先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第16回/169句〜180句〕をお届けする。
169 芥子(けし)あま(注1)の小坊(こばう)(注2)交(まじ)りに打(うち)むれて 荷兮
【意】前句の場面である炭を打つ臼の周りで、芥子頭の少女が男の子も交えて一緒に遊んでいる
【解説】名残表七 / 雑 /
(注1)芥子あま:髪を頭の頂に集め周りを剃り落とした小児の髪型を「芥子坊主」と言い、其の髪型をした少女のこと
(注2)小坊(こばう(=こぼう)):男の子
170 お(=を)るゝはすのみたてる蓮(はす)の實(み) 芭蕉
【意】—
【解説】名残表八 / 季語:蓮の実=秋 /
前句の一団の子供たちを池面の蓮の実に例え、「折れる蓮の実、立てる蓮の実」の様に子供たちの背丈の不揃いな様を古風に詠んだ
171 しずかさに飯臺(はんだい)(注1)のぞく月の前(まへ) 重五
【意】静まりかえった寺院の食堂に来てみると飯台に月光が差し込んでいた
【解説】名残表九 / 季語:月=秋 / 前句の蓮池から寺院を付けた
(注1) 飯臺(はんだい=飯台):寺院で学寮の集僧が並び食する台のこと
172 露(つゆ)を(=お=置)くきつね風(かぜ)やかなしき 杜國
【意】夜寒の風が吹いている中、露に濡れた狐が餌を求めて徘徊している
【解説】名残表十 / 季語:露=秋 / 前句の飯台を覗くものは実は狐だったと付けた
173 釣柿(つりがき)に屋根(やね)ふかれたる片庇(かたびさし) 羽笠
【意】片方だけ庇を深く突き出した家がある / 軒下には釣るし柿が簾(すだれ)をなしていて、其処に秋風が吹いている
【解説】名残表十一 / 季語:釣柿=秋 /
174 豆腐(とうふ)つくりて母(はは)の喪(も)に入(いる) 野水
【意】母親の喪に服する為に、その間の精進料理として豆腐をつくる
【解説】名残表十二 / 雑 / 前句の片庇の家を、其の精進小屋のして付けた
175 元政(げんせい)(注1)の草(くさ)の袂(たもと)も破(やれ)ぬべし 芭蕉
【意】母を喪(うしな)った悲しみに、彼(か)の元政の衣の袖(=袂(たもと))は涙で破れる程のものだった
【解説】名残裏一 / 雑 /
(注1)元政(1623-1668):山城国深草の日蓮宗の僧で漢詩人・歌人でもあった / 元彦根藩の武士 /
詩文に秀で、詩仙堂を建てた石川丈山(1583-1672)などと交わる
176 伏見木幡(こはた)の鐘(かね)はなをうつ(注1) かけゐ
【意】山城国伏見木幡の鐘の哀しい響きが桜花が散らす / 一入(ひとしお)の無常を悟り、元政も涙することだろう
【解説】名残裏二 / 季語:はな=春 /伏見・木幡は深草近くの「歌枕」
(注1)鐘はなをうつ:「山寺の春の夕暮きてみれば入相(いりあひ)の鐘に花ぞ散りける」(能因法師)に拠る
177 いろふかき男猫(をねこ)ひとつを捨(すて)かねて 杜國
【意】家の雄猫が、季節のことだが恋に狂って行方が知れない / しかし放っても置けないナ
【解説】名残裏三 / 季語:いろふかき男猫=春 /
178 春のしらすの雪はきをよぶ 重五
【意】庭に季節外れの春雪が積もった / 下男に早速雪を掃かせた
【解説】名残裏四 / 季語:春=春 / 前句を御殿等で美しい男猫を飼っている者として付けた
179 水干(すいかん)(注1)を秀句(しうく)の聖(ひじり)わかやかに 野水
【意】「秀句の聖」とも呼ばれる公達が、如何にも若々しく水干を着こなして遣って来た
【解説】名残裏五 / 雑 / 前句を玄関先の白洲の白雪を掃き清めている男に声をかけている処と見たもの /
如何にも明朗闊達で humorous な人格を、育ちの良い、清々しい若者として表現した / 此れが前句の情景に照応する
(注1)水干:狩衣に似た脇あけの装束
180 山茶花(さんざくわ=さざんか)匂(にほ)ふ笠(かさ)のこがらし うりつ
【意】此の連句の第1巻の発句の作者の芭蕉師匠は「こがらしの身は竹斎に似たる哉」などと仰ったが、いやいや前句に言う「秀句の聖」、心は若々しい公達ですヨ /
あなたの旅笠に打ち付けた木枯らしの風は、山茶花の匂いがしますネ / 此れでどうやら五歌仙の終わりとなりました‥
【解説】挙句 / 季語:山茶花・こがらし=冬 /
【小生comment】
次回は、俳諧七部集『冬の日』から〔第17回〕、追加の6句をご紹介する。お楽しみに!
