袋200円を購入した
09時30分 ささゆりの里発→一般道12km/31km 30分→
10時00分 田原博物館着
[26]田原市博物館周辺のご案内図
[27]田原博物館入口にて
[28]同館企画展入口前にて
[29]渡辺崋山『客坐掌記』1832年【重要美術品】
[30]渡辺崋山『牡丹図』1841年【重要美術品】
[31]椿 椿山『紅葉小禽図(部分)』天保(1831-1845)年間
[32]平井顕斎『旭日鳳凰図(部分)』1849年
[33]崋山の生涯leaflet
[34]本企画展 展示品一覧
[35]田原城址「袖池」前にて
[36]同上「桜門」前にて
11時40分 帰宅
〔昼食〕
13時00分 拙宅発→一般道12km 35分→
13時35分 ライフポートとよはしコンサートホール着
[37]本演奏会leaflet
[38]ライフポートとよはし ホワイエにて水藤君【時習26 3-6】・中嶋君【時習26 3-2】と1
[39]同上2
演奏曲目は以下の3曲。
[1]オッフェンバック:「天国と地獄」序曲/指揮:下谷剛嗣
[2] メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調/指揮:下谷剛嗣
Soloist:(Vn)成田 萌
[3]マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」/指揮:渡邉浩司
[encore]マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」より「花の章」
我々3人は、最前列の中央、指揮者の直ぐ後ろで3曲を聴いた。
此処だと、自分が指揮台に立っているかの様に、演奏者夫々の音が聴こえて来る。
Violinist の成田萌さんは、豊橋市出身。3歳からviolinを習い始め、桜ヶ丘高校音楽科を経て愛知県立芸術大学音楽学部卒。
現在、同大学音楽学部楽科器楽専攻弦楽器コース研究生。
【小生comment】
豊橋交響楽団は、年々演奏技量が向上しているのを実感出来た素晴らしい演奏だった。
マーラーの「巨人」は楽団員も相当力が入った演奏で聴き応えがある名演だった。
此の曲を聴いているうちに、Percussion の timpani 1を演奏していた女性に注目した。
若い女性乍ら完璧に timpani を演奏していて感動した。
小生、豊橋交響楽団のお手伝いをいつもしている知人の鈴木氏に演奏会終了後、ホワイエでその女性 timpani 奏者の名演ぶりを話した。
すると鈴木氏は「彼女なら此処にいますから紹介しましょう!」と言って早速紹介して頂いた。
其の時、Two shot の撮影をお願いしたら快諾してくれて撮影したのが以下の2枚の写真だ。
因みに、彼女は Percussion の part leader だ。
[40]豊橋交響楽団 Percussion - timpani 奏者のKさんと1
[41]同上2
其の後、水藤君・中嶋君と3人で、鈴木さんの先導で我々3人と【時習26回 1-4】の classmate の安形君【時習26 3-1】に会いに差入れを持って控室を訪れた。
其の時写した写真が以下の2枚の写真だ。
因みに、安形君は 金管の section leader 且つ horn の part leader だ。
[42]水藤・今泉・安形・中嶋の【時習26回1-4】classmates 4人 1
[43]同上2
[44]豊響の金管の section leader で、horn の part leader の安形君
以下の2枚の写真は、[45]が1977年3月に【時習26回1-4】classmatesの仲間で九州一周旅行をした際、長崎県雲仙から熊本県八代へ向かうフェリーにて撮影した安形君と小生の two shot、[46]が九州旅行から42年3箇月弱経った今日(2019年6月2日)の安形君と小生である。
[45]1977年3月の安形君(右)と小生(左)
[46]2019年6月の安形君(右)と小生(左)
【後記】21歳の安形君と小生は、今日(2019年6月)時点で二人共に63歳になっている‥。
隔世の感がある。で、持つべきものは「友」である。
こうして再会して旧交を温めることが出来るからいいもんだ。
では、また‥〔了〕
*
ブログへは【0626】号迄のback numberはURL:http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog ←此処をclickして下さい
*
0 件のコメント:
コメントを投稿