■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。今日も【時習26回3−7の会 0835】号をお届けします。
今日最初の話題は、松尾芭蕉(1644-94)「俳諧七部集『あら野』から〔第53回/巻之六~第511句~520句〕」をご紹介する。
一日(いちにち)留主(るす)をする事(こと)侍(はべ)りて
卯(う) 釣雪(注1)
(注1)大橋釣雪(おおはし ちょうせつ(生没年不詳)):尾張国名古屋の大橋左衛門 /『あら野』などに入句
511寐(ね)やの蚊(か)や御佛供(おぶく)(注1)燒(たく)火(ひ)に出(いで)て行(ゆく)
【意】早朝(卯の刻:明け六つの頃)、最初の仕事は、仏前の供物の為に煮炊きすること / 其の煙に一晩中悩ませてくれた蚊どもが逃げ出していく
【解説】季語:蚊=三夏 / 一連の釣雪の句は、ここでは時間をおって句を並べている / まずは、早朝の一句がこれである
(注1) 御佛供(おぶく):仏壇に供える供物のこと
512 杜若(かきつばた)生(いけ)ん繪書(ゑかき)の來(く)る日(ひ)哉(かな)
【意】今日は絵かきをしている友人が来る日だ / だから杜若でも花生(はないけ)に活けておこうか
【解説】季語:杜若(かきつばた)=仲夏 /
巳(み)
513 講釈(かうしゃく)の眠(ねむ)りにつかふ扇(あふぎ)哉(かな)
【意】講釈士が熱演をしている最中(さなか)0、居眠りする観客もいる / 其の眠気を覚まさんと講釈士はしきりに畳んだ扇子を講釈台に叩きつけて大きな音を立てている
【解説】季語:扇=三夏 /
午(うま)
514 水(みづ)あびよ藍(あゐ)(注1)干(ほす)上(うへ)を踏(ふま)ずとも
【意】干してある藍を踏むなヨ / そんなことする位だったら水浴びにでも行け!
【解説】季語:藍干(あゐぼし)=晩夏 / 藍は、夏四月に苗を植え、70日程経った頃、穂が出る前に刈り取り、数日陽光に曝して乾かす
/ 此れが玉藍を造るに至る第一工程である / 其の干してある藍の辺りで飛び跳ねて遊んでいる子供らに、「そんな所で遊ばずに水浴びにでもいけ!」と大人が諭している風景
(注1)藍(あゐ):藍染用の原料の草で、これを刈り取るのは夏
未(ひつじ)
515 蝉(せみ)の音(ね)に武家(ぶけ)の夕食(ゆふめし)過(すぎ)にけり
【意】武家は、出勤登城が早い為帰宅も未の刻(午後2時頃)と早く、夏だとまだ蝉が鳴いている夕暮れ前には夕食が終わる
【解説】季語:蝉=晩夏 /
申(さる)
516 五月雨(さみだれ)や鶏(にはとり)とまるはね作(づく)り
【意】五月雨の降り続く此の頃は、一日中薄暗く、夕闇が近づくのも早く感じられる / 鶏らも、暮れ六つにならない前から鳥屋へ入り、寝に就く為の羽つくろいを初めている
【解説】季語:五月雨=仲夏 /
(注1)所にありて生をたつ事是非なし:殺生を生業とすることも已む無いことである、と
山獣(やまのけだもの)
517 鹿笛(しかぶえ・ししぶえ)(注1)の上手(じゃうず)を尽(つく)すあはれさよ 樹水(注2)
【意】猟師が鹿笛を吹いている / 牡鹿の鳴き声にそっくりに / 其の笛の上手さにつけても、殺生しないと生きていけない猟師の生きることのあわれさを感じる
【解説】季語:鹿笛=仲秋 /
(注1)鹿笛:牡鹿の声に似せた音を出し、牡鹿をおびき寄せる笛
(注2)樹水<じゅすい>は能登の人。詳細不明
野鳥(ののとり)
518 鴫突(しぎつき)の行(ゆく)影(かげ)長き日(ひ)あし哉(かな) 兒竹(注1)
【意】秋の夕暮れ、鴫猟そする猟師たちが狩場に行く影が夕陽を受けて長く伸びている
【解説】季語:鴫突(しぎつき)=三秋 /
(注1)児竹(じちく(生没年不詳)):人物について詳細不詳
里虫(さとのむし)
519 枝(えだ)ながら虫(むし)うりに行(ゆく)蜀漆(くさぎ)かな 含呫(注2)
【意】クサギの枝を折って行く / あれは、キクイムシが付いた儘の枝をかついで町の薬屋に売りにいく処だ
【解説】季語:虫うり=三秋 、蜀漆(くさぎ)=初秋 /
(注1)蜀漆(クサギ):クマツヅラ科の落葉小高木
/ 山野に多い / 高さ約3メートル / 全体に臭気がある / 葉は大きく広卵形 / 八月頃、枝頂に白花を多数つける
/ 果実は球形で濃青色、果実の下に赤紫色の萼が星形に残る / 果実を染料に、若葉を食用にする / クサギリ
(注2)含呫(がんてん(生没年不詳)):人物については詳細不詳だが、『あら野』に多数入句
海魚(うみのうを)
520 おもしろと鰯(いわし)引(ひき)けり盆(ぼん)の月(つき) 同
【意】7月15日の盂蘭盆会だというのに、浜の漁師はいきいきとイワシ漁の網を引く / 盆の最中は殺生を慎むべき処だが、猟師にとっては生業なので死活問題なのだ
【解説】季語:盆の月=初秋(旧暦・七月十五日夜の満月) /
【小生 comment】
次回は、俳諧七部集『あら野』から〔第54回/巻之六~第521句~531句〕をご紹介する。お楽しみに!
