今日最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第二集『春の日』から〔第18回/秋~ 1句&「貧家の玉祭 /全5句」~〕をお届けする。
秋
八嶋(やしま)をかける屏風(びゃうぶ)の繪(ゑ)をみて
01(162) 具足(ぐそく)着(き)て顔(かほ)のみ多(おほ)し月見舟(つきみぶね) 野水(注1)
【意】源平合戦「八島の古戦場」の絵に描かれた平氏の舟 / 其の舟には多くの顔が並んでいて、皆一定方向を見ているが、此れは恰も軍舟が観月の舟の様に見える / 流石に風流を弁えている平家の公達だ
【解説】季語:月見(舟)=仲秋 /「八嶋をかける屏風の繪」とは、源平争乱の讃岐国・屋島の合戦の絵のこと /「平家物語」「謡曲」で名高い /
(注1)野水:岡田野水(?-1743(寛保03).03.22) / 埜水とも / 尾張国名古屋の呉服豪商で町役人 / 通称:佐右次衛門 / 本名:岡田行胤 / 芭蕉が『野ざらし紀行』の旅で名古屋逗留した1684年の『冬の日』同人 / 其の時、野水は27歳 / 其の直後に妻と死別した様だ /『阿羅(あら)野』にも多く名句 / 湖南の門人や去来とも親交を結んだ
待戀(まつこひ)(注1)
(注1)待戀:和歌題 / 女の立場から詠む /
02(163) こぬ殿(との)を唐黍(たうきび)高(たか)し見(み)おろさん 荷兮(注1)
【意】今宵もあの人は来ない / 視界を遮るのは唐黍(トウモロコシ)の高い茂りばかり /
せめてあの唐黍の穂の高さから見下ろして見たら、遣って来るあの人の姿が見えるかも‥
【解説】季語:唐黍=仲秋 /
(注1)荷兮:山本荷兮(?-1716(享保01).08.25(享年69歳)) / 本名:山本周知 / 名古屋の医者 / 通称:武右衛門・太一・太市・橿木堂、加慶は別号 / 貞亨元年以来の尾張国名古屋の蕉門の重鎮 / 荷兮は、芭蕉の唱え導いた「軽み」等の俳諧革新に追随出来なかった / 1693(元禄06)年11月『曠野後集』を出版した際、その序文に幽斎・宗因など貞門俳諧を賞賛し、向井去来等から非難された / 蕉門を離脱した荷兮は、晩年、連歌師となった / 離反前に、『冬の日』『春の日】『阿羅(あら)野』等を編纂 /
秋閑居増戀(かんきょにまさるこひ)(注1)
(注1)秋閑居増戀:和歌題 / 藤原俊成「思ひやれ春の朝の雨うちに軒にあらそふ袖の気色を」の様な作例がある / 女の立場で詠む /
03(164) 秋(あき)ひとり琴柱(ことぢ)はづれて寝(ね)ぬ夜(よ)かな 荷兮
【意】秋の夜長、訪れる人もなく、ひとり閉じ籠っていると、あの人に対する思いは募るばかり / 突然、立てかけてあった琴柱が跳ねて飛んで、弦が空しい音を響かせた / 今宵も私は涙に濡れて眠られないでだろうか、心の張り詰めた弦も切れてしまいそうだワ
【解説】季語:秋=三秋 /「琴柱」は、箏(そう)・和琴(わごん)の胴の上にたてて弦を支え、その位置を変えて調律するための「人」の字形の具。材質は木・象牙・プラスチックなど
04(165) 朝貌(あさがほ)はすゑ一(いち)りんに成(なり)にけり 舟泉(注1)
【意】初秋から咲き続けていた朝顔の花も、終に最後の一輪になって仕舞った /
【解説】季語:朝貌= 初秋 / 朝顔は、連歌以来、所収七月の花 / 此の句は、「秋の部」最後に配列されていることから、晩秋の心細さに重ね合わせているものと見られる
(注1)舟泉:永田舟泉((しゅうせん)?-1737(元文02).10.27) (享年84歳) / 三河国挙母((コロモ)=現・豊田市挙母町)生まれ / 尾張国名古屋の人 / 通称:六兵衛 / 1687(貞亨04)年に蕉門入る門 /『阿羅(あら)野』『曠野後集』等に入句
【小生 comment 】
次回は、俳諧七部集『春の日』から〔最終(第19)回/冬~ 1句 &「芭蕉翁を宿し侍りて」4句 &「芭蕉翁をおくりてかへる時」1句 &「隠士にかりなる室をもうけて」1句~〕をご紹介する。お楽しみに!
