2019年3月10日日曜日

【時習26回3-7の会 0747】~「松尾芭蕉:俳諧七部集『冬の日』から〔第3回〕」「02月23日:三河城郭史談会日帰り旅行『静岡県富士山世界遺産センター』→『下条妙蓮寺』→『西山本門寺・織田信長の首塚』→『狩宿の下馬桜』→『奇石博物館』を巡って」

■皆さん、お変わりありませんか? 今泉悟です。
 さて、今日も【時習26回3-7の会 0747】号をお届けします。
 先ず最初の話題は、松尾芭蕉「俳諧七部集」の第一集『冬の日』から〔第3回~13句~24句〕お届けする。
 
13 田中(たなか)なるこまん(1)が柳(やなぎ)(おつ)るころ  荷兮
 
【意】‥読者の解釈次第で、場面・情景が異なる結果となる、故に以下【解釈】から此の句の【意】を読者夫々が解釈されたい‥
【解説】初裏七 / 秋:柳落つ / ―植物―人倫 /
 前句の「一家没落」の原因が遊女にあるかの様に暗示している
 連句の順番として此の次の「初裏八」が「月」の定座であることを踏まえ、季語「散る柳」を持って来て「秋」とした /
 更に「散る」を「落る」として落胆の気分を出している
 幸田露伴は評釈「冬の日」で「ただ是秋の日さびしきに、田舎のおじゃれ(2)が名を負ひたる柳のはらはらと散る頃と、荒れたる家の見ゆるわたりの時節景象を云へるまでなり。易らかにして、説くも重くもあらぬ句なり、易らかにおだやかに解すべし」と述べている
(1)こまん:出女(=旅籠にいた淫売女)の通称 /「こまん」という遊女に所縁ある柳を仮に想像して詠んだか / おじゃれ(2)
(2)おじゃれ:「おじゃる」の命令形 / 呼込みの語 / 江戸時代、旅籠の下女で、客引きや売色等をした商売女 / 飯盛
 
14 (きり)にふね引(ひく)(ひと)はちんばか  野水
 
【意】深い霧の中を川上に向かって船を両岸から満身の力を込め、足を引き摺り乍ら引いて行く人々がいる
【解説】初裏八 / 秋:降物 / ―水辺―人倫
 此処の「八句」は「月」の定座 /
 しかし、野水は「九句」の杜國に「月」を譲り、月前の句とした /
 此の連句では、最初の月が「第三」にて「有明(=下弦)の月」で始まっている /
 野水は「ふね引(ひく)=船を【上流】へ引き【上げ】」と詠み、「下弦の月」に続くのは「【上弦】の月」だと次の詠み手絶妙に繋いだ

15 たそがれを横(よこ)にながむる月(つき)ほそし  杜國

【意】黄昏時に川の上流へ向けて舟を曳く前傾姿勢の人には丁度眼の横の位置に三日月が見えることだヨ
【解説】初裏九 / 秋:月
 黄昏時の細い三日月(≒【上弦】の月)で前句に応えた

16 となりさかしき(1)(まち)に下()り居()(2)  重五

【意】慌(あわ)ただしい黄昏時にぼんやり三日月を眺めている人物がいる /
 久しぶりに宮仕えから久しぶりに実家のある下町に宿下がりしに来ているのだ /
 実家は口さがない下町にある /
 無聊(3)を託(かこ)つ其の人にとっては其れが堪(こた)えるのだ
【解説】初裏十 / 雑―居所
(1)となり(=隣)さかしき:近所の口が煩(うるさ)煩いの意 / 此の町は下町 /
(2)下り居る:宮仕えをしている者が自宅へ帰って来る
(3)無聊(ぶりょう):退屈