■続いての話題は、今日(06月08日)、2つの絵画展と1つの演奏会を見て聴いて来たことについてご報告する。
03時30分 起床→腹筋2,000回
04時30分 2.5kg木刀素振り60分
05時40分 入浴→【時習26回3-7の会 0760】作成作業(進行中)
09時10分 拙宅発→一般道34㎞ 75分→
10時25分 鳳来寺山入口「観来館『今泉勇・水彩画展~新城 史跡 景勝地 紹介』展」
[01]鳳来寺山入口「観来館」入口にて
[02]叔父貴 今泉勇 水彩画 回顧展 の案内が掲示された「観来館」入口
[03]今泉勇水彩画展 展示目録一覧
[04]作品番号No.9今泉勇『長篠城紅葉』の前にて
[05]同No.14今泉勇『獅子舞(黒澤田楽)』の前にて
10時40分 鳳来寺山入口「観来館」発→一般道→新城IC→新東名 77㎞/111㎞ 100分→
12時20分 トヨタ鞍ヶ池記念館着
12時25分 鞍ヶ池アートサロン『海風のささやき』展
[06]鞍ヶ池アートサロン屋外看板の前にて
小生、マルケの作品は大好きだ!
12時45分 鞍ヶ池アートサロン発→一般道 7km/118km 20分→
13時05分 豊田市参合館駐車場着→Fast food で昼食→
[12]旧東海銀行豊田支店が「MUFG 三菱UFJ銀行 豊田支店」に変身!
行員とパート併せて125人を統括する仕事は結構しんどかったけど、遣り甲斐はあったナッ!
小山実稚恵(こやま みちえ(1959.05.03- )は、1982年 チャイコフスキー国際コンクール第3位(第1位該当なし)と、1985年 ショパン国際ピアノコンクール第4位(第1位ブーニン、第2位ラフォレ、第3位ヤブヲンスキーで、女性では最高位)の Piano の二大国際 コンクールの両方に入賞した唯一の日本人 Pianist だ。
今回のRecital を第1回として、Beethoven の後期 ピアノソナタNo.28-32をmain に彼女の十八番のSchubert やMozart の作品演奏共々3年かけて弾いていく中々良い企画だ。
今日の演奏曲目は以下の通り。
[1]Beethoven / Piano sonata No.28 in A Major Op,101
[2]Schubert / Piano sonata No.13 in A Major Op.120 (D664)
[3]Schubert / Impromptus Op.90. & Op.142
Op.90-1 / Op.90-2 / Op.142-1 / Op.142-2 / Op.142-3 / Op.142-4
[Encore]Schubert Impromptus Op.90-3 / Op.90-4
【小生comment】小山実稚恵は、今年還暦を迎えた日本を代表するPiano 独奏者の一人だ。
Tchaikovsky と Chopin の国際コンクールの両方に入賞する実力者だけあって、聴いていてホント気持ち良かった。
今秋10月19日(土)の同じ時間に Beethoven の Piano sonata No.29 in B Flat-Major Op.106 “Hammerklavier” 他を演奏する。
演奏会終了後、席の予約が出来るというので、演奏会終了後に早速今日の席と同じ第1列17番を予約した。
他の2曲も、Mozartの Piano sonata No.13 in B Flat-Major K.333 と、同じく Mozart「デュポールの主題による変奏曲」K.573 なので期待している。
16時35分 豊田市参合館駐車場発→一般道→東海環状豊田東IC→東名→一般道 52km/170km 65分→
17時40分 拙宅着〔了〕
17時45分 拙宅中庭にて
[22]拙宅中庭に咲いている紫陽花1
【小生comment】
明日は、時習26回卒業45周年記念懇親会が、時習館26回生東京支部主催で横浜中華街で開催される。
小生は、翌日10日(月)は最後の株主総会に備えて想定問答を検討する役員会があるので一泊二日は諦めて日帰り参加だが、明日は、懇親会の前に Optional tour もあるので楽しみにしている。
では、また!〔了〕
【後記】今日のお別れに、親友の中嶋君【時習26回 3-2】が送ってくれた、小生が現勤務先を退任する記事が掲載された2019年06月06日付東日新聞をご紹介する。
[25]小生が現勤務先を06月25日付にて退任する記事が掲載された2019年06月06日付「東日新聞」
では、また‥〔了〕
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ブログへは【0626】号迄のback numberはURL:http://jishu2637.cocolog-nifty.com/blog ←此処をclickして下さい
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12時20分 トヨタ鞍ヶ池記念館着
12時25分 鞍ヶ池アートサロン『海風のささやき』展
[06]鞍ヶ池アートサロン屋外看板の前にて
[07]鞍ヶ池アートサロン 館内本企画展看板前にて1
[08]同上 鞍ヶ池アートサロン入口前にて1
[09]同上 同上2
[10]同上 ピエール=アルベール・マルケ(1875-1947)『アルジェ風景』1936年
本企画展展示作品全23点のうち小生が今回最も好きな絵が添付写真[11]と共に postcard になってアンケート作成者に present されて凄く嬉しかった。
なかなかいい作品でしょっ!小生、マルケの作品は大好きだ!