■続いての話題は、10月15日(火)に仕事を終えてから愛知県芸術劇場コンサートホールにて開催された「ダン・タイ・ソン(Dang Thai Son)」Piano Recital を聴いて来たことについてお伝えする。
彼は、1958年07月02日 ヴェトナム ハノイ生まれ。
モスクワ音楽院に学び、1980年 ショパン国際ピアノ・コンクールにて Asia 初の優勝を果たした逸材で今や巨匠と言っていい 。
現在、モントリオール大学他で教鞭をとる。カナダ在住。
演奏曲目は以下の通り。
1. シューベルト/ピアノ・ソナタ第15番 ハ長調「レリーク」D840
2. ショパン/3つのワルツ (1)変イ長調 O.69-1 / (2)ヘ長調 Op.34-3 (3)嬰ハ短調 Op.64-2
3. ショパン/マズルカ風ロンド ヘ長調 Op.5
4. パデレフスキ(1860-1941)/4つの小品 (1)メロディ Op16-2 (2)伝説 Op.16-1 (3)夜想曲 Op.16-4 (4)メヌエット Op.14-1
5. ショパン/舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
6. ショパン/ボレロ Op.19
7. ショパン/スケルツォ第2番 変ロ長調 Op.31
[Encore]
1. ドビュッシー/亜麻色の髪の乙女
2. ドビュッシー/風変わりなラヴィーヌ将軍
3. ショパン/マズルカ Op.17-4
有名な 4.(4) パデレフスキのメヌエットからショパンの 5. 舟歌、6. ボレロ、7. スケルツォ第2番 迄の最後の4曲が特に素晴らしかった。
歯切れがよく、情感豊かで気品も備わった名演だった。
今日も、至福の soirée のひとときを過ごすことが出来嬉しかった。
[01]愛知県芸術劇場コンサートホール入口にて1
[02]同上 入口にて2
[03]同上 ホワイエにて
[04]本 Recital の Program & Ticket
[05]同上 曲目一覧とダン・タイ・ソン略歴
[06]開演前の会場1
[07]同上2
[08]Encore
曲一覧表
■続いての話題である。10月18日(金)は、仕事を終え18時30分から豊橋駅前の居酒屋鉄板ダイニング juju にて【時習26回 同期会】「四人会」を開催した。
中嶋【3-2】、宮下【3-4】、林【3-7】、今泉【3-7】が集まった。
9月生まれの小生と10月生まれの宮下君の二人を中嶋君と林さんが祝ってくれた!
同期の仲間たちって、ホント、いいもんだネッ!
[09]会場 juju の入口にて中嶋君と
[10]宮下君(左)・中嶋君(中)と
[11]四人で乾杯1
[12]同上2
[13]同上3
[14]お開きに会場1階入口近く内部にて四人で記念撮影1
[15]同上2
■続いての話題は、10月19日(土)の先ず午前中に、田原市博物館『日本の animation 美術の創造者=山本二三展』→『田原城趾』を巡って来たことについてである。
其の日は、生憎の雨模様だった。
午後3時から赤い羽根共同募金、午後6時半から広小路で「総おどり」がある。
その前に、午前中に田原市博物館にて開催中の『日本のアニメーション美術の創造者~山本二三(1953- )展』を見て来た。
09時30分 拙宅発→一般道2.5km →豊橋市美術博物館へ向かった
09時52分 豊橋公園入口付近で、豊橋まつりにて進入禁止であること判明し、同美術博物館訪問を断念し、田原市博物館へ目的地を変更→一般道18km 30分→
10時22分 田原市博物館(=田原城趾)駐車場着
山本二三(にぞう)氏は、「未来少年コナン」(1978年)、「天空の城ラピュタ」(1986年)、「火垂るの墓」(1988年)、「もののけ姫」(1997年)、「時をかける少女」(2006年)等、数々の名作 animation で美術監督を務めて高い評価を受け、現在も精力的に活躍中である。〔本企画展 leaflet より引用〕
[16]本企画展 leaflet
[17]火垂るの墓「裏通り」1
[18]同「清太」の家1
[19]同「縁側」1
[20]同「疎開先」1
[21]同「時をかける少女」1
[22]火垂るの墓「裏通り」2
[23]同「清太」の家2
[24]同「縁側」2
[25]同「疎開先」2
[26]同「時をかける少女」2
[27]同上3
【小生 comment 】
素晴らしいアニメの風景画だ。山本二三の作品は、original(=本物) より real だ。
添付写真の絵[07]〜[12]は、同[02]〜[06]の風景を小津安二郎(1903-63)風に視点を低くしてみた。かなり雰囲気が変わって見える。
素晴らしい!
【三宅氏田原藩1万2千石の城跡】
[28]田原城趾の中
[29]田原市博物館入口にて
[30]田原城趾の一郭にて
[31]田原城桜門にて1
[32]同上2
[33]田原市博物館(田原城跡)map
[34]田原城跡の中2
[35]同上3
[36]椿椿山(1801-54)【重文】『渡辺崋山(像)』1853(嘉永06)年
[37]渡辺崋山(1793.10.20-1841.11.23)【重文】『孔子像』1838(天保09)年
【小生 comment 】
田原市博物館は、旧田原城趾の中にある。
雨に濡れた城郭の風情もなかなかいいものだ。
因みに、渡辺崋山を輩出した此の三宅氏田原藩1万2千石は、遠山氏苗木藩1万5百石に次ぎ、江戸時代約300在った藩の中で、2番目に小さい城持ち大名だった。
11時27分 田原市博物館駐車場発→一般道19km 37分→
12時05分 帰宅
14時50分 拙宅発→一般道3km 自転車18分→
15時30分 ~ 16時30分 赤い羽根共同募金活動
16時55分 居酒屋「和民」着
【豊橋 総おどり 職場の皆んなと参加 1 】
先ずは、腹ごしらえ!
[38]職場のみんなと1
[39]同上2
[40]同上3
[41]同上4
[42]同上5
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