17 ()の尼(あま)に近衞(このゑ)の花(はな)のさかりきく  野水

【意】—
【解説】初裏十一 / 〔花の定座〕/季語:春 / ―花―人倫―釈教
 平清盛の妻 時子は剃髪して「二位の尼」と呼ばれた為「二の尼」とは身分の高い人を image して詠んだのだろう /
 その高貴な尼に近衛公の邸宅の枝垂れ桜の様子は如何かと聴く
 一方、幸田露伴は評釈「冬の日」で「二の尼は二位の尼君などいふにはあらず、尼となりたる官女の第二の人なり。
 二といふは次と云はんが如し、二の宮、二の町などいふ語の、二の用ゐざまに照らして考ふべし。
 近衛は貴き辺りを打かすめて云へるなり。
「西行櫻」の謠に「近衛殿の絲櫻」とあるを云へるにあらじ。
 前句の隣さかしき町に下り居る人を、既に宮仕えを辞して歳月久しき者と見立てたるなり。
 其人即ち二の尼に、近衛の花の盛りの様を他の人の問ひて聴くことを附けたり。(後略)」と述べている。

18 (てふ)は葎(むぐら)にとばかり鼻(はな)かむ  芭蕉

【意】宮中はすっかり荒れ果て雑草が生い茂り蝶は空しく飛ぶばかりだ、言ってさめざめと泣いた
【解説】初裏十二(綴目) / 季語:蝶=春 / ―植物―動物
 むぐらは八重むぐらで雑草 /「鼻かむ」は涙を流すこと
 
19 のり物(もの)に簾(すだれ)(すく)(かほ)おぼろなる  重五

【意】輿に乗って去る人の顔が簾越しに何とか見えるのであるが、其れも涙で霞んで仕舞う /
 左遷等で都落ちして行く人を詠んだか
【解説】名残表一(折立) / 季語:おぼろ(なる)=
「朧月夜の君」との密会が露見して別離を余儀なくされた光源氏の面影付けを踏まえているか
 
20 いまぞ恨(うらみ)の矢()をはなつ声(こゑ)  荷兮

【意】我らが恨みを思い知れ!とばかりに掛け声と共に一の矢を放つ / 雅な貴族世界から荒武者の戦闘場面の勇壮な場面に転じた
【解説】名残表二 / 雑

21 ぬす人(びと)の記念(かたみ)の松(まつ)の吹(ふき)おれて(=をれて)  芭蕉
 
【意】—
【解説】名残表三 雑―植物―人倫
 12世紀中頃の大盗賊熊坂長範所縁松の木(美濃国青野村「物見の松」)の吹き折れている様を以て前句の背景として荒涼たる情景を示す
 
22 しばし宗祇(そうぎ)の名()を付(つけ)し水(みづ)  杜國

【意】高名な松は風雪に折れて仕舞っていたが、宗祇所縁の名泉は残っている / 暫し昔日に想いを馳せるのである
【解説】名残表四 雑―水辺―人倫
 前句と同じく美濃の国郡上八幡 山田庄宮瀬川の畔にある天下の名泉「宗祇の忘れ水」「宗祇の清水」を詠んだ/
「しばし」、は西行の「道の辺に清水ながるる柳かげしばしとてこそ立ちとまりつれ」等に拠る /
 露伴は「しばし、の一語はなはだ巧みなり。一切は仮現なり、大盗の松も山風に吹折られ、詩僧の泉も田夫には打忘らる、此は是れ世間の常態なり。ここに水に対し、かしこなる松を憶ふ、山深き美濃路の風情は言外に見ゆ」と述べている

23 (かさ)ぬぎて無理(むり)にもぬるゝ北(きた)時雨(しぐれ)(1)  荷兮

【意】笠をとって一休みしていると時雨が降り出した / 此の場面では、時雨の詩人 宗祇に因んで無理しても時雨に濡れないと様にならないヨナ!
【解説】名残表五 / 季語:北時雨=冬 / ―降物―旅
 宗祇の「世にふるはさらに時雨のやどりかな」という発句を踏まえる /
 此の句は、風況俳人として風流人の大先輩である宗祇を偲び、風狂を演じ時雨に濡れる俳人の心意気を詠んだもの /
 芭蕉の『冬の日』の巻頭にある【前書】の「笠は長途の雨にほころび‥」を念頭に於いている
(1)北時雨:「時雨(しぐれ)」に同じ
 
24 (ふゆ)がれわけてひとり唐苣(たうちさ)(1)  野水

【意】冬枯れの野原に分け入り草を求めた結果は、唐苣だけだった
【解説】名残表六 / 季語:冬がれ=冬 / 冬―植物
 前句の時雨に濡れることをする風流人は、其の実、冬枯れの野に青菜を捜していたただの人という parody に転じた /
(1)唐苣(とうちさ):チサの一種 /「不断草」の俗称がある /
 
[01]不断草

 
【小生comment
 俳句は、風流と可笑しみを上手く混ぜこぜにして楽しむのがコツか?
 次回は『冬の日』の〔第4回〕25句~36句をお届けする。
 お楽しみに!