■続いては、10月17-18日(土-日)に、琵琶湖一周一人旅に行って来た。
其処で今日は、初日の10月17日(土)に巡った所についてご紹介する。
「湖東三山『百済寺』『西明寺』『金剛輪寺』」「十一面観音像『渡岸寺観音堂〔向源寺〕』『石道寺』『鶏足寺〔己閤閣〕』」「菅浦湖岸集落」「海津大崎」を巡った。
行程は以下の通り‥
02時30分 起床→腹筋2,000回
03時15分 木刀の素振り50分
04時05分 入浴→朝食
04時40分 拙宅発→一般道→名神小牧IC→東名・名神高速→湖東三山SA(ETC) 3時間18分 181km→
07時58分 百済寺駐車場着
【百済寺】
[01][左上]百済寺 解説板
[左下]同 三百坊跡図
[右上]同 本坊(喜見院)池泉廻遊式庭園
[右中]同 同上にて1
[右下]同 同上2
[02[左上]]百済寺 本坊(喜見院)池泉廻遊式庭園にて
[右上]同 本堂へ至る参道
[左下]同 同所にて
[中下]同 本堂
[右下]同 同 如意輪観音半跏思惟像
09時02分 百済寺駐車場発→36分
10km/191km→
09時18分 西明寺駐車場着
【西明寺】
[03][左上]西明寺 案内看板
[右上]同 庭園『蓬莱庭』案内看板
[左下]同 庭園『蓬莱庭』
[中下]同 同所にて
[右下]同【国宝】三重塔1
[04][左上]西明寺【国宝】三重塔にて1
[右上]同 同上2
[左下]同【国宝】三重塔2
[中下]同 同上3
[右下]同【国宝】本堂にて
10時16分 西明寺駐車場発→一般道 10分
3km/194km→
10時26分 金剛輪寺駐車場着
【金剛輪寺】
[05][左上]金剛輪寺 案内看板
[左下]同 参道にて
[右上]同 明壽院庭園 案内看板
[右中]同 同所にて1
[右下]同 同上2
[06][左上]金剛輪寺 明壽院庭園にて3
[右上]同【国宝】本堂へ向かう参道にて
[左下]同 本堂 解説板
[中下]同 本堂にて
[右下]同 門前の土産屋で購入した「湖東三山」日本酒&米焼酎
【百済寺・西明寺・金剛輪寺 御朱印】
[07][上]御朱印「西明寺(左)」「百済寺(右)」
[下]同「金剛輪寺・大黒天(左)」「同・聖観音菩薩(右)」
12時20分 金剛輪寺駐車場発→一般道 1時間07分 43km/237km→
13時27分 渡岸寺観音堂〔向源寺〕駐車場着
【渡岸寺観音堂(向源寺)】
[08][左上]渡岸寺観音堂 本堂への参道にて
[右上]同 本堂
[左下]同 山門前にて
[中下]同【国宝】十一面観音立像1
日本で一番美しい十一面観音像の誉れ高い傑作
[右下]同 同上2
[09][左上]渡岸寺観音堂【国宝】十一面観音立像3
[右上]同 同上4
[左下]同 同上5
[中下]同 同上6
[右下]同 御朱印
14時15分 渡岸寺観音堂発→一般道5㎞ 15分 5km/282㎞
14時30分 石道寺駐車場着
【石道寺】
[10][左上]石道寺 本堂前にて1
[右上]同 同上2
[左下]同 駐車場にあった石道寺臨時休館案内看板1
[中下]同 同上2
[右下]同 本堂1
[11][左上]同【重文】十一面観音立像1
此の像は、衆生を救済すべく、第一歩を踏み出そうと右足親指を挙げている
[左下]同 同上2
[右上]同 同上3
[右中]同 解説板
[右下]同 本堂2
14時40分 石道寺駐車場発→一般道2㎞/284㎞
14時57分 鶏足寺(己閤閣)着
【鶏足寺(己閤閣)】
[12][左上]己高山鶏足寺 鳥観図前にて
[右上]同 拝観受付前にて
[左下]同 鶏足寺(己閤閣)拝観者受入休止案内
[中下]同【重文】十一面観世音菩薩像 頭部
[右下]同 境内にあった「木之本町観光案内」看板横にて
15時30分 鶏足寺(己閤閣)発→一般道51分 33㎞/317km→
16時21分 菅浦湖岸集落着
【菅浦湖岸集落】
[13][左上]菅浦 琵琶湖を望む
[右上]同 村社 須賀神社前にて
[左下]同 琵琶湖上の竹生島をbackに1
[中下]同 同上2
[右下]同 同上3
16時38分 菅浦湖岸集落発→31分
17km/334km→
17時09分 海津大崎着
【海津大崎】
[14][左上]海津大崎から琵琶湖・竹生島遠望1
[右上]同上2
[左下]同上3
[中下]海津大崎港前にて
[右下]今津サンブリッジホテル〔宿泊地〕
17時15分 海津大崎発→一般道30分 11㎞/345㎞→
17時40分 今津サンブリッジホテル着
【駒井隆広(1960-)写真展『新・癒しの旅 高島の絶景』】
[15][左上]駒井隆広『曼殊沙華』‥新旭町「源氏浜」‥2019年09月29日撮影
[右上]同『Rising Sun』‥今津町「家族旅行村ビラデスト今津」入口前‥2019年11月03日撮影
[左下]同『凛として』‥今津町「平池(だいらいけ)」‥2020年01月06日撮影
[中下]同『金色に染まる』‥今津町「家族旅行村ビラデスト今津」入口前‥2020年03月09日撮影
[右下]同『天からの一喝』‥「白鬚神社」‥2020年08月30日撮影〔初日(了)〕
20時45分 就寝〔了〕
では、また‥〔了〕
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