[11]同上 キスリング(1891-1953)『プロヴァンスの風景』1928年
12時45分 鞍ヶ池アートサロン発→一般道 7km/118km 20分→
13時05分 豊田市参合館駐車場着→Fast food で昼食→
[12]旧東海銀行豊田支店が「MUFG 三菱UFJ銀行 豊田支店」に変身!
2002年10月~2005年7月迄 旧UFJ銀行豊田支店に勤務していた建物も市街地再開発でご覧の様に綺麗な建物に変身!
旧東海銀行時代に旧三和銀行と合併し、東海からUFJに行名が変わった豊田支店で retail の General Manager を2年9箇月務めた行員とパート併せて125人を統括する仕事は結構しんどかったけど、遣り甲斐はあったナッ!
[13]参合館前から現在の「MUFG 三菱UFJ銀行 豊田支店」が入居したビルを遠望する
[14]豊田市コンサートホールが10Fにある「参合館ビル」をbackに
[15]参合館を正面から見上げて見た写真
[16]豊田市コンサートホール・ホワイエにて
[17]本 Recital leaflet
[18]開演前のコンサート会場1
[19]同上2
[20]本 Recital Encore 曲
此の encore 曲 2曲を演奏したことにより、即興曲 Op.90 の全4曲を演奏してくれたことになる!
[21]次回の小山実稚恵 Piano Recital を購入した際貰った、本 Recital の案内葉書
小山実稚恵(こやま みちえ(1959.05.03- )は、1982年 チャイコフスキー国際コンクール第3位(第1位該当なし)と、1985年 ショパン国際ピアノコンクール第4位(第1位ブーニン、第2位ラフォレ、第3位ヤブヲンスキーで、女性では最高位)の Piano の二大国際 コンクールの両方に入賞した唯一の日本人 Pianist だ。
今回のRecital を第1回として、Beethoven の後期 ピアノソナタNo.28-32をmain に彼女の十八番のSchubert やMozart の作品演奏共々3年かけて弾いていく中々良い企画だ。
今日の演奏曲目は以下の通り。
[1]Beethoven / Piano sonata No.28 in A Major Op,101
[2]Schubert / Piano sonata No.13 in A Major Op.120 (D664)
[3]Schubert / Impromptus Op.90. & Op.142
Op.90-1 / Op.90-2 / Op.142-1 / Op.142-2 / Op.142-3 / Op.142-4
[Encore]Schubert Impromptus Op.90-3 / Op.90-4
【小生comment】小山実稚恵は、今年還暦を迎えた日本を代表するPiano 独奏者の一人だ。
Tchaikovsky と Chopin の国際コンクールの両方に入賞する実力者だけあって、聴いていてホント気持ち良かった。
今秋10月19日(土)の同じ時間に Beethoven の Piano sonata No.29 in B Flat-Major Op.106 “Hammerklavier” 他を演奏する。
演奏会終了後、席の予約が出来るというので、演奏会終了後に早速今日の席と同じ第1列17番を予約した。
他の2曲も、Mozartの Piano sonata No.13 in B Flat-Major K.333 と、同じく Mozart「デュポールの主題による変奏曲」K.573 なので期待している。
16時35分 豊田市参合館駐車場発→一般道→東海環状豊田東IC→東名→一般道 52km/170km 65分→
17時40分 拙宅着〔了〕
17時45分 拙宅中庭にて
[22]拙宅中庭に咲いている紫陽花1
[23]同上2
[24]同上3
【小生comment】
明日は、時習26回卒業45周年記念懇親会が、時習館26回生東京支部主催で横浜中華街で開催される。
小生は、翌日10日(月)は最後の株主総会に備えて想定問答を検討する役員会があるので一泊二日は諦めて日帰り参加だが、明日は、懇親会の前に Optional tour もあるので楽しみにしている。
では、また!〔了〕
【後記】今日のお別れに、親友の中嶋君【時習26回 3-2】が送ってくれた、小生が現勤務先を退任する記事が掲載された2019年06月06日付東日新聞をご紹介する。
[25]小生が現勤務先を06月25日付にて退任する記事が掲載された2019年06月06日付「東日新聞」
では、また‥〔了〕
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