■続いての話題は、去る0223日に三河城郭史談会日帰り旅行『静岡県富士山世界遺産センター』→『下条妙蓮寺』→『西山本門寺・織田信長の首塚』→『狩宿の下馬桜』→『奇石博物館』を巡って来たので其の模様についてお伝えする。

0345  起床 / 腹筋 2,000
0445  木刀の素振り 60
0550  入浴朝食
0635  拙宅発自転車
0655  豊橋公園着
0700  豊橋公園発貸切バス

 其の日は、時習26回生の朋友 中嶋君【3-2】と岩手君【3-4】らと『三河城郭史談会』の日帰りbus tour で富士宮市の史跡巡りに行って来た。
 岩手君は、綺麗な奥様と一緒です。

[02]貸切バスの前にて
                  
[03]SAにて左から 中嶋君【3-2】 小生【3-7】 岩手君【3-4】 岩手君の奥様

[04]貸切バスの中にて中嶋君と佐藤さん時習173-11】と一緒に
                  
[05]中嶋君提供のワインを手に

[06]岩手君と
                  

1000  静岡県富士山世界遺産センター駐車場着
 
 静岡県富士山世界遺産センターにて
 
[07]富士山本宮 大鳥居前にて

[08]同 静岡県富士山世界遺産センター案内前にて
                  
[09]静岡県富士山世界遺産センター入口前にて

[10]昼食処 志保川 での御膳
                  

1145  志保川発
1210  下条妙蓮寺着
 
[11]下条妙蓮寺本堂前にて

[12]境内の梅の木の前にて
                  

1245  西山 本門寺着
 
 何と、織田信長の首塚がありました!
 本当かどうかは小生 分かりません!

[13]西山 本門寺略縁起

[14]本門寺本堂前にて1
                  
[15]同上2

[16]織田信長の首塚
                  
[17]同上の由来

[18]境内の白梅の前にて
                  
[19]同 紅梅の前にて


1305  西山本門寺発
1320  狩宿の下馬桜着
 
[20]狩宿の下馬桜 解説板
                  
[21]同所にて 全体写真1

[22]同上2
                  
[23]富士山を back に中嶋君と1

[24]同上2
                  
[25]富士山を back


1340  狩宿の下馬桜 発
1400  奇石博物館着
 
[26]奇石博物館前にて
                  
[27]館内 大きなアメジストの前にて


1440  奇石博物館発貸切バス
 
[28]夕飯のお弁当
                  

1900  豊橋公園着
1930  帰宅〔了〕
 
【後記】昨日は、時習26回生同期の飯田君【3-2】と水藤君【3-6】と小生【3-7】の 3人で、来たる 6 9() 横浜中華街にて開催される「時習26回生卒業45周年記念旅行&懇親会」の Optional Tour について何処に参加するか作戦会議を開いた。
 
1800  拙宅発徒歩競輪場前市電
1825  豊橋駅前着
1845  居酒屋 三代目網元 さかなや道場着
 
 因みに我々 3人は、時習館高校の【1-4】と【2-8】の classmates である。
 だからほぼ一年ぶりに 3人でミニミニクラス会もしたことになる。
 ホント、気の置けない仲間との語らいは楽しい!

2045  さかなや道場発市電
2130  拙宅着〔了〕
 
[29]居酒屋 さかなや道場前にて 飯田君と水藤君と

[30]三人で乾杯1
                  
[31]同上2

[32]飯田君と
                  

                                        以上
 
 では、また‥〔了〕

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